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第6話「追放? いや! ざまあ!して、こっちから、やめてやったぜ!」

新連載です!

本日『2月18日』は、『6時から20時まで』段階的に『第6話まで更新する』予定です。

何卒宜しくお願い致します。

「く、くっそ!! てめえっ!! ロイクっ!! したでに出てりゃ、ガキのくせしてなめやがって!! 元ランカー冒険者の俺を脅す気かっ!! ぶち殺してやるっ!!」


俺に(あお)られ、オヤジ店主は逆切れし、

拳を振り上げ、殴りかかって来た。


ぱぱぱぱぱ! と、速攻で俺は計算した。


ここで一方的に殴られれば、すっごく痛いけれど、法律的には正当防衛。

俺が責められる事は絶対にない。


その上で、殴られた俺が「わあわあ」騒いで、全てをオープンにすれば、

このオヤジ店主の人生はおしまい。


何故ならば、我がファルコ王国は一夫多妻制は認めているけれど、

不倫は厳禁、厳罰なのである。


そして、この国の民は信心深い。


なので、この村では『村長』と同じくらいのもうひとりの『権力者』

『創世神教会の司祭様』に「理不尽に殴られたあ!」とちくり、

オヤジ店主の不倫も含め、全てをぶちまける!


「事を大きくしても構わない」と考えたのである。


ここで、信じられない不思議な事が起こったのだ。


冒険者崩れのこの店主、50歳過ぎなのに、

「そう見えないだろ」が口癖の元気オヤジ。

浮気相手は20代後半だから、さもありなん。


確かに年齢の割にガタイは強靭。

放つパンチも相当なもの。

以前、このオヤジ、自分はレベル40以上だと言っていた。


実際、この店で働き始めてから、俺は何度も何度も、数えきれないくらい殴られた。


殴られたのはさしたる理由もなく、99%が言いがかりか、八つ当たり。

後の1%は俺のミスなんだけど。


でも、殴り返すとか、反論とか、抵抗は全く出来なかった。


何故なら、切れたオヤジ店主から放り出され、宿なしで野垂れ死ぬ恐怖、

そして、ロイク自身、

HPが低く、弱っちいNPCでは仕方がないと諦めていたからだ。


あざだらけで、顔を()らし、泣くロイクの記憶が俺の心に甦る。


しかし……奇跡が起こった!?


あれれれ、オヤジ店主のパンチが超スロー。

これじゃあ、ハエでも何でもとまる。


超一流ボクサーの身のこなしの如く、

すいっ、すいっと、よける俺。


何回、オヤジ店主に殴りかかられても、楽勝でよけられた。


おいおい、何?

今まで散々殴られて、こいつのパンチは身体で(おぼ)えてる。


いきなり、オヤジ店主のパンチが超スローになったのか?


「ちっくしょー! このやろ!」


パンチが全く当たらず、焦り、罵声を上げながら迫るオヤジ店主。


ここで俺の内なる声がささやいた。


こんな『くそオヤジ』の拳、かる~く、受け止めちまえって。


よし!

イチかバチかだ!

殴られるのは、やっぱ、嫌だし。


覚悟を決めた俺は手を開いて「すっ」と突き出す。


すると!


ぺちん。


乾いた音がして、俺は楽勝でオヤジ店主の拳を受け止めたのだ。


全然痛くない!


そして本当に嫌だったが、ぎゅ!と、オヤジ店主の拳を握った。


何故か、力が、みなぎって来る。


めきめき!


オヤジ店主の拳の骨がきしむ。


「いてててて」


悲鳴をあげるオヤジ店主に対し、俺の口から自然に言葉が流れ出る。


「今まで理由もなく、何百発もあんたには殴られたよ……お返しに俺が一発、思い切り殴ったら、あんた、多分死ぬな」


「ひ、ひえ!」


「今まで世話になったなあ、殴られた慰謝料はいらねえから、会社都合で店をやめるという事で、退職金はきちんと払ってくれよ。不倫の事も黙っといてやるからさ」


うんうん。

このように妥協案を出したのは、虐げられながらも3年間世話になったから。


紙より薄いが、それくらいの恩義は俺にもある。


しかし、オヤジ店主に俺の『思いやり』は通じない。


「な、なにぃ! そんなんOKするわけねえだろが!」


「へえ、嫌なの? じゃあ、あんたに殴られ、反撃して、俺は正当防衛。半殺しにした上で、司祭様に一切を話そうか?」


俺はそう言い、もう一回オヤジ店主の拳を握った。


めきめき! めきめき!


「ぎゃああああ!」


「どうする? 半殺しにされた上、破滅するかい?」


「わ、わ、わ、分かったああ! た、た、退職金を! は、払う! き、き、金貨20枚払う!」


おいおい!

3年間、1日1000円で、17時間働かされたあげく、

いきなり『首』になって、その上、追放!

10枚がたった20枚にアップか?


せっけ~、オヤジ!

てめえは、冒険者時代の貯えも合わせて、

金貨100,000枚……10億円以上貯め込んでんだろ!


俺は再び力を入れた。


めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!


「わ、分かったあ! き、金貨30枚!! 30枚を払うよぉ!!」


めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!

めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!


「ぎゃああああ!! わ、わ、分かったああ!! き、き、金貨50枚!! いや、ひゃく! 100枚払ううう!!」


めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!

めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!


めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!

めきめき! めきめき! めきめき! めきめき!


「ぎゃあああああああああ!!! わ、わ、わ、分かったああ!! き、き、き、金貨300枚!! い、いや! ご、500枚払ううう!! ずびませんでしたあああ!!!」


よし! 500枚……500万円か!

まだまだ全然少ないけど、これくらいで許してやるか!


ざまあああああああああ!!!


前世で苦しめられた社長と部長の分も合わせ、

憎たらしい店主オヤジへ、勝利の大喝采(だいかっさい)を込めて!!


俺は思わず、心の中で絶叫したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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