疑惑彼氏彼女
「な、何て言ったんですか今?」
「だから、私と1週間付き合ってほしいてお願いしているのよ。」
「な、何で俺なんですか?寧ろ頼むとしたら蒼脊に頼んだらいいんじゃないんですか?アイツと知り合いなんですよね?俺とは知り合ったばっかなのにそんな事を頼む意味が分からない。」
「私ねあの時あなたに助けてもらってもしかしたらあなたなら私の今あるストッパーを解いてくれるかもしれないと思ったの。だからそこまで気にしなくても別に大丈夫よ食べたりしないから安心しなさい。」
先輩ってお茶目な性格して肉食系女子なのかな?
「てか1週間付き合ってその後はいったいどうするんですか?その後の風評被害とんでもないことになりそうなんですけど。」
「大丈夫後の事は私に任して頂戴。こんなのちょっとした悪ふざけか何かで解決するんだから。」
とてもそういう風にはみえないんだよな〜さっきの学食プリン騒動…俺はアレが地獄にしか見えなかった。
「まぁ後は放課後にって言っても私部活が終わった後になるんだけど大丈夫かしら?」
「ああそのまぁ大丈夫ですよ。どっかしら時間がてら暇つぶししてますんで。」
「良かった。ならまた放課後にね、あ!勿論グラウンド集合だから。」
「え!蕾先輩!何でグラウンド集……行ってしまった。てか本当に足はえなあの人…」
…………とりあえず放課後まで待つか
キーンコーンカーンコーン!
「よお一星帰ろうぜ。今日はお前に編入試験祝いで何か奢ってやるよ。」
「ああ悪い蒼脊俺今日は放課後用事があるんだ。」
「何だよ連れねぇな。何だもしかして誰かと約束でもしてんのか?」
!?
!?
側から盗み聞きをしていた菟と火花がビクっと体を強張らせ一瞬にして2人の方へ視線を向ける。
「まぁそうだな。でもいつ終わるか分からんから蒼脊は先に帰っててくれ、多分その内何かしら伝わると思うから。」
「なんか意味深な言い方だな。まぁいいや今度は一緒にどっか遊びにいこうぜ。」
「ああ………そこは幼馴染5人とは言わないんだな。」
俺は荷物を纏めそのまま教室を後に時間が潰せる場所というより校内を見て回る。
にゅ!
にゅ!
一星が教室から出た後その後ろ姿を観察するかの様に廊下の隅に隠れ一星を尾行するかの様にし後をつける。
「怪しいね。」
「うん怪しい…」
「2人とも何が怪しいの?」
「にゃ!」
「キャ!」
まさかの尾行をしていた兎川と野谷山の背後に別の女の子が現れその子の声に驚く2人…
「何だ小寧々(こねね)ちゃんか。」
「あ〜そんな言い方酷いんじゃないかな。せっかく2人を見つけて後をつけたのに、というより朝方に会った編入生君ってどんな感じ?私また会ってみたいんだけど。」
「もう!今まさにその彼を尾行している最中なんだよ
小寧々(こねね)ちゃん。」
「え……もしかして火花ちゃんいきなり編入生君の事を付け回していたりしてたのまさかあの火花ちゃんがそういう変質者になってしまうなんて昔の火花ちゃんはいったいどこに…」
「小寧々(こねね)ちゃんわざと言ってるよねそれ…この前の通学途中もそうだったけど、そうやって可愛い者イジメは良くないと思うよ私。後昔とかそう言うの関係ないんじゃないかな今は。」
「火花ちゃんそれ自分で可愛い者とか言っちゃうんだ。」
「でも2人ともその編入生君の後をつけてるって言ってるけどその彼の姿どこにもいないけど。」
「え?」
「え?」
2人して交互に顔を見合わせながらさっきまで追いかけていた一星の姿が一瞬にしていなくなっている事に気付き2人は慌てふためきながらあっちらこっちらと首を動かしながら周りを見渡す。
「し、しまった!見失っちゃった!」
「で、でもそう簡単にいなくはならないはずだよ!」
「うん!2人でううん3人で神楽坂君を手分けして探しましょう。」
「2人とも張り切ってる所悪いんだけど、2人にはお呼びがかかってるみたいだよ。」
「え?」
「え?」
小寧々(こねね)の言葉に何のお呼びがあるのかと考えていた瞬間校内放送で水泳部と生徒会からの呼び出しによる放送が2人にかけられており2人は嘘でしょうと言わんばかりの気落ちをし急いでお呼ばれされている所へ足を運ぶ。
「もう!何でこんな時に呼ばれちゃうんだろう。水泳部は明日なはずなのに!」
「おかしいな〜生徒会の仕事って放課後に何かあったかな?」
「………あの2人清々しい程自由だね〜でもでもそっかそっか編入生君はまだ学校にいるわけだね。それじゃああの2人の代わりに私が探してあげようかな〜まだそんなにじっくりと話した事ないしね。」
…………1時間過ぎ
「この学園やたらと広くない?」
作りや他の内装を見た限りやっぱり他の学校と比べて相当広い寧ろこの学園にかける投資が半端じゃないって言っても過言じゃない。
「そりゃあ有名所な選手やらなんやらが学生の中にいたらそれなりに寄付金があってもおかしくないよな。」
こんな場所で俺は本当に自分のやめたスポーツ無しでやっていけるのかそればっかりの不安が頭によぎってしまう。
「でもやらないといけないんだよな。少なくとも今のままでは…」
ブー!ブー!ブー!
