まさかの副会長が幼馴染
今何て言ったんだ?副会長?宇佐木田さんが?
「…………まさかな。」
「今宇佐木田が副会長とかあり得ないって思っただろ?」
「え?嘘だよな。」
「それが本当なんだよな。自分から立候補して、上手く演説も上手くいき、周りから応援される立場だとやはり上に立つという身分からすれば、一応名目で副会長としてなら何とかなると思ったんじゃないか?まぁ本人がしたい立候補は別であるかもしれんがな。」
「まぁアイドルが考える事はよく分からんし別に何がどうとは言わないが…まさか宇佐木田さんがな。」
けどかえってこれは好都合なんじゃないか?生徒会の立場である宇佐木田さんなら今回の件……うん今回の件…
「なぁ蒼脊。香澄ちゃんの件っていつから問題視されてるんだ?」
「あ?う〜ん…さぁな。俺が聞いたのは1週間前辺りぐらいだからあまりその辺でいつから問題視されてるかもわからん。」
「1週間前にお前はこの件について知った。となればこの件はもしかすると早急になんとかしないと問題な点に当たるんじゃ…」
とにもかくにも、香澄ちゃんの心のケアに関する問題なら徐々に寄り添って、いやこの場合は姉である海未に適任するのが1番だが……本当にアイツはこの件を知らないのか?
「ほらそこの2人ぼ〜と突っ立てないで行きますよ。お昼ご飯食べられなくても知りませんからね。」
「あ、じゃあよければ私のお弁当食べる?よかったらなんだけど…」
「1人分のお弁当しかないのに、何を分け与えようとしてるんですか。人は動物じゃないんですよ。しっかり食事をとって午後に向けて英気を養う…そんなちょっぴりじゃ育ちざかりの男の子は満足しませんよ。だからこうして早めに来たというのに…」
「………本当に律儀な子だな。わざわざそんな事を考えてまでここに来る理由をはやめたのか…何とも浅ましいというか、何というか…」
「でもまぁ確かに食事に関しては理に適ってる発言だな。まぁ俺は先にコンビニで買ってるからいいんだけどな。」
「くっ用意周到なやつめ…それも今日はこんな事があると思って先に買ったのか?」
「まさか屋上でまたアイツが変な事を言い出さないかと思って、ひとまず1週間はコンビニでサンドイッチとおにぎりは買っておく様にしておいたんだ。できる男の子はコレだから困る。」
「はいはいそうだな。」
俺はわざわざカッコ良さでよ自己アピールをする蒼脊を無視し、午後のお昼どうしようかと悩んでいた時、背中からトントンと誰かに叩かれるのを感じ振り返ると山茶花がコチラを見て何やらソワソワしている素ぶりをしていた。
「………何かようか野谷山?」
「え、え〜とその…よければ何だけど、私お弁当作ってきたんだ。よければ後で食べてくれる?」
!?
!?
!?
!?
「へ〜お弁当作ってきてくれたのか…でも何でなんだ?自分の分はどうしたんだ?」
「私のはお母さんが作ってきたものがあるから、最近神楽坂君…食堂やコンビニが多いでしょう。それにこの前のお弁当私だけのけものにされたみたいで嫌だったから作ってきたんだ。何かこの後生徒会に行くみたいだからついでにこのお弁当も持っていって…」
「ああすまんな。助かる。」
「ううんいいの…あ、木葉ちゃん。今日の用事何の用事か分からないけど、あまり皆んなに迷惑かけちゃダメだよ。」
「寧ろ私が1番迷惑被っているんですけど…まぁその辺に関してはひとまず置いといて……くっ!火花先輩のお弁当食べてみたかった。」
本音ダダ漏れ…という普通に作ってほしいって言えば作ってくれると思うんだけどな。今の山茶花なら…
「ほら行きますよ。生徒会では他の方々と先生もお待ちなんですから。急いでください。」
「いやそれに関してはいいが、何か俺に対する一言はないのか…今聞いたばかりではいそうですかっていけるやつは普通いないぞ。」
「男の子なら、そこは有無を言わさず黙ってきてくれればいいんです。男の面子を知らないんですかあなたは…」
「………くっ俺コイツ美森姉の次に嫌いだ。」
「お、抑えろ抑えろ。そこは我慢だ我慢。」
無理矢理のお呼ばれした蒼脊が1番難儀だな全く…でも1番難儀なのは…
「え〜と、ごめんねどうやら私も生徒会に行かないといけないみたいなのだから皆んなごめんね。」
え〜〜〜
お昼休みで皆んなと食事をする約束をしていたのか、それを物凄く頭を下げながら謝る宇佐木田さん。いやどんだけ集まって食事する気だったんだ。20人近くいるぞ。最早大宴会じゃないか…
「副会長急いでください!」
「は、はーい!」
良い返事をした後そのまま後に続く宇佐木田さんと俺達。生徒会室で香澄ちゃんの事を話すとしてもいったい内容はどんなものなのかは検討がつかない為…何を頭の中でシミュレーションすればいいか分からない。けど、どちらにせよ虐めの問題なのは確かだからまずは様子を伺ってからだな。
