海未の妹
ひとまず全員自分達の教室へと戻りというより海未だけが自分の教室へと戻って俺達全員が自分の教室へと戻っていき、放課後まで授業を受け俺は蒼脊にもう一つ相談しないといけない事がありながらどう伝えるのか頭の中で考え授業中上の空になりながら授業を軽く聞き流してしまっていた。
………放課後
「蒼脊この後時間あるか?」
「うん?ああ別に大丈夫だが……まさかまた幼馴染関係の話しとかじゃないだろうな。それだったらもう付き合わんぞ、もう5人の素性は分かってるんだ。これ以上その話しをされても何も…」
「海未の妹…の話しだったらどうだ。」
「………まぁそうだよな。アイツの家に行けば普通は分かるよな。分かった…それで何処で話すつもりだ?アイツも取っ捕まえて話すのか?」
「いやまずはお前と話しがしたくてな。海未と妹の関係性最初からしってたんだろ?」
「最初っからではないが……いやここで話すのもなんだ。場所を移そう。」
危ない危ないここでその事を話せばどうなる事か、あの2人の睨みつける視線…余計な事は言うなよという目つき、俺がそんなヘマをする様に見えるか?……いや見えるからああ言う目つきなんだよな。
………公園
「ほれ飲みもん、コレでいいか?」
「おう悪いってコレ昔飲んでたパインジュースじゃないか。」
「あれ?お前好きじゃなかったかそれ…」
「昔はな。と言うかコレ好きなの海未だろう。アイツ俺の好きなものにはほとんど手をつけていたから、それでもしかしてと思って買ってきたんじゃないのか?」
「いやそんな記憶……ああ〜なんかあったかもな。朧げだが…」
「はぁ〜」
仕方なしにせっかく買ってきてもらったジュースを捨てるのを悪いと思った俺はそのままタブを開け久しぶりに小さい頃飲んでた昔の味の感覚を噛み締めながら飲むが、やはり…
「うぇ〜甘ったる〜こんなのよく飲んでたな昔の俺…」
「それ今でもアイツ飲んでるぞ。コレはイックンとの思い出の1つだからとか言って絶対にコレだけは譲れんとか言ってたからな。」
「そこまでの思い出があるとは思えないんだけどな。……まぁそう言う思い出があるならこっちとしては微笑ましい所はあるな。」
「何気に子どもっぽいしなアイツ。」
「いや中身モロ子どもだろあれ。」
「確かに…」
お互い昔あった記憶を遡りながら談笑しつつ懐かしさを味わいそろそろ本題へとうつそうと先に蒼脊から俺に声をかける。
「さてじゃあ本題といこうか、それで妹がどうかしたのか?」
「ぶっちゃけの話になるんだが、海未と妹の香澄は何があって paradise Skyでの食い違いが発生したんだ。海未は今でも香澄がベテラン選手だと思い込んでる。でも本人は違う才を持っている。この時点で既に分かるはずを何で海未は分からないんだ?」
「本当にぶっちゃけた話だな。」
カシユ!
蒼脊は買った缶のジュースのタブを開けそれをひとのみして一星の質問の問いを答える。
「……ふぅ〜あの家で両親が違うと言う話はもう聞いているな。」
「ああ詳しくは聞いていないが、妹の方の母親は事故で海未の父親は病気で死んだって…」
「ああその辺に関しては本当だ。何もおかしな事はない、しかしそれが原因でちょっとした問題が発生してな。まぁその辺は本人の口から言うべき事になるから敢えて伏せてのかたちではなすが…海未とその妹はその亡くなった両親の意思をついである天才の力に目覚めた。それも逆の意味でな。」
「逆?」
「そう本当は真反対なんだよ2人のかけている才というのは…」
「え?じゃあ海未は paradise Skyの天才じゃないって事なのか?」
「………お前努力って単語は好きか?」
「はぁ?いやまぁ好きでもなく嫌いでもないかな。」
なんだ急に何かの例えか?
「それ答えになってないぞ。」
「俺の場合天才だったというのもあって、一応努力した未でもあるんだ。けど俺がそれを努力という言葉を否定してしまったら他のアイツらに申し訳がたたないだろう。だから肯定でもなく否定もしない…つまらん回答だが、それが俺の答えだ。」
「……成る程な。やっぱりお前は優柔不断野郎だよ。」
「あ?馬鹿にしてんのか?」
「そうじゃない。単にコレからお前は苦労するなって話しをしてるんだ。何で俺がこんな事をお前に問いかけたのかは実は理由がある。あの2人元から受け継がれた天才の力をどちらも否定して今ある才を天才という方向へ仕向けたんだ。」
……待てよそれだとするなら、あの時香澄が言った運動が嫌いと言う意味はある意味繋がるのか?運動が嫌だから姉の海未のある才を自分の物にする為に必死に努力して手に入れたという事になるが……でも妹の香澄の才って結局なんなんだ?
