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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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paradise Sky 5th

試合が始まる10分前の話…


「イックンちょっといいですか?」


「ん?どうかしたか?」


「少し2人だけで話したいことがありまして…」


珍しくしおらしい感じで話を聞いてほしいという海未。

あまりそんな仕草が目に入らなかった為俺は海未の言われたと通り2人だけで話を聞くことにした。


「イックンお願いがあるんです。もし香澄に何か気落ちや立ち直れなさそうになった場合イックンが助けてあげてほしいんです。」


「いやそりゃあ助けはするが、寧ろそんな機会なんかあったりするのか?逆にたすけられる側になったりする可能性もあるかもしれんぞ。」


「いえ今のイックンを見ていたら何も問題はないと確信しました。後は今まで培ってきたものを本番で発揮すれば問題ありません。しかし香澄の場合は違います。もしかしたらメンタル的な事で何か言われてその場から逃げ出す可能性があるかもしれないんです。」


「なら今のうちに海未が香澄ちゃんに伝えれば何も問題がないんじゃ…」


「いえ今言っても恐らくそこまで重要視にはしないと思います。寧ろ大丈夫だからと驕ってしまう可能性もあったりするかもしれません。」


「………何でそんな事が言えるんだ?少なくともそんな光景見た事ないんじゃないのか?」


「はい正確にはそんなの見たことがありません。それと単なる噂を鵜呑みにしかしていないと思います。」


「ならそんな香澄を信じてあげないといけないんじゃないのか?」


「それができないかもそしれないからお願いしているんです。だからイックンもし私の想像している事に股を射抜いたら…その時は妹の事をよろしくお願いします。」


「けど俺彼女にたいしてコレと言って励ます用語なんて何も…」


「いえ香澄にはある言葉を言えばきっとガラッと変わるぐらいの人格入れ替えといっても過言じゃない程凄い子なんですよ。(多分)」


「………今何か不穏な事を聞かされた様な。」


「ひとまず私が言った通りに香澄にある言葉を伝えてくれればいいんです。それは…」


そして現在俺は離れた場所からたまたま拾った無線の内容を勝手に聞いてしまい勝手にある言葉が頭の中で海未に言われた通りその言葉を伝える。その内容は…


「目の前の事だけに集中しろ!俺がしっかりみている。だからお前の勝つ所を見せてくれ!」


「へ、変態先輩…」


ドクン!ドクン!ドクン!


あれ?私何か緊張している。そんなたわいのない言葉のに何故か心がざわつく…


「………」


「ふっ無駄ですよ。先輩そんな言葉でその子に何か伝わるなんてただの浅はかにすぎないですよ。というかいい加減落ちてくんないかな?もう後タイムリミットが後10秒もないんだよね。」


「え?何で無線機があっちにまでって!…マジか全共有になっている。やっちまった。」


茉莉奈に何でコチラの声が聞こえてしまったのか少し焦ってしまった一星は自分が全共有用に設定しまっていたのをうっかりしてしまい咄嗟の恥ずかしさが込み上がった。


「………いやでもそこまで恥ずかしがる事はないか…」


「おら!ごちゃごちゃ言ってるとそのフラッグもらうぞってがああ!」


バコン!

ヒューーーン


「パワー型のあの瞬発力を見てそのまま立ち向かってくるって頭悪いのかコイツ…」


普通に突進してきた男に俺はそのまま紙一重で上手く下へと叩き落とし何事も無かったのようにそのままバランスを整える。


「な、何て先輩だ。パワー型のシューズを履いてあそこまでのバランス補正を保てられるなんて…いったいどんな特訓したんだ。」


「……よし後少しコレならなんとかいけそうだな。」


まずいなもう後がない…余裕そうにみえたのが裏目に出たか…こうなったら


「強硬手段だ。どんな手を使ってもあいつを止める。」


残り時間15秒…


「さ〜て香澄ちゃん〜ここでも私達に虐められてしまうなんて本当に何の因果からしらね。」


「そうそうもう手が出せないんだからそのまま痛ぶってあげる。」


そう言って茉莉奈の側によくいる2人のギャルが香澄に向かって挟み討ちで攻撃を仕掛ける。だが…


シュン!


「え?」


「き、消えた?」


ほんの一瞬の様にして消えたかのように見せる残像。それは一星が見せたパワー型と同じぐらいの早さといっても過言じゃないぐらいに俊敏に動いた香澄は2人に気付かれない様に後手の方へ移動していた。


「な!?」

「いつのまに…」


「………あの子嘘でしょう。」


瞬間に移動した様にみえるけれど、それは違うわね。そのまま急速に真後ろに回って残像の様に見せかける。……まさかあんなぼくらつな子があんな事ができていたなんて…


「……少し試してみる価値はあるわね。」


「くっ!何なのよ!コイツちょこまかと動いて、全然触れられないじゃないのよ!」


「ちょっとそっちじゃないわよ何処にタッチしようとしてるの!」


「え!?そんなさっきは確かに前にいたのに…」


「ふぅ〜ここでは私はあなた達より強いです。悪いですけどフラッグの回収は諦めてもらえませんか?」


「はぁ?ふざけんじゃないわよ。」


「そうよアンタみたいな小物に私達がおめおめとやられるとでもいうの?」


「そうじゃありません。単に無駄だと言ってるんです。私の履いてるシューズとあなた方が使ってる一般のシューズでは最早足元も及びません。ですから大人しく既に設置してあるフラッグを回収するのが1番効率がいいと思いますよ。」


