paradise Skyに参加するかどうか葉月香澄の決心の揺らぎ
この2人をここに呼んだ。もしかしてわざとこの2人を呼んだのか?
「何でしょうか?私がここに呼ばれる検討がつかないんですけど?」
「あなた本当にそれを言っているのですか?」
「いやいや普通そう思うでしょう。だって私達何も悪いことしてないし、ね?葉月さん?」
「は、はい。」
「というか、まぁ生徒会に来た理由は他でもあるというか先輩に呼ばれて来ただけだからそのまま流れに沿って来ただけなんですけどね。」
「………」
ああ〜コレはあれだ完全に怒ってるなあの子…まぁそりゃあそうだある程度俺達から事情を聞いてどうにかして証拠をつかもうとまずは自重聴取するためにこの2人を呼ぼうとしなかった。でもまさかのイレギュラーが起こっていったいどうしたものかと困惑してしまうのも無理はない。でも東小橋川ならそんなの関係なしにこの状況を打破してしまってもなんら不思議はない……というか勝手に呼んでたから既に事前準備は整った感じにもうかがえるな。
「そうまぁ朝の件に関してはとりあえずおいておいて、話を聞いて欲しいかな。君津家さんは私の催すparadise Skyに参加したいとの事です。理由は単に明確、葉月蒼ちゃんを倒したいそれが彼女がここに私と一緒についてきた理由になります。」
「………あ?」
俺も同じくその様な反応をしてしまう。そして向く視線は春野原の方へと見る。何故なら春野原は恐らく真っ直ぐとここへ訪れる最中途中で東小橋川さんに会ってここきた。つまりその2人を連れて来た事に関して、知っていたのにも関わらず何も話さなかったと言う事は東小橋川さんと共犯…どうして今まで話さなかったのか疑問に思ってしまう。
「あ春野原さんは当然知りませんよ。上手く視線で交わしてはいますが、首を横に振ってる通り彼女に咎め事は何一つありません。私がこの2人を先に会って生徒会室の前で待機する様に言ってたんですから。」
まぁだろうな。春野原がそんな裏付けたことができているなら、あんなアホみたいな事はしないだろうし何よりも香澄ちゃんの事を裏切る様な事はしないだろう。事前に話している可能性もあったりするが、さすがに色々と無理があるか…
「参加したいだと?お前今の立ち位置を分かっての物言いなのか?私同様他の教師達も今はお前の事に対しては多めにみているが、今のままで済まされると思わない事だな。」
「先生…それは教師の言うセリフじゃありませんよ。最早ヤクザ関係か何かです。」
「何をおっしゃってるのかはさっぱり分かりませんが、単に私はparadise Skyに参加したくてここへ来ただけにすぎません。虐めとかそんな幼稚な事すると思ってるんですか。」
ポン!
「君津家さん。あまり度がすぎるおしゃべりはその辺にしといた方がいいよ。私の目が黒い内はまだ君の思惑通りに動かしている。コレがどう言う意味かわかるよね?」
「先輩お言葉ですが、さっきの条件と今の発言する物言いは関係のない事です。先輩の言う通り、ここに来れば申請はすんなり通れるし言質もとれる。だからこうやってきているのにその脅しみたいな発言…いくら先輩の言う事を聞いても私がどう出るか分かりませんよ。」
「ふふ〜いいねその溢れんばかりの対抗心…私にとっては是非ともねじ伏せたいという気持ちが湧いて出てくるよ。」
アイツ、追い込まれるという立ち位置というのに関係なくマジで蒼脊が言ってたとおりどう攻略するのかが楽しみなんだな。コレをゲーム感覚で楽しんでいる……か。
「へ、変な先輩ですね。でもまぁ先輩が渡した資料通り私も参加可能という事でいいんですよね?」
「………はぁ〜私に拒否権なんてあるものか、好きにすればいい…但し大会が始まるまで何かしら揉め事を起こせば参加は認めない形とする。お前がどんなに財閥としての力を使おうとな。」
「ふふ、そりゃあ怖いですね。今後気をつけないといけませんね。……ね葉月さん。」
「!?」
そう言って君津家はこの生徒会室から出ていき、やる事をやり終えたかのように大きく背伸びしながら奇妙な笑みを浮かべる。
バタン!