「因みになんだが、妹が今ある才ってどんなんなんだ?」
「本人から直接聞いたんじゃないのか?」
「いやそれっぽい事は聞いた。何か相手の肉体を見ただけで把握できるとか何とか…ああ確かに強いて言うならデザイナー的に服装とかのサイズをすぐさまに分かるみたいな事を言っていたような。でもそんな超人な才なんてあり得なくないか?そんな人のスリーサイズや肉体を見ただけで把握するなんて…」
「………そうだな普通なら無理だ。でもそれを昔海未は何ともなくただ単に直感だけで当てていた。いや違うな言い方を変えるアイツは稀にいるかいないかでの類いの人間だった。まぁ根本的には妹の方とは少し違うがアイツは反射神経には長けていた素質を持っていたんだ。何が言いたいのかと言うと音や動きに敏感な性質といえばいいかもしれんな。」
「音や動き?」
「そう知覚過敏といえば納得するか。」
「つまり何かに反応しやすい体質という事か?でもそれは海未の話しだよな?俺は今妹の香澄の話しをしているんだが…」
「まぁ待て、何で先に海未の話しをしているのか順当に話す。そのまま黙って聞いててくれ……さっきの話し通り海未が知覚過敏の事だがそれを妹はまるまる取る事ができず、逆に目の方が敏感になってより鮮明に見分ける才を得る事ができた。いわば鑑定士と言えばいいか見てコレが分かるという物事の判断が素早くなったと言えばいいのかもしれん…あくまでも俺の客観的解釈にすぎないがな。」
ああ確かに一応結びついたのかこれは?先に姉の海未の話しをしなければ香澄の才のある話が分からなかったという事になるなコレは
「何だかそれを聞くと、2人ともエキストラの超人みたいな感じだな。」
「俺からすれば自分の学校にいるやつら全員が超人みたいだって思うな。言い換えればバケモンみたいなもんさ…周りから疎まれるのもあったりすれば気持ち悪いと思われたりもする。でもそれを活かして自分の才をよりよい方向へと向かわせているんだ。それがまだ生半可な天才候補でも諦めずに壁を登っていく…普通の人間になりたかったらそこで止めるのが普通なんだがな。」
確かによくよく考えてみたら俺達みたいなやつが学園に集まったというのも不自然だ。皆が皆超人いや漫画の世界で言えば超能力者と言ってもおかしくないスペックの高い奴等ばかりいる。コレを当たり前の様に思っていた自分達が今までおかしかった気もするが……いや何処となく俺はこの紛いな理屈を納得する部分がある。でもそれをまだここで断言するわけにはいかない……色々な不確定要素がまだ多いからだ。
「おっと話が横にズレたな。つまり何が言いたいのかと言うとその関係する2つの才で周りからはずっと勘違いされてる部分が生じてしまっている。海未は確かに今 paradise Skyでの才で活躍はしているが、妹の方も昔その活躍を活かしていた。そしてそれを海未は知っている。だが何故か妹はそれを本人に対して頑なに否定して勝負はしないと拒んでいる。この2人はどちらも努力をして培ってきたもので手に入れた才を利用活用しているんだ。」
「すまん周りからの勘違いされてる部分っていったい何を勘違いされてるんだ?今の流れだと何も勘違いなんて何もないと思うんだが特に妹に関しては何も問題なんてない気が…」
「違うな妹の方に問題があるんだ。何でそうまでして嘘を貫き通すんだとな。」
「はあ?」
嘘?いや全く意味が分からん話の通りからすれば、海未は paradise Skyでの活躍まぁ主に前の才の知覚過敏での才を利用して天才にまで駆け上れたというのは今の流れで理解して努力という例えの話しも納得できた。でも妹の方で嘘をついて周りから勘違いされてる部分は意味が分からない…
「何だかよく分からないがその嘘ってのが周りに勘違いさせてしまってるのが原因だとすればそれを解決する他なくなる…というより改善しないといけない部分ではあるが…」
「お前首を突っ込む気が無いくせに何とかしてやりたい気持ちはあるんだな。ある意味偽善者いや自己犠牲野郎か…」
「そんなつもりねぇよ。という何処に自己犠牲があるんだよ。別に身を挺してまで誰かを助けるとか俺の柄じゃないのは知ってんだろ?」
「どうだろうな〜屋上で飯を食ってる時お前は幼馴染達の角が立たない様に敢えて誰の弁当が美味いというのを避けるやつだ。それに伴って関わる火の粉は振り払うかの様にして面倒事を避けるつもりが片付けてしまう節がある。まぁ本人にその自覚がないからどうにもできない話だけどな。」
「……過大評価しすぎだ。そんな芸当な真似俺にはできない。というよりも妹の方だ。アイツは paradise Skyに関わりたく無いと言っている。ならその勘違いをコチラから海未に伝えて……いや言っても無理なのは俺でも十分に理解できるからそれは無理として…」
「何気にアイツの事分かってはいるが、違う意味で馬鹿にしているのも分かるな。」
「蒼脊悪いがもう少し詳しく妹の香澄について教え…」
「ああそれは構わんが…というよりも嘘の事での誤解について知りたいならそのまま言った方が早いな。妹の香澄アイツの主な誤解としての原因は…」
「いたいたようやく見つけた!」
蒼脊が香澄の事について話してくれるのも矢先に何故か息を切らしながら俺達の事を探していた東小橋川さんが現れる。
「何だお前か…何かようか?今一星と話してる最中なんだ。取次の急ぎじゃなかったらまた後に…」
「させると思うの?悪いけど香澄ちゃんの事をそれ以上話させる事はダメだよ。それはいくら何でもやりすぎの範疇じゃないのかな蒼脊君。」




