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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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特訓そのI

ヒューーーン!


「うわうわうわ!」


ヒューーーン!

ビビ!

パシャン!


「はぁはぁはぁ……」


「大丈夫ですかイックン?」


「だ、だいじょうばない…」


今俺は海未にparadise Skyでの基礎の手解きをしてもらっている。……が、思い他自分が思っていた以上に大分困難な状況に陥っており、中々言う通りに動いてくれていない。そしてそれが、現状上がったり落下しているというくだりを何回も行っている。


「イックンそろそろ朝のホームルームが始まるので続きはまた放課後にしませんか?」


「あ、ああそうだな。というかこんなに難しいのか…このリフレクションシューズは…」


「まぁ才能に否まれない人からしたらそれに履き慣れるには苦労しますね。私もどれだけその靴を慣らしたか…」


そうか海未も別に最初っから使いこなせていたわけじゃないんだな。


「なんか男子と女子でもそこまで大した差はないって言われてたけど、やっぱり男子が1番体重が重いから傾いて飛ばないって事はないのか?」


「いえそんな事ありませんよ。このシューズは身体の左右のバランスを安定させる装置がついてるんです。なので、大きな身体のバランス変化は特にありません。しかし強いていうなれば、どれだけそのシューズでの相性が必要性にはなってきますね。」


「相性?え?今俺が履いてるこのシューズはもしかしてあってないって事なのか?」


「いいえそんな事はありませんよ。そのシューズはいわば練習用なんです。あってるもあってないのも関係ありません。単に初めて履いて初めて飛ぶという経験をイックンはしているわけだから、安定でなくて当たり前なんです。」


「あ〜〜そう言う事ね。言うなれば自転車の補助輪をつけないで走っている最中それに対して上手くコントロールができないのと一緒なわけだ。しかしそれだと直ぐに慣れるのは難しそうだな。」


「いえいえ、その辺は心配後無用です。放課後もう一度試してみましょう。そうすれば分かりますよ私が言ってる意味が。」


「そうなのか?」


「はい!あ、けどどうします?お昼はいつも通り皆んなと食べますか?」


「……う〜んまぁその辺はみんなの都合次第だな。俺も今日はちゃんと弁当を買ってきてるし今回皆んなに迷惑をかけないつもりでいる。」


「そうですか…それならば問題無さそうですね。因みに今回は私はパスしてもいいでしょうか。午後は大会に向けてのミーティングが部室で行われるみたいなので、皆さんとご飯食べられないかもです。」


「気にすんな。何もそこまで頻度よく食べなくても大丈夫だ。たまにはそう言う事もあってもいいと思う。」


「はい!ありがとうございます。それではまた放課後に!」


そう言って海未はそのまま飛んでいき、自分の教室へと戻っていくのだが…


「コラァ!リフレクションシューズで飛ぶなと何回言えば分かるんだお前は!」


「あははは、すみません!」


いや笑い事かよ。というか何回もやってるのか…そりゃあ注意されるわな。……おっと俺も急がないと授業に間に合わなくなる。


そしてそのまま何事もなく午前の授業を終えていき午後の時間の昼休み俺は蒼脊と一緒に弁当を食べる事になったのだが…


「何故、宇佐木田さんと山茶花も一者なんだ?」


「そりゃあ当然だよ。海未の妹さんがいたなんて話し今まで知らされてなかったんだよ。それが突然昨日川兎ちゃんから海未ちゃんに妹がいたらしいよって言われてビックリしたんだから。」


「………おい蒼脊どうなってんだ。幼馴染達全員知ってたわけじゃないのか?」


「知ってるのはあくまでも俺と東小橋川そして美森姉だ。まぁ美森姉は知っててわざと知らないフリをしていたと思うけどな。」


「蒼脊や東小橋川さんだって同じ様なもんじゃないか。俺が海未の進化系を見て妹もしくは双子か従姉妹だって聞いたら全員まさかの知らないときたんだ。じゃあ知ってるお前らはそれを話してもよかったって事になると思うんだがな。」


「神楽坂君…海未ちゃんをそんなモンスターか何かに例えなくても…」


「けど知らなくて良かった部分はあったと思うぞ。今こうして聞いて聞かされた2人はどう思っていらっしゃるんだ?」


「そりゃあ勿論!」


「うん許せない。いくら向こうがお偉いさんだからって先生達はあまりにも非道だと思う。それに私達なら助けられたかもしれないし相談にだってのれたかもしれない。」


「気休めはよせ。そう言う気遣いや、かもしれない事はかえって本人に迷惑だ。ここに入って早々の事もあるし、なにより君津家の家は俺達ではどうする事もできない。」


「…………」


「どうかした一星?」


「いや前からちょっと気になってたことがあったんだが、ただの偶然かもしれないってそう思い込んで聞こうとしはしないでいたけれど……なぁもしかして君津家って、あの君津家妙蓮寺先輩と絡んでたりしないよな?」


「………あ、そういえば知らなかったか。そうだな…君津家先輩はあの妹の兄貴だ。別に隠すつもりでも何でもないし直ぐ様に言えば良かったんだが、てっきり東小橋川が言ってるのとばかり…」


