表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

155/257

第155話「あら、ロイク様。もうお昼。ランチタイムですよ」

午前9時50分。

全員で行う朝の合同連絡会議が終わり、俺達4人は出勤する。


リヴァロル公爵家の馬車で、各自の勤務先へ送って貰うのだ。


公爵家邸からの位置関係で、まずはルナール商会へ。

ここでシャルロットさんを落とす。

次に冒険者ギルド、ここでトリッシュさんを落とす。


最後に、俺とシルヴェーヌさんが王宮へ、という順番。


という事で、王宮へ到着したのが、10時15分くらい。


執務室へ入る前に、秘書経由でグレゴワール様へあいさつする。


王国宰相よりも後の重役出勤って、いかがなものかと思うが致し方ない。


俺は3か所の役職を兼務している。


各所の情報をすり合わせする、朝晩の合同連絡会議を欠かす事は出来ないのだ。


そんなこんなで、王国執行官専用執務室へ入り、

朝話し合ったひとつめの課題、王国執行官となった、

俺のお披露目イベントの件に関し、シルヴェーヌさんといろいろ話す。


シャルロットさん、トリッシュさんが降りた馬車の中、

俺とふたりきりになった時点で、

シルヴェーヌさんから、先に話を聞きたいと要望があったからだ。


「ロイク様がお持ちの仮案とは一体どのようなものでしょう? 凄く気になります」


何だか、シルヴェーヌさんが昨日とは全く違う。

全員でコミュニケーションを取った事、筆頭秘書として尊重した事、

そして、朝の訓練で俺が実力を見せた事などが、やる気になった理由なのだろうか。


「分かった、話そう」


「ありがとうございます、ロイク様」


「ああ、まず確認だ。……グレゴワール様とも、改めて話し合うけれど、お披露目イベント最大の目的としては、王国の内外に、俺の強さを広く周知するという意図があると聞いている」


「ええ、その通りだと思います」


「つまり国王陛下から平民、国外の方にまで、俺の強さをはっきりと見せるのなら、王立闘技場のトーナメントを使いたいと思うんだ」


「え? 王立闘技場のトーナメントとは、国内外から数多の戦士が集い、力と技を競い合う、ファルコ王国王家主催の武術大会ですよね」


「ああ! 俺も出場してぶっちぎりで全勝し優勝する!」


「成る程! 兄バジルから聞きましたが……騎士達と戦ったリヴァロル公爵家における模擬戦の再現ですね。今朝の訓練の模擬戦も凄かったですし」


「だな! 更にエキシビションマッチで、魔物と戦うんだ。そして倒した魔物とともにドラゴンの死骸も展示する」


「ナイスアイディアです! トーナメントにおいて、全ての戦士に圧勝。加えて、ロイク様が魔物も圧倒し、最後にトレゾール公地で倒したドラゴンも披露すれば、国王陛下を始め、闘技場に居る観衆の目には、王国執行官たるロイク様の強さがはっきりと認識されるって事ですね」


「その通り! どこからも文句は来ないだろう」


「ええ、そうですね! 文句など言えるはずがありません!」


「ちなみに、エキシビションマッチ用の魔物の捕獲は俺がやるし、運搬も俺がやる。ドラゴンを仕舞ってある空間魔法で危険がないように、王都まで運んで来るよ。まあ、さすがにドラゴン捕獲はやめておくけど」


「完璧です。私は賛成ですが、今夜シャルロットさん、トリッシュさんとも話し、明日、グレゴワール様へご提案致しましょう」


俺のプランを聞き、シルヴェーヌさんは大いに同意。

柔らかく微笑んでくれたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


俺のプランに大賛成したシルヴェーヌさん。


早速確認事項のとりまとめ資料作成に着手した。


5W1Hに基づいて、

Who……誰が、When……いつ、Where……どこで、What……何を、

Why……なぜ、How……どのようにを、王立闘技場のトーナメントに当て込み、

確認事項を箇条書きにするという。

更に、エキシビションマッチ。

俺の魔物退治も入る。


そして箇条書きされた項目を全て、4人で手分けし、確認して行くのだ。


やがて……資料は完成。

今夜は俺と秘書達全員で、分担の打合せをしよう。


この企画にグレゴワール様が難色を示す可能性はゼロではない。

まあ99%は大丈夫だと思うけど。


万が一、反対されたら、ちゃんと代案を出して貰おうと思う。


ここで、シルヴェーヌさんが声をあげる。


「あら、ロイク様。もうお昼。ランチタイムですよ」


おお、そうか。


でも、あれ?


そういえば、王宮に居る時、食事ってどうするんだっけ。


業務の確認ばかり頭にあって、聞くのを忘れてた。


先日は、食事を摂る前に外出してしまったし。


と思ったら、シルヴェーヌさんは、さすがグレゴワール様の元第三秘書。

王宮の勝手は分かってる。


秘書や使用人が、王宮の厨房へピックアップしに行くのだそうだ。


「では、行って来ますね。何かご希望の料理はありますか?」


「いや、俺は好き嫌いはないし、シルヴェーヌさんへ任せるよ」


「かしこまりました」


という事で、シルヴェーヌさんは王宮の厨房へ行き、

専用のカートで、ふたりぶんの料理を持ち帰って来た。


「私は秘書の控室で食事を摂りますね」


というシルヴェーヌさん。


王宮の要人は、配下を同席させず、ひとりで食事を摂り、

必要があれば、そのたびに使用人を呼ぶのが通例だそうだ。


でも、食事はひとりもありだが、

誰かと一緒に摂る方が楽しいというのが、俺の持論。


「いや、一緒に食べようよ」


という事で……

俺は美しい秘書とふたりきりで、楽しい食事を摂ったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎小説書籍版既刊第1巻~8巻大好評発売中!

《ご注意!第8巻のみ電子書籍専売です》

(ホビージャパン様HJノベルス刊

宜しければ、第1巻から8巻の一気読みはいかがでしょうか。

HJノベルス様公式サイトでは試し読みが可能です。

お気軽にどうぞ!


◎コミカライズ版コミックス

(スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス刊)

既刊第1巻~5巻大好評発売中!

コミックスの第1巻、第3巻、第4巻は重版しました!

皆様のおかげです。ありがとうございます。


またこちらの「Gファンタジー」様公式HP内にも特設サイトがあります。

コミカライズ版第1話の試し読みが出来ます。


WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版がご愛読可能です!

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、他作品のご紹介を。


そして下記の作品も宜しくお願い致します。


⛤『外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!』《連載中!》


⛤『帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者』《連載再開!》


⛤『気が付いたら下僕!隙あらば支配!追放大歓迎!実は脱出!マウントポジション大好きな悪役令嬢よ、さようなら!の俺が幸せになるまでの大冒険物語!』《完結》


⛤『頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話』《完結》


他の作品もありますので、何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