第29話「一層、気持ちを引き締めよう!」
ウルトラ超レアな貴重品『魔法の収納腕輪』をゲットし、
運がMAX最高値の俺は……イレギュラーイベントの連続。
次々と格安で、掘り出し物という、超レア商品をゲット!
意気揚々と、ホテルへ戻った。
『魔法の収納腕輪』を始めとして、全てが地味で目立たない格安な商品ばかり。
何故ならば、本来の卓越した機能を様々な理由で封じられており、
適正な価格がついていないのだ。
しかし!
自分が使うとなれば、話は別。
その方が断然良い。
地味ならば、盗まれにくい。
逆に華美な品物は、泥棒等の目に、ひときわ留まりやすいからだ。
ルームサービスで、夕飯を運んで貰い、食べ終わった後、
俺は改めてゲットした超レアな『戦利品達』をチェック、しっかりと確認する。
◎魔法の収納腕輪。
古めかしい銅製の腕輪だが、実は古代魔法王国の遺産と思われる魔道具。
品物をイメージし、後は搬入、搬出と心の中で念じれば、自由に出し入れが出来る。
大きな町がひとつ入るくらいの容量があり、内部は空間魔法により亜空間となっていて、時間が経過しない。
食料や水は腐らず、永久保存が可能。
大気もあるから、生きた者も放り込める。
中へ入れると気を失うから暴れたりもしない。
戦闘後、生かしたまま捕らえた敵を入れておく牢屋にも使える。
◎覇者の指輪
様々な効能効果が付呪されたミスリル製指輪。
装着していると歩く度に体力、魔力が回復する。
物理、魔法のダメージを軽減し、麻痺や毒、呪い等もある程度防いでくれる。
経験値も微増するという万能的な能力を持つ。
◎ウンディーネの指輪
水の精霊ウンディーネの力が付呪されたミスリル製指輪。
水属性魔法の円滑な発動を促し、効能効果が増幅される。
逆に敵の攻撃魔法、寒さにも強くなる。
また装着中は、水上歩行、水中呼吸が可能となる。
◎大盗賊の指輪
迷宮、遺跡探索に必要なシーフ職の能力が、
付呪された真鍮製指輪。
索敵能力の大幅なアップ『気配読み』
心で念じる任意で、気配を消し、自身の姿を周囲と同じ保護色に変更出来る『隠形』
同じく任意で足音を消す『忍び足』
更に『罠発見と解除』鍵を開ける『開錠』の能力が著しく向上する。
魔力の球で暗所を照らす、照明魔法『魔導光球』が使用可となる。
どれもこれも国宝級か、準じるレベルのお宝である。
……幸いアラン・モーリアであった俺はこれらのお宝を全部愛用していた。
それゆえ、機能回復させるキーワードも知っていた。
お宝を機能回復させた俺は、自身に全て装着。
ちなみに魔法指輪は、所有者に合わせ、サイズ変更となるので、
装着に全く問題はない。
これで、武器防具以外、装備はほぼ整った。
冒険者ギルド総本部で、講座を受講。
能力をバージョンアップさせながら、王都外の探索も可能である。
大満足した俺は、ホテルのベッドに潜り込み、ぐっすりと安眠したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
翌朝、午前4時に目が覚めた俺。
30分くらい「うだうだ」してから起き出した。
今日は冒険者ギルド総本部で、基礎講座の受講3連発。
『召喚術』『回復魔法』『剣技』を一気に受けるのだ。
山賊を40人以上倒したのに、今更基礎?
と言われるかもしれないが、基礎は大事。
それに『召喚術』『回復魔法』で最低限の魔法を習得したいと思ってる。
『使い魔』を呼び、使役する事。
自分で治癒くらい出来るようにもしておきたいからだ。
ブリオーに着替え、部屋を出て、ラウンジのレストランでの朝食へ。
ちなみに昨日買った腕輪、指輪は装着したままである。
物事が順調に進んでいて、飯も美味い!
しかし、勝って兜の緒を締めよ。
とか、
好事魔多し。
とも言う。
一層、気持ちを引き締めよう!
そう決意を新たにした俺は部屋へ戻り、昨日の革鎧に着替えた。
冒険者ギルドへ向かう。
王都の街中を軽快に歩き、午前8時過ぎに到着。
講座の開始は、午前9時。
最初は、『剣技』の基礎からだ。
この時間帯は『ラッシュ』
一昨日同様、業務カウンターは、良き依頼を求める冒険者達で大混雑中。
少し時間があるので、今後の参考にと、俺は1階ロビーの片隅にある掲示板へ赴く。
掲示板のボードにはびっしりと紙が、おびただしい依頼書が貼られていた。
貼られた紙は色違いで、違う場所に貼り分けてあるのは、
ランク別という事のようだ。
ここに貼られているのは、ランクCまでの依頼。
それもさほど重要なミッションは見当たらない。
冒険者に人気の討伐依頼も、ゴブリンや中小の虫系の魔物ばかりである。
ランクB……ランカーの俺には受諾可能な依頼オンリーだ。
またランクF向けの冒険初心者向けに、犬の散歩、お使い、運搬等の仕事もあった。
あれ?
ここで俺の索敵……魔力感知に反応が。
……覚えのある『気配』が、ギルドの敷地へ近づいて来て、中へ入った。
念の為、サブマスターのエヴラールさんや秘書のクロエさんではない。
この人は……いや、この子は、クラン『猛禽』所属の女子剣士だ。
確か、イネス・バレさん……だったな。
そのイネスさん、本館1階フロアへ入ると、きょろきょろしていたが、
さすが剣士。
俺の気配を察知したのか、こっちにまっすぐ歩いて来た。
茶色の短髪、すらりとして、ボーイッシュな雰囲気の結構可愛い子である。
イネスさん、馬車が出発する際、俺が自己紹介した時、プロフを教えてくれた。
彼女は王都在住、年齢は、俺ロイクより1歳上の17歳ですと。
「年下だよね! 君」
って、『上から目線』で言われたっけ。
その時は何も言わなかったし、こちらからも尋ねなかった。
元店員の俺の事に興味がなかったせいだと思う。
しかし、山賊との戦いの後は、イネスさんの態度はガラリと変わり、
「凄いね、君!」とか、「ウチのクランへ入隊してよ」と言われたっけ。
ああ、そうだ。
中身は25歳の俺だけど、がわは16歳だから、
イネスさんに対し、年上の男みたいに話しちゃだめだな。
そんな事を考えているうちに、イネスさんは、俺の傍まで来た。
柔らかな笑顔であり、機嫌は結構良さそうだ。
俺は、
「おはようございます!」
と元気よく、丁寧にあいさつをしたのである。
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