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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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権力という立場と立ち位置での関係そして海未の偽名発覚

どうしてここに蒼脊が?いや蒼脊も周りの騒がしさに気付いてきたんだろう。でも蒼脊が前へ出て庇い立てするなんて、どう言う風の吹き回しだ。


「また先輩ですか…悪いんですけど、部外者は何処かへ行っててもらえませんか。どう考えても取り込み中なのは理解できてますよね?」


「そうだな。確かに取り込み中らしい…けどコレだけの目撃現場を見ている人達がいるのに平然と虐めという行為をやめないというのはそもそも人間としてどうなんだ?」


「……あ?」


バコン!

ヒューン!

カランコロンカランコロン!


蒼脊の真横を通り抜けるバケツ。虐めていた女子生徒は落ちていたバケツを思いっきり蹴り上げ吹っ飛ばし何食わぬ顔で、蒼脊を睨みつける。


「先輩〜悪いんですけど、さっきからウザイんですよね。そんなの分かった上でやってるんですよこっちは。というか何ですか正義の味方にでもなったつもりなんですか?そんなの古臭くて笑えるんですけど。」


「………」


あの子全然動じないない行動するな。さっきから言ってる事があまりにも脅し文句でしかない。蒼脊の性格からしてうざったいのは間違いないと思うんだが…本当にめんどくさい事になったな。


「俺は別に正義の味方になったつもりはないし単にお前達に忠告しにきただけだ。」


「はぁ?何の忠告ですか?」


「お前らそいつが誰の妹なのか知ってんだろう?ならその姉が物凄い形相しながらこっちへ向かってるのは知ってるよな?」


「!?」


「ねぇそれやばくない?」


「うん私らもここ離れた方がいいと思う。」


「………チッ。良かったわねまともな先輩に救われてこの場から難を逃れられて、でも私達アンタの事まだなぶり倒すつもりだから覚悟しておきなさい。……あっ勿論この事お姉さんに報告したらどうなるかわかってるわね?」


「………っ!」


そう言ってその場から退場する虐めの3人女子。というかここでコイツを見逃してもいいのか?普通に先生に言った方が……いやそれよりも先に香澄ちゃんの事が優先だな。


「……香澄っ!?」


ガシ!


「な!?蒼脊。」


「コッチに来い。」


「いやでも…」


「いいから。」


嘘だろこのまま彼女を放置する気か?いやでも周りの奴らが駆け寄って心配にはしている。一応気遣ってくれているのか?


「………」


「アレを見て何か思っているならそれは勘違いだぞ。」


「はあ?それはどう言う…」


「ひとまず場所を変えるぞ。あの子には悪いが今のお前が行っても遠慮されるのがオチだ。」


「…………」


そう言われそのまま黙ってその場を後にする俺達。気のせいか今の香澄ちゃんに正気の目が無くなっている様に見えたのは勘違いだと思いたい。


………少し離れた外側の螺旋階段


「はぁ〜マジで緊張した〜さすがにあそこでの介入は予想外すぎたぞ。」


「なぁ蒼脊あの場に海未が駆けつけてくるなら、別に離れなくても良かったんじゃないか。」


「あんなの嘘に決まってんだろう。お前も分かってるはずだぞ。海未は中身がアレだから野生の感が働かない限り妹を助けに行くのは無理だ。それにああ言えば上手い事ハッタリをかませるだろう。」


「………まぁそうだとは思っていたが、けど何故俺を止めて自らアイツらに制止をかけたんだ。どう考えてもお前らしくない行動だと思うぞ。」


「それはコッチのセリフだ。お前どういうつもりで声をかけたんだ。単に気紛れで助ける気ならそれは単なる自己犠牲だぞ。」


「何言ってんだ?あの子が普通にあんな風にされてたらさすがに見捨てるのも味が悪いだろう。」


「だから助けようとしたとそう言いたいんだな。」


「ああ……それが何かいけない事なのか?」


「まぁお前のそういう所嫌いではないんだけどな。あまりにも偽善者すぎて言葉も出ない……いや分かっているのに首を突っ込む体質なんだろうなお前の場合…」


「おい何勝手に人の事を分かった風で話しているんだ。さっきの虐めていた理由(・・)話してもらうぞ。」


「ふっそこは何で助けてはいけないんだという理由(・・)の言い方が正しいんじゃないのか?」


蒼脊の言ってる事それは俺があそこで、海未の妹を助けるつもりで前へ出たのは紛いもなく事実ではある。しかし助けるという前振りで俺は真意を確かめたかったのだ…あの場で起こった出来事、理由はあるのは確かだ…俺の中で解せん事がある。それはその状況で何故誰も虐めていた女子に対しておくついてるのか俺はそれが分からずにいた。


「……分かってるならとっとと言ったらどうなんだ?」


「な〜んだつまりさっきまでの助ける素振りアレはお前の演技だったというわけか…まぁ別にそれに関してどうこうしたかという問題ではないんだがな。そうだな…強いて言えば家の関係上とでも言えばいいのかもしれんなコレは…」


「いや問題がないという事はないと思うんだが……てか家の関係上って、八月一日家が何か問題があるのか?ああいや違うな…この場合別名偽名がアレなのか…」


「そうだなアイツの偽名は、葉月(はつき)(あお)八月一日(ほずみ)から八月の部分を取って別名で葉月と呼ばせている。」


「成る程な。じゃあアオは?」


「単純だよ。海未という感じから青色のイメージとして、自然な形での青い海青い空、そこら因んで蒼いという漢字で蒼にしたんだ。」


「………ああ〜そのままの意味の色での青じゃないんだな。という事は妹の苗字も?」


「ああ葉月として通っている。別に八月一日でもいいとよ姉である海未はそう言っていたが、本人は特に気にする事ないから大丈夫とそう言ったらしい…それで名前云々からしてここからの話ではあるんだが、海未の妹を虐めていたあの女…姉の海未を根に持っている。」