「あ、そろそろ時間かな…」
アドレスを交換し忘れた俺は一応さっき靴の入れ替えで下駄箱に遭遇し1時間してからグラウンドに来て欲しいと言われた。まぁあの先輩と連絡交換されてもどう言う感じで話したらいいか萎縮してしまうしな。しないのが賢明だ。
フアィオー!
えっほ!えっほ!えっほ!
フアィオー!
えっほ!えっほ!えっほ!
グラウンド…
「しかし何でグラウンドなんだ?別に部活が終わってからでもいいと思うんだが…」
ピピ!
ホイッスルの音共に女子陸上部全員が蕾先輩の所へ集まりどうやら本日のトレーニングメニューが終わろうとする。
「みんなお疲れ様。次の大会に向けてそれぞれ各地身体を休める様にしておく事…といっても土日は絶対に休むのが私達の部活だからそれぞれ個人トレーニングはしても構わないしどこか遊びに行っても構わない…ただ事故だけがない様にしといてね。」
はい!
「それじゃあ皆んな後片付け開始!」
すげ〜やっぱり名門選手の女子陸上選手は伊達じゃないな。
「何か圧倒された気分だ。」
「彼女は凄い人だろ?いずれ世界女子陸上選手オリンピックも夢じゃないと僕は思ってるんだ。」
「は、はぁ…」
突然俺の隣に立って何故か当たり前の様に蕾先輩の事を知ってるかの様に話す同じ男子生徒?が俺に話しかけてくる。
「おっとすまない僕は君津家蓮苗字琵心君と同じ3年生男子陸上部そして同じ短距離走選手だ。」
同じを2回使った。この人国語苦手な人だなきっと…
「よ、宜しくお願いします。」
「おや?握手はしてくれないのかい?」
「す、すみません。急だったもので、その改めてよろ…」
ズサ!サーー!
バチン!
「え?」
「おっと…」
俺と君津家先輩との間に急に切迫突っ込んでくる女子陸上部の格好した人物…そう蕾先輩が何やら形相とした顔をしてパシンと手を叩き割って入る。
「こんな所にいったい何の様なのかしら君津家君?」
「こんな所ってそれは失礼な言い方じゃないのかな琵心君。僕はまた君に会いに来ただけさ、そういつも通りにね。」
「それやめてくれないかしら私君づけされるの嫌なのよね。それに毎回言ってるけれど私にその気はなんてないわよ。」
「これは残念だ。僕にとってはとても利害のある事だと思って毎回会いに来てるんだけどな。」
「あらそうなのねでも残念だけどそれも無駄に終わってしまいそうになるかもね。」
「………どう言う意味だい?」
な、なんだ。何の話しをしているんだこの2人は陸上?関係の話しをしているのは確かだと思うけど、何だか俺がここにいると場違いな気がしてならない。それに蕾先輩の何か妙に気が立ってるような感じも気のせいじゃないみたいだし蕾先輩と1週間付き合ってほしいという約束していた話しまた別の………ん?待てよまさか…
「それはここにいる彼と私は恋人同士だからなのよ!」
「な、なんだって!?」
「なんだって!?」
「………何で君が驚くんだい?」
「え?あ、いやその……まさかの蕾先輩からここでの付き合い宣言を告発したのに驚いてしまってですねそれで…」
「そ、そう言う事か…まぁ気持ちは分からなくてもないがね。そう言う話を相談もせずにいきなり言われてしまうとなると驚くのも無理はないな。」
いや驚くというより狼狽えてしまったというのが正しいというような……てかそう言う事なのか多分蕾先輩はこの人が毎回会って付き合ってくれって言われてるから俺を影武者か何かにしてこの毎回告白挨拶を断れさせる魂胆だって事なんだな。
「ごめんね一星君本当ならあなたに真っ先に言うべき事だとは思ったんだけれど、この人が現れたからついでにここで言ってしまった方がいいのかもって思ってしまって。別にあなたを困らせたかったわけじゃないのよでも私の気持ちもどうか分かってほしいの。」
ガヤガヤガヤ…
周りの視線が一気にこちらへ向けられてしまっている様を一星は琵心が言った言葉をそのまま心の中で突っ返す。
俺の気持ちもな。
「は、はぁ……まぁ蕾先輩がそれでいいなら別に構わないですけど…」
「ん?」
「良かった。でもコレであなたもわかってくれたでしょ?確かにお互い陸上部同士それぞれの部長同士の関係性が埋まれば他の子達の士気も上がると思うわ。でもねそれってお互いの気持ちが反映されないと意味がないと私は思うのだから…」
「ちょっと待ってくれないかな。今彼君の事を蕾先輩とそう言ったかい?お互い付き合っているのに琵心君は下の名前…彼は苗字で呼んでいる。君達本当に付き合っているのか?」
「!?」
「!?」
しまった。そんなの気にせず普通に目上の先輩に対しての呼び名で言ってしまった。やばいこれじゃ蕾先輩との約束がここで破綻してしまう。何か打開策を…




