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第23話「これで確定、ファイナルアンサー!」

さあて。

これで『ステディ・リインカネーション』におけるスペック概念、

そして前世の俺が、己のアバター、アラン・モーリアを設定した際の、

『初期設定数字』の『復習』は終わった。


これまでの経緯、経験で確信を持った、

現時点での俺のスペックを改めて確認しよう。


俺は再び、しっかりとモニター画面を見た。


〇名前:ロイク・アルシェ

〇種族:人間族

〇性別:男子

〇年齢:16歳

〇LV:レベル:5

〇職業:元農民⇒元店員⇒現在プー


〇STR:ストレングス:6,250

〇DEX:デクステリティー:10,000《MAX》

〇VIT:バイタリティー:10,000《MAX》

HPは、4,030

〇AGI:アジリティ:10,000《MAX》

〇INT:インテリジェンス:4,030

〇MND:マインド:4,100

MPは、4,015

〇LUK:ラッキー:10,000《MAX》

〇CHA:カリスマ:2,410


何だ、少し初期設定と違う部分といっても、

MAXに達したパラメータ以外は、数値が違う?

まあ、著しく変わったというわけではなく、端数が出た微増のレベル。


スペシャルボーナスポイントで習得したスキルは、いずれも『初級』

『索敵』『俊敏』『防御』『回復』『殴打』『刀剣』『召喚』……


……そして『農業』『採取』と『鑑定』かあ!


俺が前世で設定したスキル以外の『農業』『採取』と『鑑定』が入ってる!

もしかして、『元農民&元よろず屋店員ロイクの素養と経験』が反映された?


ちなみに『鑑定』は、初級のスキルのみだと、

「対象の価値に対し目利きが少し利く」というお助けレベル。

鑑定魔法を習得しないと、プロにはなれないけれど、商人の素質はある。


うん! 

という事で、スキルは都合10。


これで確定、ファイナルアンサー!


「やはり確信した通り!」だと、

満足した俺が、水晶製魔導モニター画面を見ていたら、


「うっきゃあ! 何ですかあ!? こ、こ、これえ!!」


検査祭儀室に、可愛い驚きの声と悲鳴が響いた。


魔導モニターを見て、担当の魔法使い女子さんが発したのだろう。


俺は思わず苦笑し、考え続ける。


前世の俺が設定したアラン・モーリア初期のスペックとは、

ロイク・アルシェだから、当然違う部分はある。


俺が設定したアバター、アラン・モーリアの年齢は3歳違いの19歳、

レベルは倍の『10』だった。

そして魔法騎士という職業もあって、

回復魔法の初歩『治癒』、攻撃魔法の初歩『火炎弾』の魔法は、

最初から習得しており、使い魔も召喚可能だった。


でも、現時点での俺ロイク・アルシェは、魔法が全く使えない。


先ほど述べたのと違う、端数のあるパラメータ数値。


……元のロイクのキャラスペックが加算され、調整されているとか、

もしや、オヤジ店主、山賊どもとの「バトル経験が反映されている」……のだろうか。


どうしてそうなったのか、ロジックは全く不明で、分からない。


それらは、推測するしかないし、何かのきっかけで判明する可能性もある。


今の時点では、あまり深く考えない方が良いだろう。


考えるべき大事な部分は別にあり、論点はそこではない。


しかし!

予想、経験、確信した通り、ロイク・アルシェの現スペックは……


前世で、何度もリセットし、やり直した結果、

獲得したスペシャルボーナスポイントを割り振り、

DEX、VIT、AGI、そしてLUKをMAXに、異常に突出させたものであった。


そう!

ロイク・アルシェとして転生した俺の中身は、やはり!

ケン・アキヤマのゲームアバター、

アラン・モーリアの『初期設定』だったのだ!! 


これで、俺の生き方は見えて来た。

誰かに縛られる、前世のような人生なんか、送れない。


俺は絶対!前世より1億倍!幸せになる!


好きな仕事を思う存分やって、未知の世界を探索し、強敵とのバトルに燃え、

たくさん稼ぎ、可愛い想い人と巡り合い、人生を全うする。


現スペックを確認し、俺は決めた。

とりあえず、商人、冒険者の両方になると!!


