表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

182/257

第182話「王国執行官ロイク・アルシェ様がお戻りになりました!」

午前11時から、休憩も入れ、約12時間……

俺は約1,000kmを走り切り、王都へ到着していた。


3万人の連合部隊を率いるフレデリク・バシュラール将軍とは、

結局、遭遇しなかった。


3万もの大軍ゆえに街道以外の行軍ルートはない。

また、迂回も不可能。


つまり、まだ出発していないという事だ。


何とか出撃前に間に合った!

という安堵の思いが心に満ちる。


しかし、これからが大変だ。

出撃準備は既に整ったか、少なくとも進行中のはずである。


現在の時刻は午後11時過ぎ……夜半近いので、安全上の為、正門は固く閉ざされていた。


しかし俺は正門上の物見やぐらに陣取る門番の夜番へ、身分を明かし、

証明書を見せ、頼み込んで王都内へ入れて貰った。


夜番へ聞くと、王国中に大破壊発生の非常事態宣言が発令されたという。


そして!

やはり3万人の連合部隊は出撃していなかった。

ただ出撃準備は整い、王都闘技場へ集結。

明日、出撃の予定だという。


おお!

ラッキーだ!


パラメータ、LUK:ラッキーが最大値10,000《MAX》のおかげだろうか。


王都内へ入った俺は考える。

少しだけ迷う。


義理父予定の宰相グレゴワール様が詰める王宮へ直行すべきか、

それとも麗しきジョルジエット様、アメリー様と、

シルヴェーヌさん達秘書が待つリヴァロル公爵邸を経て、王宮へ赴くのか……


答えはすぐに出た。


課された任務を考えたら当然、王宮?


いやいや違う!


オーガどもは全て倒し、大破壊の危機は去った。

後は、王国が振り上げた拳……

3万人の連合部隊、オーガ討伐軍の派遣中止とメンツのケアのみ。


そりゃ、俺の無事を心から気にかけてくれる女子達へ、

まず一報を入れる事が優先だろう。


報告のみ入れるだけ、時間もそんなにかけないし。


という事で、俺は速足で、公爵邸へ向かう事に。


夜半近い王都でも、普段は結構な人通りがあるのに、外出している者は皆無に近かった。

発令されている非常事態宣言が原因に違いない。


数回、衛兵に職質で呼び止められるが、王国執行官ロイク・アルシェの身分証明書を見せ、切り抜ける。


……公爵邸へ到着。


公爵邸門番担当の騎士達は、俺が出撃した経緯と行先を知っている。

なので俺の帰還を見て、大いに驚いた。

戻るのが早すぎると。


「「「ロイク様!!??」」」


対して俺は、


「話は後だ。報告だけ入れる」


と告げ、本館の大広間へ入って待つ。


約10分後……


使用人に起こされたジョルジエット様、アメリー様、

別棟から駆け付けた、シルヴェーヌさん、シャルロットさん、トリッシュさんが、

慌ただしい様子でやって来た。


「ロイク様あ!」

「よくぞ、ご無事で!」

「お、お帰りなさいませ!」


全員、俺を見て、驚きと安堵の表情が入り混じっていた。


「時間がないから、簡単な報告のみをします。今回の大破壊は収束。オーガども5千体はすべて討伐完了。被害はボドワン・ブルデュー辺境伯家兵士の軽傷者3名のみ。住民は全て避難済み。当然、ブルデュー辺境伯も無事です」


俺がシンプルな報告をすると、女子達は、


「「「「「わああああっっっ!!!!!」」」」」


と大きな歓声を上げたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


女子達へ無事を告げた俺は今度こそ、王宮へ。


夜中だが、秘書達3人には、後から護衛付きの馬車で来るように伝えておいた。


念の為、召喚したケルベロスを置いて行く。

王宮手前までの警護を命じておいた。


という事で、単身、俺は急ぎ王宮へ。


王宮の警備は相変わらず厳重だが、王国執行官ロイク・アルシェの身分証明書は勿論、必殺の?『王国執行官御免状』が役立った。


見せると「控えおろう!」「はは~っ!」って感じで、警護の騎士達は、恐れ入り、

先へ通してくれた。


警護の騎士に導かれ、俺は王国宰相執務室へ。


王宮へ到着した際、グレゴワール様はアレクサンドル陛下と打合せ中だったが……

俺が帰還したと知り、王国宰相執務室へ戻ったのだ。


とんとんとんとん。


警護の騎士が王国宰相執務室の扉をノック。

いつもは秘書経由なのだが、現在は非常時だから。


「王国執行官ロイク・アルシェ様がお戻りになりました!」


騎士が声を張り上げると、室内からすぐに反応。


ひどく驚いたグレゴワール様の声が大きく響く。


「お、おおっ!! い、い、今、開けるっ!!」


がちゃり、と音を立て、扉が開いた。


ぬおっと立ち尽くす、偉丈夫のグレゴワール様。


俺は胸を張り、その場で、


「朗報です! 今回の大破壊は収束。オーガども5千体はすべて討伐完了。被害はボドワン・ブルデュー辺境伯家兵士の軽傷者3名のみ。住民は全て避難済み。当然、ブルデュー辺境伯も無事です」


と、はきはきした口調で報告を入れたのである。

⛤『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』をお読み頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければブックマーク及び、熱い応援をお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