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第74話「ええっと、ナンパとは、何ですか?」

ジョルジエット様、アメリー様は、

麗しい貴族令嬢から……

『庶民の出でたち』さわやかな町娘の風体で再び俺の前に現れた。


ジョルジエット様は、もえぎいろ。

アメリー様は、ベージュ。


落ち着いた色が、ふたりの美しさを際立たせていた。


「素敵です、可愛いですよ」


思わず俺は自然にほめていた。


するとふたりは、


「ありがとうございます! ロイク様! 地味に目立たず……ですわね」

「ロイク様にほめて頂き、嬉しいです! ジョルジエット様とご相談し、人目を引く派手な色は避けました」


おお!

やはり、ジョルジエット様、アメリー様は聡明だし、思いやりがある!

人が多い王都の街中で、俺達が警護する事を考えてくれたのだ。


可愛い町娘ふたりに、革鎧姿の男子1名、革鎧姿の女子2名が付き従うという、

不可思議な組み合わせだが、

高級品を着て、貴族令嬢全開のふたりを連れ歩くよりも全然目立たない。


そんなこんなで、時刻は午前11時前……少し早いが、ランチに行こうと決めた。


そもそも俺には基本方針がある、


街中のランチは混雑するピークタイムを避けるのが、ベスト!というもの。


実は前世の営業職で外回りしていた時も、

事情が許せば、俺は基本的に少し早い時間で昼飯を食っていた。

その方が、行列待ちもしないし、ゆったりと食べられる。


俺はジョルジエット様、アメリー様へ言う。

アンヌさん、ジュリーさんも俺の言葉に耳を傾ける。


「お支度が整ったところで移動します。お召しのお洋服はルナール商会に預けます。帰りはここへ戻って、元のお洋服に着替え、馬車でお屋敷まで戻りますので」


俺が、ざっくりとスケジュールを告げると、


「分かりました!」

「王都の街中で遊んでから、ルナール商会へ戻るのですね」


ジョルジエット様、アメリー様は「心得た!」とばかりに頷いた。

アンヌさん、ジュリーさんも「予定通りだ」と頷いている。


ここで俺は更に言う。


「はい、次は、少し早いですが5人全員でランチへ行きましょう」


「わお! ランチですか!」

「どんなお店へ行くのでしょうか?」


「はい! 楽しくお昼ご飯を食べましょう。出で立ち通り、庶民向けの店へ行きますよ」


「「はい!」」


「では、行きましょう。アンヌさん、ジュリーさん、フォーメーション、パターン3でお願いします」


俺の言葉を聞き、アンヌさん、ジュリーさんが反応する。


「「了解です!」」


頷いた俺は手を差し伸べ……

右手でジョルジエット様、左手でアメリー様、それぞれの手を握った。


すると、ジョルジエット様、アメリー様は嬉しそうに微笑む。

ぎゅっと手を握り返して来た。


念の為、これは役得に見えるが、ふたりが勝手に離れないようにする為の方策である。


ちなみに毎回ホールド&どなどなされているせいで、自然に手をつなぐ事が出来たので、幸いであった。


そして手をつないだ俺達3人のやや後方にアンヌさん、ジュリーさんが立った。


そんな俺達の様子を見ていたオーバンさんは、


「ご準備が出来たようなので、出入り口まで先導致します」


と、にっこり笑ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「行ってらっしゃいませ! お気を付けて! では、また後程! お待ち致しております!」


オーバンさん、ルナール商会社員の見送りを受け、

俺、ジョルジエット様、アメリー様が手をつなぎ、少し後方から女子騎士ふたり、

アンヌさん、ジュリーさんが周囲を注意しながら、商業街区を歩いて行く。


索敵……魔力感知もず~っと最大範囲で張り巡らせている。


バジルさん配下の護衛騎士達は、俺達がルナール商会を出て来るまで、

ずっと待機してくれていた。


アンヌさん、ジュリーさんも仲間がスタンバイしているのを認識したようだ。


時間が経ったので、人通りが増えているが、

休日の商業街区は、営業していない店もあり、平日ほどの多さはない。


さてさて!

目指すランチを摂る店は商業街区を抜け、中央広場を抜け、その先である。


商業街区と正反対。

休日の中央広場は人通りが著しく多い。

そして老若男女問わずいろいろな人達が居る。


加えて言えば、居るのは善人のみではない。


悪意の有無も含め、ジョルジエット様、アメリー様のような可愛い女子達に、

ちょっかいを出すふらちな輩も結構居る。


ジョルジエット様をさらおうとした、愚連隊どもの仲間も……居た。


まあ、対策は万全に考えてある。


俺は歩きながら言う。


「ジョルジエット様、アメリー様」


「「はい!」」


「護衛に頼りすぎず、また有無にかかわらず、ご自身でも、暴漢の襲撃は勿論、ナンパには充分注意してください」


「ナンパ?」

「ええっと、ナンパとは、何ですか?」


おお、さすが貴族令嬢。

ナンパを知らないんだ……


これは、説明するしかないだろう。


「はい、ナンパとは、街中やいろいろな場所で見知らぬ異性に声をかけ、交際を求める事です。特に、男性が女性を誘う事、つまりガールハントですね」


俺が丁寧に説明すると、ジョルジエット様、アメリー様、両名より質問が来た。


「何故、そのような事をなさるのですか?」


「そんな行為、意味が全く分かりません。ロイク様、理由をお教えくださいませ」


「理由ですか……ええっと」


興味津々という感じだし、何とか答えないといけないか。


『男の本能』とか、最終的には「押し倒して〇〇したい」とか。

あまりストレートすぎる表現はNG。

慎重に言葉を選ばないと。


「見境がない、下心ありきの求愛行動……でしょうか」


考えた末に、俺がそう言うと、「見境がないとはどの程度?」とか、

「下心とは何?」とか、更に突っ込まれた。


対して、いろいろ遠回しに説明し、何とか納得して貰い……


「見ず知らずの男子から、見境がない、下心ありきの求愛行動! 分かりました! そんなの冗談ではありません! 充分に気を付けますわ!」


「私達はロイク様以外、他の男子のお誘いには絶対に応じません!」


ジョルジエット様、アメリー様は、俺とつないだ手を、

ぎゅ!ぎゅ!と強く握って来たのである。

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