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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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東小橋川林音

俺達はそのまま約束の場所でひとまず東小橋川さんのケジメみたいなのを果たす為今まで大事にしてくれた昔渡したカードを返してもらい、更にはお互いのゲームの決着?みたいなのもして一応昔あった事での整理が片付けられたと東小橋川さんを家に送るまではそう思っていた。


……… 島川駅前


「ごめんね直ぐに自転車取ってくるから。」


「え?東小橋川さん自転車で駅まで来てたの?」


「うん。そのまま学園にまで持っていけばいいんだけど、ちょっと僕の自転車改造してあって持っていって入れないんだよね。」


改造って……確かに東小橋川さんならやりかねないな。


「ちょっとだけ待っててね。直ぐに戻ってくるから。」


そう言って東小橋川さんは小走りをしながら駐輪場へと向かいとめている自転車を取りにいく。


トゥルル!


「ん?スマホの着信音?誰だ?」


通話着信は蕾琵心。しまった名前をそのまま偽名で登録してたから本名の名前に変えてなかったな。後で幼馴染達の名前を本名に変えておくか。


「はい一星だけど、どうしたんだ美森姉。」


「………あなたもしかしてスマホの着信名本名とかにしてないわよね?」


「まだ変えてないだけだが、後で変えるつもりだけど…その事で電話してきたのか?」


「そうじゃないわ。あなた今何処にいるの?まだ学園にいるわよね?」


「いやもう帰って今島川駅前にいる。」


「はあ!?今どういう状況か分かってるの?皆んな誰も勝利してなくて不満を抱えている人達が多いのよ。なのに帰ってるって……まさか林音ちゃんもそこにいるんじゃないわよね?」


「いやそのまさかなんだが…」


「やってくれたわね。」


何やら疲れ切ったため息を漏らしながら、どうにも解せない反応を示しこめかみに指をつまみながら悩む仕草がスマホの電話越しでもひしひしと伝わる。


「やっぱり東小橋川さんがそこにいないと駄目だよな。なのに本人は後の事は大丈夫だから明日になれば分かると言っていたからてっきり何も問題ないかと…」


「そんなわけ!……ないわけじゃないのはあるわね。」


「どっちなんだ?」


「まぁひとまずこっちで何とかはするけれど、明日になって大変なのは……いやコレも言わぬが華ね。」


「いや何か意味深な言い方はしているけど、深みな笑をしていないか?何か明日やばい事が起きるのは確実だよなそれ!」


「それよりも…」


「それよりもって…」


「林音ちゃんとはもう別れたの?」


側から聞けば俺と東小橋川さんが別れた言い方にも聞こえるがそこは汲み取って敢えて流しておこう。


「いや自転車を取りに行って今待ってる。本人自体は多分別に家に送らなくていいよと言うかもしれないけど、一応夜道だし送ってやらんとと思ってな。」


「その優しさがどうして私達にも発生してくれなかったのかしら…」


「何か言った?」


「何でも。それよりもあなた林音ちゃんの家に送ったら速攻で帰りなさい。じゃないとあなたが色々と不快な事で悩まされるかもしれないから絶対に向こうの家族に関わらないようにいいわね。


「いや言われなくてもそうするつもりだが、何か逆に興味が湧くんだが…理由ぐらい話してもよくないか?」


「それはもしもいえ…もしかしから林音ちゃん自身があなたに言う可能性もあるかもしれないから私からは特に言わないわ。それと林音ちゃんに伝言伝えといて、コレで貸し借りはなしだからねってね。」


そう言ってスマホの通話を切る美森姉。結局コチラからの質問は一切聞いてはくれず、ただ意味深な事だけを残したまま俺の頭の中では東小橋川さんの家へ行くだけで恐れ慄く。


「お待たせ〜……どうかした?」


「いや美森姉から電話がかかってきて、コレで貸し借りなしだからなって美森姉からの伝言伝えてくれって言われた。」


「あちゃ〜まぁそうなっちゃうよね。うんコレは仕方がないよ。今度僕から皆んなに何か奢らなきゃね。」


「てか東小橋川さんから美森姉達に一本電話ぐらいというかメッセージ送ってやればよかったじゃないか。本人達は多分内心納得はしてたという感じの言い方を美森姉から伝わったけど、マジでふざけるなという感じではあったぞ。」


「だよねだよね。後何か言ってたりしたかな?僕が帰ってしまった事以外に…」


「…………いや特にはないな。」


「そっかそっか。じゃあ帰ろうか……送ってくれるんだよね?」


「ああそういう約束だからな。」


「ふふ、こういう時の言質での約束は役得だね。じゃあ行こう行こう神楽坂君まで帰り遅れたら大変な事になるよ。」


「俺はならなねぇよ。単に晩飯が遅くなるだけだ?」


「もう〜そういう時はちゃんと女の子の言葉に寄り添わないといけないんだぞ。コレギャルゲーや乙女ゲーでの特権だからちゃんと覚えといてね。」


「幼馴染対して何をどう捉えたらそう解釈になるんだ。さっさっと行くぞ。」


「あっ!待ってよ神楽坂君!僕が先に前へ行かなきゃ道わかんないでしょう!」


そんな風に先陣をきる東小橋川さんが前に出て自分の帰り道を案内する。何をそんなに張り切ってと言おうとしたのだがここはそのままの張り切りを害さないように後をついていく。