「やれやれ、とんだ迷惑な事になったな。」
「というかいいんですか?あっちは確かな断定をしていませんよ。寧ろ厄介事を起こす気まんまんだと思います。」
「だろうな。すぅ〜はぁ〜どうしたもんかね。」
「だ・か・ら!」
「そうだ!おい神楽坂。」
「ちょっと!こっちの話しを無視しないでください!」
「お前、あの君津家に対して対抗意識はあったりするか?」
「え?あるわけないじゃないですか。」
「そこに困ってる奴がいても同じ事が言えるか?」
「………脅しですか?」
「脅しというより教員命令だな。お前そいつと一緒にparadise Skyにでろ。そうすればこの問題速やかに片付けられるぞ。」
「どう言う事ですか?」
「あ〜それは私から説明するね。実は今回のプロジェクト、参加者に対してそのチームに勝つ事にある命令権をくだせる事ができるんだよ。と言ってもその場で私と教員が承諾したらの話しだけどね。あ、勿論エッチな事は無しだけど。」
「………でもそう簡単にじゃないんだろ?」
「ふふそりゃあそうだよ。何せこの学園施設全体を使ってのバトルロワイヤルなんだから、そこでどうやって起点を活かせるかが要になる。しかも初心者でも大丈夫と言ったけれど、ペアの方でのやり方は自由。この自由がどう捉えるかが問題となると思うけどね。」
東小橋川さんの考える試合はろくでもない事だからな…何かあるとしか言いようがないか。
「じゃあ俺と香澄ちゃんが参加すれば、虐めの問題も片付くという事になるのか?」
「そこはまぁ君達次第なんじゃないのかな?私は命令権を下せるだけとしか言ってないからね。」
「で、でも私……」
そうまず本人に参加する希望がなければこのイベント自体どうでもいい…いや寧ろやりたくないならこうやってどもってしまうのも当然。それに香澄は俺に参加しないようにとアレだけ暗い表情を隠しながら俺に向けた笑顔。そんな彼女に対してやはり参加したくないなら参加させないというのがあの時の約束なんじゃないかとそう思う。
「すみません、やっぱり急すぎる事なんで香澄ちゃんがパッと決められる感じではないと思います。俺ならばすぐ様に承諾はできますけど、もう少し時間を置いてはくれませんか?」
「………まぁまだ期間はある。明日からこの件に関しては公開される。それから出場するかどうかは役1週間まである。そしてそこから、2週間後に再開予定だ。ゆっくり考えるといい。」
「ありがとうございます。それでいいか香澄ちゃん。」
「え?あ、はい…そうですね。」
半ば不安がってる彼女だが、今はこう押し切るしかない。恐らく彼女は参加せざるを得ないと思ってはいるかもしれんが、そこも上手く話す事が感じんだな。
「じゃあ話はここまでだな。教師としてできる範囲は一応やったつもりだ。」
「タバコ吸って難癖つけていただけのように見えたんですけどね。」
側で苛立ちながら小萌志先生を見る鳴上。まぁやたらと生徒会室でタバコ吸われたら、本当に迷惑だなって話になるな。
「でもまぁこの件は正直ちゃんとすべき部分はあった。監督不届きで申し訳がない葉月。」
「いえその私も問題ありな性分といいますか。皆さんに迷惑をかけてしまって本当に申し訳ありません。あの、先輩も本当にごめんなさい私がもっとちゃんと抵抗しておけばあんな風には…」
「いやそれは特に気にしてないから。それに状況をちゃんと知らなかった俺にも原因がある。」
蒼脊に言われなかったら、恐らく香澄ちゃんの家族がもっとやばい事になったんだろう。
「おい話はコレで終わりなのか?」
「え?あ、そうですね。まぁ朝の事を話す以外は先生からのお話しだけでしたし、あまり込み入った話はありませんね。」
「………」
「あ、後葉月、悪いがこの後職員室まで来てくれるか、ここでの話は生徒会含めて他の教師とは話が入り込んでない形になっている。朝の騒動では他の生徒が噂を疎にしているはずだし、私と上手く話がついたていで職員室に来て欲しい。」
「あ、はい。でも私は何を話せば。」
「な〜に軽く流す程度で頷けとけばいいさ、私がある程度は省いたやり方で周りを誤魔化す。お前はそれに対して相槌をすれば問題ない。」
「この人本当に教師でいいのでしょうか。」
「直ぐに終わる。んじゃ行くぞっとそうだそうだ副会長も一緒にきてもらうぞ。会長がここにいない代わりの処理はお前に一任されてるからな。」
「えー!!何でですか!という私ここに呼ばれた意味全く分からないんですけど。」
「だから葉月香澄についての関係者での話しについてで、会長が来ないからお前が来る必要があるってちゃんとお知らせのメッセージを鳴神に伝えているはずだ。」
「…………あ。」
「今確認したな。ほらとっとと済ませるぞ。」
「う〜私今日は厄日だ〜」
「え、え〜とそれでは皆さん失礼します。」
そう言ってタバコを先っぽを消しゴミ箱に捨てる小萌志先生に続いて香澄と宇佐木田さん2人ざ出ていくのだが、普通に生徒会室のゴミ箱にタバコを捨てていった先生に鳴神は怒りながら持って帰ってくださいと言って呼びとめ渡す。本当に好きがってな先生だが、さすがに生徒会室にタバコを捨てるのはダメだろう。
「やれやれ、とんだ面倒くさい事になったな。それじゃあ昼食に行きますか。」
「う〜ん私もお腹空いちゃったかも。」
「2人とも悪いがもうちょっとだけ俺に付き合ってもらえるか。まだ少し話しがあるんだ。」
「え〜別に食べながらでも良くないか?」
「うんうん、いつも通り付き合うよ。なんならまた屋上で食べる?」
「いやちょっと真剣な話をしたくてな。多分飯が不味くなると思う。……春野原と鳴上はそのまま職員室に行って一緒に香澄ちゃんと保健室に戻ってやってくれないか。少し心配だ。」
「言われなくてもそうするつもりです。あなたよりかは私達の方があの子と仲良いですからね。」
「そんな!せっかく先輩とまた一緒にいられる時間ができたと思ったのにってあ!木葉ちゃん引っ張らないで!」
「あんなのに付き合わなくていいんですよ。ほらさっさっと行きますよ。」
そのまま生徒会の扉を閉め職員室へと向かった香澄の所へ2人も向かっていく。やっぱり香澄ちゃんが思ってる程ちゃんとした友達がいるじゃないか。
「それで、真剣な話っていったい何の話しなんだ?腹が空いてるから手短に頼むぞ。」
「……ああ、なら率直に聞かせてもらう。お前ら香澄ちゃんが虐めにあってるというのは海未自身本当は知ってるんだよなこの事…」




