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第220話「おお、ルクレツィア様って、もしやアレクサンドル陛下以上の人気者!? 俺はそんな人を嫁に貰うの!?」

多少予想はしていたが、『想定以上』だった。


何かといえば、超が付くくらい大混雑した王立闘技場フィールド。


それゆえ、討伐されたオーガの死骸見物の王国民達の行列は中々進まず……


……かといって、大破壊が収束し、大喜びしている王国民達を、

警備の衛兵、兵士があまり強引にせかしたりは出来ず、

予定は30分、オーバーしてしまった。


グレゴワール様は、バシュラール将軍が「申し訳ございません」と謝罪するが、

アレクサンドル陛下は泰然自若。


「よいよい、王国民達が大喜びする気持ちは良く分かる。急がせなくとも構わんぞ」


と、にっこにこ。


このような場合、理由はどうあれ、

「何やってるんだ、スケジュールが変わるのは困る!」と、

容赦なく激怒する国王も居る。

けれど、アレクサンドル陛下は全く怒らない。


仕方がないと、笑顔の陛下、懐が深いなあ。

こういう姿を見ると家臣は安心するもの。

そんな兄上を見て、ルクレツィア様も同じく笑顔なのはいうまでもない。


まあ、大破壊収束という良い報せは誰でも聞きたい。

それに、一般人がオーガを間近で見る機会はそうはない。

だから進むのがやたら遅く、大混雑するのは無理もないだろう。


結局……

午前11時30分になり、や~っと式典が開始された。


という事で時間は押したが、そこからは予定通り。

公式発表は、粛々と予定にのっとって行われたのである。


俺が見やれば……

MAX5万人収容のスタンドは押し寄せた王国民達でぎっしり、超満員だ。


観覧特別席はといえば……


陛下から、プレゼンテーターを命じられたルクレツィア様が、こちらに控えるから、特別貴賓席はそれ以外の王族の方々が座っている。


貴賓席には、大勢の貴族達が座る。

アメリー様のお父上、サニエ子爵。

俺を推してくれたクリストフ・ラグランジュ財務大臣などなど。


特別席には冒険者ギルドマスターのテオドールさん以下の幹部達、

そしてルナール商会会頭セドリックさん以下、他の関係者が座り、それぞれ観覧していた。


先ほど、ラグランジュ財務大臣、サニエ子爵には初めてお会いし、簡単なあいさつを交わした。


義理父となるサニエ子爵からは、

「婿殿、後でじっくりと話そうな」とか言われてしまった。


さてさて!

進行補助役の文官が紹介し、呼び出して、

司会進行は宰相グレゴワール様。

登場とともに「わあああああ!!!!!」と大歓声。

対して、グレゴワール様は簡単な開始のあいさつをしてから、一旦ご退場。


続いて、主賓アレクサンドル陛下がご登場し、ごあいさつ。

そして、陛下によるあいさつと大破壊収束の公式発表が告げられると、

5万人の王国民は狂喜乱舞、「わああああああああ!!!!!」と更に大歓声をあげた。


盛り上がったところで、アレクサンドル陛下は一旦ご退場。


ここで、オーガ討伐軍責任者たるバシュラール将軍ご登場。

登場とともに「わあああああ!!!!!」と大歓声。

大破壊の発生から、収束までの詳しい経緯説明が為された。


ちなみに当事者のひとりボドワン・ブルデュー辺境伯は日程が折り合わず欠席。


王都まで1.000kmという遠距離で話が急な事、

建物と農地に被害が出た領地の復興と、避難民の帰還を優先したいと申し入れ、注力しているという。

ブルデュー辺境伯もラグランジュ財務大臣同様、今後は俺を推してくれるそうだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ここでいよいよ、俺の登場である。


王国執行官という肩書と名前を呼ばれ、進み出ると……やはり。

登場とともに「わあああああ!!!!!」と大歓声。


王国民達から、期待の視線が一斉に俺へ突き刺さるのを感じた。


歓声を聞きながら、俺は直立不動で敬礼し、

バシュラール将軍から、ねぎらいの言葉を頂く。


ここでグレゴワール様、再度ご登場。

登場とともに「わあああああ!!!!!」と大歓声。


グレゴワール様は、バシュラール将軍と同じく、

俺へねぎらいの言葉をかけ、大破壊収束の功労者として、

爵位授与決定を告げる。


「わあああああ!!!!!」と大歓声。


ここでアレクサンドル陛下が再登場。

登場とともに「わああああああああ!!!!!」と更に大歓声。

陛下、大人気なんだなあ。


更に同じく、俺へねぎらいの言葉をかけ、

ご自身から伯爵の爵位、勲章の授与決定を告げる。

やはり「わあああああ!!!!!」と大歓声。


観覧席のあちこちから、


「すげえ! 平民が伯爵だってよ!」

「まさにファルコ王国ドリームだあ!」

「ロイク・アルシェばんざあい! 英雄ばんざあい!」


などの声が響いた。


ああ、勲章もそうだが、

これで俺が貴族……伯爵になる事が周知された。


そしてそして遂に! 俺的には一番のクライマックス。

真打ち? プレゼンテーター、王女ルクレツィア様のご登場。

登場とともに「わああああああああああああ!!!!!!!!!!」と、

この日一番の大歓声!


おお、ルクレツィア様って、もしやアレクサンドル陛下以上の人気者!?


俺はそんな人を嫁に貰うの!?


にっこり笑顔のルクレツィア様は、アレクサンドル陛下から勲章を受け取り、

俺へ、優しくかける。


「ロイク・アルシェ様、我がファルコ王国の為に尽くして頂き、ありがとうございます。そして! おめでとうございます!」


一世一代の大舞台。


俺に向かって輝く、王女ルクレツィア様最高の癒し笑顔。

やっぱりこの人の笑顔は心を温かくする。


辛い出来事も、素敵な出来事もあったけど、

ロイク・アルシェに転生し、本当に良かったと思う。


この笑顔……一生、忘れる事はないだろう。


そして更に嬉しい出来事が。


感動する俺に対し、ルクレツィア様は最高の癒し笑顔のまま、

小声で、周囲に聞こえないよう、そっとささやいたのだ。


「うふふ♡ ロイク様、大好き♡」


と同時に、


「わああああああああああああ!!!!!!!!!!」


と再び、この日一番の大歓声が、王立闘技場に鳴り響いたのである。

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』をお読み頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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