………生徒会室
「おう遅かったじゃないか。」
「小萌志先生。え?じゃあ今回の集められた担当の先生って小萌志全然ですか?」
「すぅ〜〜はぁ〜〜……」
「ちょっと先生ここ禁煙なんですけど!」
「硬いこと言うなって、中々吸える場所がない分ここだとわりかし自由に吸えたりするんだ。多めにみてやってくれ…」
「それならば電子タバコとか使って下さい。」
「ああ〜あれ私には不向きなんだよな。と言うか美味しさがあまり感じられん。」
「知りませんよそんな事…」
「はは、さすがは小萌志先生相変わらずですね。」
「おお、涼風か…お前相変わらずやんちゃばっかりしてんじゃないだろうな。」
「先生誰かと間違えてませんか?俺がそんな風にする輩に見えますか?」
「お前の素性がどうのと言ってるわけじゃない、単にお前のやる行動での話について私は言ってる。」
「………さぁそれについては俺自身もこたえしかねます。」
「…………」
「何の話しをしてるのかしら?」
「さぁ…だがただならぬ関係なのは間違いなさそうだな。」
「は!?それってもしかして、生徒と教師の禁断の恋とかじゃ…」
「恋愛系の漫画のみすぎだ宇佐木田さん。現実に限ってそれはない…寧ろアイツの場合…」
「蒼脊君の場合?」
「…………」
クイクイ
「ねぇ蒼脊君がな〜に。」
何故そこまでして聞きたがる。というかそんな可愛いく裾を引っ張られても話すきはないからな。
「おいおいお前らこんな時にイチャつくなよ。いくらなんでも人目を気にしなさすぎだ。」
「し、してないわよ!単に神楽坂君に蒼脊君が何か別の秘密を持っているのかなって聞きたかっただけよ。」
「え?一星に俺の秘密を話した事なんてないはずなんだが…何かあったか?」
「え?……」
「だから言っただろう。単に憶測の話だって…」
「プクーーー!」
「なんでそこで膨れっ面になる。何も嘘はついてないだろう。」
「それでも雰囲気的に気になったんだから仕方ないじゃない!」
ドン!
「さぁ私が呼ばれたと言う事は何か恋愛絡みなのかな?かな!」
「ちょ、ちょっと早いですよ小橋先輩。」
「はあ?何でここに小橋がいるんだ。」
「え?………あれ?私お呼ばれされたから来たんだけど、何このしんみりした空気は…」
「というか何故春野原と一緒なんだ。一緒にくる理由が分からん。」
「さっきそこで夢葉ちゃんと会ってね。何やら恋の予感がしたからここに来たんだけど……あ、もしかして別件案件だった。」
「お前のここへ来る理由が最早意味が分からん。春野原が原因で直感でここに来たのか?それともこの生徒会に呼ばれてここに来たのかどっちなんだ。」
「あ、因みに私はその人を呼んではいません。なので、どうせ面白い事があるから駆け寄ってきたみたいな感じでしょう。すみませんが、ここに天才お二人は必要ありませんので、お引き取り願いますか?」
「ムム!あまりにも不公平だ。でもまぁあまり面白くない事には首を突っ込みたくないからね。大変な事は願い下げと言いたい所だけど、paradise Skyの申請云々でここへ寄らせてもらったプラス妹の香澄ちゃんについて何か聞きたい事があるんじゃないのかな?」
「………」
「え?私?私何も話してないよ!本当よ!さっきまで本当に知らなかったんだから話をする余地なんて何処にもないわよ。」
「まぁそうでしょうね。副会長がコレですし…会長も今日に関しては欠席するらしいので、早いと話を進めましょう。いいですね先生。」
「すぅ〜はぁ〜〜あ?ああ話は終わったか?」
「だからここで吸わないで下さい!」
あまりにも自由すぎる先生に場にいるほとんどの人は唖然し、本当に虐めの件について集められたんだよなと再度疑ってしまう。
「コホン!えーと、それでは朝の件についてからお話しさせていただきます。」
「あ、その前に質問いいですか?」
「まだ何も話していないのに質問ですか。まぁいいです。それで質問内容は?」
「ここに葉月香澄がいないのは何でなんだ?あの子がそもそもの原因対象なのに本人がいなかったら意味がないんじゃないのか?」
「ごもっともな意見ですね。しかし彼女の事にいつてここで仮に来たとしても本音を語るような事が果たして起こると思いますか?現場にいたあなたと涼風さんがいたと、一部の生徒から話は通っています。ならまずはあなた方にその辺に関しての状況を聞くのが1番の近道だと私や生徒会長そしてこここにいる小萌志先生からの了承を得ています。」
マジか…正直本人いた方が話が早くて済むんだけどな…ここにいないとなればどうやって現状の事を伝えるか一部始終みたわけじゃないが伝えるにも伝えにくいし…説明するのも色々と面倒だな。