「ふっねぇ聞いた杏奈?あんなふざけた事抜かしてるわよ。」


「そうね飛鳥。やっぱり自分がどの立場なのか分からないでいるみたいね。そんなんだから虐められるのよ私達に…」


「………そうやって挑発しての時間稼ぎはあまり有効ではありませんよ。もう既に残り7秒です。ここからどう足掻いても…」


「そう、なら私がアンタの裏側を取れさえすれば問題ないって事よね!」


「!?」


バシャン!


「くっ!外れたか…」


「………」


サ!

サ!


私の背後に茉莉奈さんがいた。距離はそれなりにあったのにいつのまに…


「アンタ達時間がないからどんなこすい手を使ってでもそいつを黙らせるよ!」


「あ、ああ!」


「当たり前でしょうが!」


「っ!」


バシャン!

サ!

バシャン!バシャン!

ギュイーーーーン

サ!

サ!


「こんの大人しくフラッグをよこしなさいよ!」


「うろちょろ動き回ってんじゃないわよ!ボンクラが!」


この人達本当に言いたい放題ですね。そう言って私のメンタルを弱らせるつもりかもしれませんが、そう簡単にやられるわけが…


「!?横!」


バシャン!

バシャン!


「へぇ〜やるじゃない。だけどここからどうかしらね!」


「っ!」


攻防戦ですか!


バシャン!

バシャン!

バシャン!

バシャン!


「す、すげ〜なんだアレあんな風な試合初めてみたな。」


「いや何か何処かでみた記憶ないか?」


「……そう言えば昔に似た様な何かで攻めてるやつがいたよな。確かアレって葉月蒼の時じゃなかったか?」


「え?それって3年前か4年前あたりだよな?でもそんな試合があったなら何で記憶からうっすらしているんだ。」


「単に興味がなかっただけだろうお前は…」


「ふふん〜まぁな。」


「褒めてないんだがな。というかあの噂お前マジで知らないのか?」


「え?噂?」


「マジで知らないのか…葉月蒼は3、4年前には確かに名を轟かせたのは間違いないが、妙な噂話もあったんだよ。」


「どんな噂なんだ。」


「何でも葉月家では借金をして、有名な地位を奪われて自由に動けないらしいのとその名門お嬢様をコテンパンにやってしまったのが原因という話だ。」


「はは、それ単なる噂だろう。証拠がないじゃないか……あ、いや待て…まさか…」


「ああ、ようやく分かったか。そう今上で相争っているあの2人実は…


「………まぁ直ぐに分かってしまうわよね。単なる噂でもそんな風に思って観戦していてもおかしくないわ。特に今のあの2人は目立っちゃってるもの…」


そんな感想を述べながらファーストブロックを観戦している生徒達から思わしき言葉が垂れ流しになってるのを耳にするのを聞きとってしまった美森。美森はその言葉に対して少し嫌悪感を抱く。


「にしても本当何も知らない人達は気楽に噂を流しているんだもの…側から見たら嫌悪感しか抱かないわね。」


「じゃあ皆んなに公開すればいいんじゃないんですか、せ〜んぱい!」


「………」


物凄い陽気な感じで美森に話しかける女の子。


「あら、野々美ちゃんじゃない。どうしたのこんな所で?林音ちゃんなら司会室にいると思うわよ。」


「はい知ってますよ。けど今回はそれとは関係なく美森先輩に用があったんです。」


「用っていったい何のようかしら?」


「ふふ、そう睨まないでくださいよ。私は単に面白い話に関して伝えに来ただけです。何せ私新聞部ですからね。おっと今の世代では新聞部は古いですかね。言うなればSNS報道部と言えば聞こえはいいかもしれませんね。」


「ごたくはいいから早いとこ言う事があるなら言って頂戴。今かなりいい所なんだけど。」


「おっと、それは失礼しました。けど結果がわかる試合なんて見て何が楽しいんでしょうかね。幼馴染さん達の考えがよく分かりません。」


私からしたらあなたが1番よくわからないわよ。

以前から私にまとわりつくこの子…既に私達幼馴染の関係が露見している中で唯一私に本音をぶちまけてくる謎の子…

本当に陽気とは裏腹に別の側面みたいなのがあるから中々話辛い所があるのよね。


「幼馴染の考えというけれど、私個人としても幼馴染の考えなんて分からないわよ。だから今ある結果なんて誰も…」


「え〜既に勝ちの道筋が見えているじゃないですか。このブロックあそこにいる海未ちゃんの妹の子と茉莉奈ちゃんって言う子がまず勝つのはすぐさまにわかりましたね。」


「………なんですって?」

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