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第235話「新設の最高顧問室は一変していた」

俺達は、トリッシュさんのご両親ラクルテル夫妻へ改めて辞去のあいさつをし、

馬車へ乗り込んだ。


そして、冒険者ギルドへと向かった。


馬車の中は、皆が笑顔。

互いに前向きな会話で満ちあふれていた。


このひどく明るい雰囲気は、

ご両親の店、邂逅亭を受け継ぐという、

トリッシュさんの『将来の夢』発言がきっかけとなった。


親近感を感じたのだろう、ルナール商会を受け継ぐシャルロットさんの言葉も後押しした。


そう!

嫁ズは俺と結婚し、家族と家を守って行くだけでない。


自分の夢を、実現させる目標を立てる。


夢を実現させる為、まずは自分自身 が努力するのは勿論なのだが、


「家族全員が一致団結して協力し、互いに目標を成し遂げよう」


という実感がわいたからだ。


協力し合い、各自の夢を叶える事……

それが、経済的に家族を支える事にもなる。


俺達はまだ若い。


無限の可能性があり、明るい未来がある。

家族の中で一番年上のシルヴェーヌさんだってそうだ。


口癖のように、私、旦那様より9歳も年上。

もう25歳なの! とか言うけれど、全然ノープロブレム。


問題なんかナッシングだ。

家族となり、これからの人生の方がずっと長いしね。


そんなこんなで、冒険者ギルドへ到着。

現在の時間は午後1時15分を回ったところ。

馬車はまた午後4時に迎えに来る予定だ。


馬車を降りた俺達は本館へ。

ここは邂逅亭に引き続き、トリッシュさんのテリトリー。

彼女が先頭を歩く。


時間が午後早めだから、フロアは閑散としていた。


だが大破壊収束を収束させた英雄、且つ冒険者ギルド、最高顧問でランクSの俺へ、

あちこちから声がかかる。


そんな中、悠然と歩くトリッシュさん。


各自の身分証明書を見せ、受付で手続し、魔導昇降機で8階の幹部専用フロアへ。


魔導昇降機は俺達家族だけ。


トリッシュさんが言う。


「ロイク様! 皆様! 今朝もお伝えしましたが、本日からは新しい執務室だそうで~す!」


そう、トリッシュさんが言う通り、本日から新オフィスなのだ。


8階で昇降機を降り、個室の扉のあるフロアをしばし歩き、

新しくセッティングして貰った部屋の前に。


豪奢となった重厚な木の扉には、銀のプレートが掲出されていた。

『ロイク・アルシェ最高顧問室』と書いてある。


さすがに、冒険者ギルドのナンバー2の部屋……名誉職だけど。

新たな最高顧問室は、大きく様変わりしていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ギルドマスターのテオドールさんが


「ロイク様の新たな執務室は、8階の倉庫を3つ潰して造る予定です」


と言った通り、新設の最高顧問室は一変していた。


以前は12畳ほどの大きめのワンルームであったが……

新設の最高顧問室は、3部屋続きで6倍くらいの広さとなった。


重厚な扉を開けたら、同じ材質の木製カウンターの無人受付け。


内線用を兼ねた魔導通信機がひとつ置いてある。


ここで訪問者は秘書室へつなぎ、名乗り用件を告げるのだ。


来賓の場合、受付で確認が入り、秘書が迎えに行く事も多い。

しかし、ギルド内の人間ならこの『内線』を使うのである。


扉が二方向にあり、左側が応接室。

右側が執務室という仕組み。


左側の応接室は一般来客もしくは少人数での会議用。

広さは20畳くらい。

ふかふかのじゅうたんに、長椅子ふたつに長テーブルがひとつ。

置かれた調度品、飾られた絵画も高価そう。


その手前が執務室。

30畳以上の広さ。

じゅうたんの毛は短めのもの。

これくらい広ければ、ゆったりと事務作業が出来るだろう。


トリッシュさん、シルヴェーヌさん、シャルロットさんの事務机に椅子。

長椅子ふたつに長テーブルがひとつ。

予備の椅子がふたつ。

同じく書架3つにロッカーも3つ。

こちらは全てスタイリッシュなデザインだ。


執務室の奥が最高顧問執務室。

入り口から直接訪問出来ないようになっている。

20畳くらいの広さ。

ふかふかのじゅうたんに、全てが高価そうな備品。


俺の事務机、椅子、長椅子ふたつ。

書類入れを兼ねた書架ひとつ、ロッカーひとつ、やはりすべてが豪奢だ。


トリッシュさんが言うには、変更希望、不足の家具、調度品等はすぐギルドの総務部が対応してくれるそうだ。


こんな素敵な環境で、出勤日、出退勤時間、労働時間は自由。

仕事の義務、ノルマなし。

希望しない限り、幹部会議に出る必要もなし。


そして永久雇用なんて言う事全くなし!!


ひと通り、探検、確認し、全員が執務室で休憩してたら、あっという間に2時間近に。


この応接室において、王立闘技場のトーナメント、ファルコ王国王家主催武術大会、運営責任者の業務部イベント課のエリク・ベイロン課長と、打ち合せをする。


今回はベイロン課長へ最高顧問室まで来て貰い、話をするのだ。


るるるる、るるるる……


丁度良いタイミングで、魔導通信機の呼び出し音が鳴ったのである。

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』をお読み頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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