「虐めていたやつって3人いるがその中の誰が海未に根に持っているんだ?そもそも海未とはどう言う関係なんだ?」


「まぁ話が長くなるから、簡潔に言えばparadise Skyでの交友関係だったって事かな。そしてやたらと圧をかけてくる奴がいたろう。あの女が妹の事が気に食わないらしくて目をつけていたのかやたらとイビリ倒しすようになったらしい。」


「じゃあ何でそれを他のみんなは黙っていたんだ。そんな状況なら尚更放ってやれないだろう。特に幼馴染達は……いや待てよそういえば山茶花達は香澄ちゃん達の事は知っていなかった。それで誰も助けようにも助けられなかったというのなら話が通るな。」


「いいや通らないな。確かにアイツらは知らなかった。いや知る由もなかった。何せ海未はその事を隠していたんだからな。」


「何で隠す必要が…いやでも東小橋川さんは知っている口ぶりはしていたぞ。アレはどう説明するんだ。」


「偶然と言えば分かるか?たまたま見かけてそれを知って、東小橋川は知っていたんだ。というかアイツに知らない事はないだろう。俺達の関係上的に…」


「なら香澄ちゃんはどうなんだ?あの子東小橋川さんを知っていたぞ。」


「知っていたというより聞かされていたというのが正しいんじゃないのか?」


「………そう言えばあの時公園で、香澄ちゃんは別に幼馴染の事に関しては知っているけれど、会った事はないとそう言っていたな。なら完全に俺達の幼馴染達は接点が無かったというわけか。………ん?じゃあ助けられなかたという事ではまかりとおる話だったんじゃないのか?何で話が通らないんだ?」


「会った事はないだけで話だけは聞いている。ここでの虐めのことも把握はしている。けど、それに関わってしまったら、海未自身に迷惑がかかるから関わってないんだ。」


「どう言う意味だそれ…」


「さっきの話し家柄の問題と言っただろ。あの虐めていた女…今海未のある苗字は再結婚した父親の苗字として扱っている葉月なんて変わった苗字だが、アレは八月を言い換える部分もありつつ、今の父親の苗字でもあるんだ。そしてその父親との関係性でそのカギを握っているのがあの財閥娘という事だ。」


「………じゃあその財閥娘に関わると…」


「ああ少なくとも東小橋川以外は終わるだろうな。何せほぼスポーツ関係やスポンサー関係のお偉いさんらしいからな。」


「スポーツとスポンサー関係……厄介な奴が虐めの首謀者なんだな。……でも東小橋川さん以外なのは何か理由があるのか?アイツは特に害がないと言うのはおかしい気もするんだが…」


「アイツはゲーム関係全般で賢い部分があるだろう。だからコレに関してアイツに揺さぶりは通じない。寧ろやる気を出してどう対処するか模索するだろうな。」


「なら東小橋川さんに相談を持ち込めば…」


「できねぇんだよ。他の奴もそうだが、東小橋川に頼もうにもまず本人が認めなきゃ意味がない。確信した証拠がなけれぼアイツは動かないというのはお前が十分分かってるはずだろ。」


「………じゃあこの件に関しては皆んな分かってはいるけど…」


「ああ手を出せないというのが現実だな。まぁ幸い姉の海未には伝わってないから、それがホッとできる理由でもあるがな。」


「何故だ?アイツも一年だから教室にいけば、保健室にほとんど通っている事がバレるんじゃないのか?」


「バレない様にしてんだよ。アイツには一応信頼できる奴がいる。そいつに根回しして上手く姉に伝えさせない様にしてんだとよ。」


「………なんだ友達いるじゃんか。昨日公園で話した時はいないみたいな振る舞い方をしていたから、少し気をつかっていっていたのがバカらしいぐらいだ。……あ?いやいやそれならその友達は何であの場所に現れなかったんだ?」


「ああそれは……まぁもうお前自身がよく知ってる筈だと思うから次の休み時間辺り尋ねてみるといいさ…」


「はあ?よくわかんないんだが…」


「分からなくても直ぐに分かると言ってんだ。何処か適当な時間帯で一年のCクラスに訪れてみろ。そうすれば納得できる部分がある。と言うか昨日の公園で会ったとか…どんな偶然なんだ本当に…あの帰った後直ぐに現れるって…最早誰かが誘導している様にしか思えんぞ。」


「まぁそう言うなら尋ねてはみるが…結局お前は俺があの場で関わってほしくないから阻止したという事でいいのか?色々と話は聞かさせてもらったんだが…」


「まぁな俺ならばまだ仲裁ができる立ち位置にある。でもお前はまだここに来て1ヶ月ちょっと…何かあっても助けられない場合がある。あまりどこもかしこに手を出せば自分自身に破滅が訪れるから気をつけておけよ。」


「あ、ああ…」


やっぱりお前は優しいな。でも簡単に首を突っ込むなと言うが、今回の件少しだけ、突っ込ませてもらうかもしれん…わざわざCクラスに訪れてみろなんて言うぐらいだ。何かしら解決する手掛かりがある可能性がある。それに財閥娘に遭遇し会わない様にしないといけないしな。……でも会えば分かるってそんな直ぐに視認しただけで直ぐに分かるなんて到底思え無いんだが、分かるのか本当に?

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