「…………」


「…………」


無言のままチャリだけの音だけがここの帰り道を辿っていきもうすぐなのか東小橋川さんの家へと近付いていく。


「あ、あのささっきの神社での事なんだけど…」


「うん?神社って白州蛇神社の事?」


「いや話の流れ的にそうなるだろう。」


「急に神社と言われてもいくら天才な僕でも分からないよ。」


絶対にわかってる言い方だなこれ…


「それで白州蛇神社がどうかした?」


「いやその、あそこでデートとか何とか言ってたからてっきりあのまままだ何かするかと思ったんだが、普通に家まで送ると言ったらそのまま納得していただろ。やっぱり神社でのデートはなかったんじゃないのか?」


「そうだね。寧ろアレをデートという勘違いをしていた神楽坂君を見て僕からしたらかなりの滑稽だったけどねってあたたた!」


あまりにも申し訳なさそうにたんたんと話す東小橋川さんにムカついた俺はそのまま両頬を引っ張って無表情のまま怒りをぶつける。


「ひ、酷いよ!乙女の顔になんて事を!」


「俺の純情な気持ちにもなんて事してくれんだよ。」


「勝手にデートだって思ったのはそっちじゃんか〜」


「デートって単語をモロに口に出してただろうが、それをデートという何者以外のものがあるなら説明してほしいね。」


「……強いていうなら思い出話?」


「…………」


うんやっぱりあの時もまだ俺の感情はあの接触事故でどうにかなってたらしい。今になって物凄い嫌悪感が抱いてきた。


「でもでも2人であの神社での昔の約束を話すのってロマンチックだよね。まるで愛の告白をされるかと思ったよ。」


「思ってもない事を…捏造するならどうぞが勝手にってかもしかして幼馴染でのちょっとした裏があるみたいな言い方をした事での仕返しかまさか…」


「さぁ〜それはご自身の見解でお願いします。」


「あ〜やっぱめんどくさいわ〜お前。」


「ちょっと!あまりど直球な言い方だとさすがの僕でもメンタル傷ついちゃうぞ!いいのか!いいのか!」


「その変な個性がいくつも出てくるなら何も問題ないんじゃないか?まぁ俺からしたらもう何とも思わないけど。」


「ガーン!酷い!?」


地味にショックを受ける東小橋川さん。もう何か一々上の名前でさん付けするのが馬鹿らしく思えてきた為、東小橋川さんの勝利権での名前呼びを次にめんどくさい事を言ったら呼び捨てでいいやと心の中でそう思った。


キキーー


「さぁここが僕の家だよ。」


「へ〜普通なマンションなんだな。因みに何階なんだ?」


「え?ここ全部だよ。」


「あ〜ここ全部か………ん?」


「ん?」


「今何とおっしゃいましたか?」


「だからここ、僕の家。」


「そうだけど、いやそうじゃなくて…ここ全部お前の家なのか?」


「………そうだけど?」


「ん?」


「ん?」


いや何一瞬考えたけど、やっぱり間違っちゃいない反応で返してんだ。このハイスペックお嬢様は…もう俺の知ってる東小橋川さんの幼馴染というイメージが全く思い浮かばない。あの時のシャイで素直だった東小橋川さんは何処に行ってしまったんだ。


「いややっぱり違うなコレはその部分だけは訂正しとこ。」


「おい今何か失礼な事を考えたでしょう。昔の僕がまだ良かったとか可愛かったとか可憐だったなとかそう思ったでしょ?」


「…………良かったなとは思ったな。」


「ふふん〜神楽坂君〜何故可愛いかったのと可憐の部分には触れなかったのかな〜何でなのかな〜」


「ちょっと猫撫で声で話してくるのやめてもらえますか。地味に怖い…」


「怖いとは何だ怖いとは!」


やたらと突っかかってくるブルジョアお嬢様を前にあたかもスルーした俺はこのマンションがまさか、全て自分の家だとはさすがの俺自身も言葉が出ずに唖然とする。


「ちょっと〜無視するなよ。」


「本当にわけの分からん個性を出してくるな。何か多重人格にも思えてくるぞ。」


「だから〜コレが僕のアイデンティティなんだってば。人格というよりかは色々な自分を現しているんだよ。悪いけどコレは慣れてもらう他ないんだからね。」


「他の幼馴染にももしかしてその素でいってるのか?」


「うん。たまにポカーンとされる時もあるけどね。」


「だろーな。」


「だろーなって何だよ!」


「………」


「だろーなって何だよ!」


「いや聞こえてないわけじゃないからな。ちょっと鬱陶しいなって思ってたから敢えて口に出さなかったんだ。」


「出してんじゃんかよ。ナチュラルに素直だとこっちも対応に困るな。」


さっきまでの静寂の時間は何だったんだ。もうあのまま何も話さずに送ってれば良かった。


「まぁひとまず送ったという事で俺はそろそろ…」


「やたらと騒がしいけどいったい人の家の前で騒いでるの誰かしら?」


やべさすがに騒ぎすぎたか、ご近所迷惑になってしまったみたいだ。………ん?でも今人の家の前とか言わなかったか?


「あ、お姉ちゃん。」


「あら林音ちゃんじゃないお帰り。」


まさかの姉妹だった……

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