「まぁタイミングが中々なかったというより、そう言うのは言わないで後に楽しむ方なんだろうけどなアイツの場合は…」


しかしそうなればちょっと話が変わってくるな。進む方向性は現状維持…でもできれば君津家先輩に言って何とかしてくれたら1番の解決だが……美森姉の一件があるから何か頼み辛いな。


「それよかどうなのよ練習は上手くいってんの?」


「え?あ〜まぁそう簡単にはいかないわな初日だし…早々にできるなんて事は無理だ。俺はparadise Skyの天才ではないしな。」


「天才かどうかなんてそもそも関係ないぞあのスポーツは…」


「……それ海未にも言われた。シューズによってバランス構成が保つとか言われてたからその辺だけは気にとどめていたけれど結局どう言う事なんだ?」


「え〜とだな。」


「あ、それなら私が説明してあげるね。蒼脊君よりかは私の方が詳しいと思うよ。」


「ああ〜………そうだな頼むわ。」


え?何今の一瞬の間は?そんなに詳しく知ってるのか宇佐木田さんは?


「えーとね。まず初めにリフレクションシューズでの種類があるのよ。」


「ああそれも知ってる。それを海未に説明されて、後程買いに行こうって言われた。そこまで高くないから、今回イベント参加による割引で安くなってるとも聞いたしな。」


「じゃあその種類が一手になる要なのも理解できてる?」


「一手になる?何で一手になるんだ?別にそのシューズが悪ければ買い換えれば良くないか?」


「そうじゃないのよ神楽坂君。確かに種類があって自分に合わなければ違うリフレクションシューズに替えればいいんだけどね。でもそれは間違いなのよ。」


「間違い?もしかしてかなり額が行くって事なのか?」


「そうじゃないわ。そのシューズで履いた後って自分に合わなくなったとしても次のシューズに履き替えるともう飛べなくなる程の後遺症が出てしまうのよ。何故かと言えば、それはその人が履き慣れてしまった共感性に関係する。」


「???共感性って、ただのシューズだよな?なのに共感性って意味が分からない。」


「う〜んどう説明すればいいんだろう。詳しくは分かってるつもりではあるけれどコレを説明すると中々難しいわね。」


「あ!じゃあ一星君の今あるトラウマを仮定にして考えたらどうかな?それだとしっくりくるんじゃないかと思うよ。」


「ああ〜それはそうかもしれないわね。寧ろその方が分かりやすいかも。」


「俺が抱えてるトラウマと共感性にどう連なるものがあるんだ?」


「神楽坂君って、未だに泳ぐ事に対して抵抗があったりするんだよね?」


「ああそうだな。まぁ抵抗というよりかはまだ水の中を退けてると言った方が正しいかもしれない。身体が嫌がってるってのもあると思う。」


「…………」


蒼脊は一星のトラウマの話を聞いて少しばかり表情が険しくなるが、そのまま話を聞き続ける。


「そう!そこと一緒なのよ。」


「何故そんな張り切って強調するんだ。」


何か楽しんでる?気のせいか?


「あはは…川兎ちゃんはようやくマウントが取れて嬉しいだけだと思うよ。滅多に友人に対して説明する機会なんてなかったからね。それに川兎ちゃんは極度のparadise Skyオタクなんだ。」


「な、何?」


今聞きたくない事を聞いた気がする。つまり不可解な点があったら説明要られずにはいられないという事なのか……はまさかな。


「えーとねコレを説明するのは本当なら30分かかるんだけど…今回は特別に短縮して5分に纏めるね。」


うんやっぱり面倒だな。


「そのトラウマで泳げない=リフレクションシューズでのトラウマも一緒になるのよ。何故かと言えば、リフレクションシューズは違うシューズを履けば思いの外自由に飛べなく傾向があるの。」


「ん?だったら慣れるまで飛べばいいって言うだけの話しじゃないのか?」


「残念だけど殊の外そう簡単じゃないのよね。慣れるまで飛ぶという事はその人は半年かけてようやく基礎中心に戻せるか戻せないかというレベルに達してしまうのよ。だから新しいシューズを履くというのはリスクが背負う形にもなるのよ。」


「……そうなのかイマイチピンとは来ないけれど、要はあれだな。共感性というよりかは相性云々かんぬんの問題なんだよな。俺のトラウマに関しては身体のリハビリが捗らないから上手く泳げない……つまりは自信(・・)があるかないかの問題だから新しいシューズを履き替えたとしても前のシューズとの相性が悪いのが分かっていて新しいシューズを履けばその不安要素が付き纏い上手く飛べなくなる。何事も自信が大事だって事なのかもしれんな。」


でもこの場合でのシューズの相性っていったいどうやって見極めるんだ?お試しで履いてるあのシューズでも別にコレといって何がどう変わるというのは無かったが……まさか海未に騙されて履かされてるって事はないよな?


「あ、因みにそのシューズには3つの種類があるのは既に分かっているかしら?」


「いやそれは初耳だ。3つもあるのか?」


「コホンそれじゃあその説明ありきで話させてもらうわね。えーとまずは…」


「おいおいそんな話しをしてたら昼休みが終わっちまうぞ。その辺に関しては本人に直接聞いた方がいいんじゃないのか?」


確かにその話しをし出したら何だか歯止めがきかなさそうだな宇佐木田さんは…やっぱり本人に聞いた方が早いか…

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