但し、俺は、商人にはなっても、ルナール商会の社員にはならない。

但し、俺は、冒険者にはなっても、クラン『猛禽(ラパス)』へは所属しない。


ルナール商会のセドリック会頭、幹部社員のオーバンさん。

クラン『猛禽ラパス』のジョアキムさん。

それぞれ、お世話になったから、本当に申し訳ない。

だから後で、お礼を言ってお詫びするけれど……


でも!

やはり!

今までの経験から、「組織に縛られるのは絶対に嫌だ!」と考えたのである。


じゃあ、何になるって?


俺は『フリーの自営業者』になると決めた。

つまりは『何でも屋』である。


『フリーの自営業者』『何でも屋』……

つまり、組織には所属せず、いち個人としていろいろな仕事をして、経験を積み、

ライフワークと思える仕事に巡り合ったら、最終的にそれを選択する。


「おいおい、何がフリーの自営業者だよ? お前は既に冒険者ギルドに所属してるだろ?」と、言われそうだが……


俺は、ギルドとは、会社員のように決められた雇用関係はないという意味である。


冒険者ギルドとは、任意の仕事を受け、遂行。

個人事業主として、報酬を受け取る関係なのだ。

分かりやすく言えば、プロ野球の選手と球団みたいな関係である。


ちなみにギルドを介在せず、フリーで、仕事を請け負ってもお構いなし。

という規約が、ステディ・リインカネーションの世界における、

冒険者ギルドにはある。


但し、犯罪絡みの仕事は絶対にNG!

そして、万が一、何かトラブルがあっても、

「直接の依頼に関して、ギルドは一切、フォローしない」という条件は付いている。

また、直接の依頼が来たら、ギルドに介在……マネジメントして貰う事も可能なのだ。


さてさて!

話を戻せば、前世で営業の仕事をしていた時、一緒に仕事した相手に、

自分の才能を活かし、仕事をする素晴らしい『フリーの方』がたくさん居た。

彼ら、彼女は好きな仕事をして、大金を稼ぎ、輝いて生きていた。


凄く素敵だ!

とても羨ましい!

そう思った。


ダークサイド企業の『極悪ワンマン社長』と『ごますりおべっか部長』に、

こき使われていたから尚更だった。


当然、そこへ行きつくには、並み大抵の事じゃなかったと認識はしている。

水面で優雅に泳ぐ水鳥は、水面下で一生懸命に足を動かすのを、

絶対に見せたりはしないから。


リアルでシビアな現世を生きていた俺も、そうなりたかった。


しかし、学歴も平凡、得意なスポーツもなく、ルックスも並みの下。


いろいろな事に挑戦し、ことごとく失敗。

挫折した俺は、残された選択肢……

ダークサイド企業に就職し、滅私奉公。

身体を張る社畜になるしか道はなかった。


まあ、もろもろの努力が足りなかったのは、素直に認めたい。


そして、もっと時間と金に余裕があって、何か勉強が出来たら、学べたら、

違う道があったかもしれない。


だけど、俺の家は裕福でなく、なるべく早く自活しなければならなかった……


……しかし!

転生した今の俺の前には、『進むべき道』が見えている。


持てる才能の確認も出来た。


後は、勇気を持って踏み出すのみ!

お世話になった人達には、発注された仕事を請け負う事で恩返しさせて貰おう。


などと、つらつら考えていて、ふと担当の魔法使い女子さんの方を見たら、

目がまん丸、驚き、呆然としていた。


そういえば、さっき可愛い悲鳴を上げていたっけ。


魔法使い女子さんは、俺の履歴が書かれたらしい書類、モニター画面、そして俺自身を何度も見ている。


「どうしました?」


と、俺が聞けば、


「え、ええっと、ロイク・アルシェ様は、16歳の未経験者ですよね?」


高校生の頃、アルバイトの面接を受けた、

お店の担当者のように、聞かれてしまった。


「ええ、16歳の冒険者、未経験者で、田舎のよろず屋の元店員でっす」


「も、元店員って!? こ、このスペックの、数値! ス、スキルの数! し、し、信じられない! 信じられませんっ!!」


ええっと、模擬戦で、俺がエヴラールさんに勝った事、

伝わってないのかな?


可愛い魔法使い女子さんが、大きな声で叫んだ瞬間。


俺達が居る検査祭儀室の外へ通じる扉が、

どんどんどん! と強く叩かれたのである。

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