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第136話「よし! 俺も腹をくくる!」

「ああ、次回のロイク君が務める護衛に関して、妹君ルクレツィア様も入れて欲しいとおっしゃられたのだ」


グレゴワール様が告げると、ジョルジエット様の顔色は血の気がす~っと引き、

みるみるうちに青ざめた。


俺と遊びに行って、楽しかった事をつい親友ルクレツィア様へ自慢してしまった。

他愛ないその行為が、現在の状況を引き起こしている。


「それって!」

「ジョルジエット様!」


「うむ。ルクレツィア様も入り、楽しく遊ぶ。それでとどまる話なら、何の問題もない」


「…………………」

「…………………」


「しかし、万が一、ルクレツィア様がロイク君を気に入り、伴侶にしたいと望んだら、どうなるか……」


「…………………」

「…………………」


「アレクサンドル陛下は、ルクレツィア様をとても可愛がっていらっしゃる。だが、ファルコ王国の国益の為には仕方ないと諦め、他国へ輿入れさせる方針を決めていた。つまり愛のない政略結婚だ」


「…………………」

「…………………」


「しかしだ、伝説の勇者以上と評されるロイク君へ、ルクレツィア様を嫁がせれば、ファルコ王国内へ、可愛い妹君をとどめて置く事が出来るし、大義名分も立つ」


「…………………」

「…………………」


「ドラゴン10体をあっさり倒すロイク君を王家の身内に、王族に加えられるのだ。これ以上の国益はなかろう」


「…………………」

「…………………」


「という状況となった。さて、問題はこれからどうするかだ」


「…………………」

「…………………」


「ルクレツィア様をお前達に同行させる事はもう決定事項だ。陛下のご命令だからな」


「…………………」

「…………………」


「ルクレツィア様を同行させる前に、お前達をロイク君と婚約させてしまうというのもなしだ。陛下が絶対お認めにならないからな。もしもそんな事をしたら、リヴァロル公爵家が不興を買う」


「…………………」

「…………………」


「ルクレツィア様に嫌われるようロイク君に失礼なふるまいをさせるのも不可だ。そんな小細工はすぐ見抜かれ、同じく当家が不興を買う」


「…………………」

「…………………」


「そもそもお前達はロイク君の誠実な人柄を散々、ルクレツィア様へ自慢しただろうから」


「お父様……」

「グレゴワール様……」


ジョルジエット様は、いつもの高圧的な物言いをして、自分のペースで主導する雰囲気が全くない。


アメリー様の表情も明るさがなく、暗い影を落としている。


「まあ、いろいろな可能性を考え、出来る限り全員が幸せになれるよう、落としどころを考えよう。ロイク君も全面的に協力してくれ」


グレゴワール様から言われ、俺も実感した。

故郷を出た時に続き、ロイク・アルシェへ転生した人生の、

ターニングポイントが再び来たと。


それに深く考えず、ドラゴン10体を倒した俺にも責任がある。


「分かりました。やれる事を最大限やり、全力を尽くして、全員で、幸せになりましょう」


俺が言えば、ジョルジエット様とアメリー様は、俺の手をぎゅっと握り、

目をうるうるさせ、じっと見つめて来たのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


俺の両脇は、ジョルジエット様、アメリー様。

ふたりとも、俺の手をぎゅ!と握っている。


微笑んだグレゴワール様は、ふたりの女子に問う。


「ジョルジエット、アメリー、改めて聞こう。お前達はロイク君と本当に結ばれたいのか? 本気なのか?」


念には念を入れてという雰囲気のグレゴワール様。


対して、ジョルジエット様は、


「はい! ロイク様と結ばれたい! 私は本気ですわ!」


そしてアメリー様も、


「私も! ロイク様と一生、添い遂げたいと思っております!」


と、きっぱり答えた。


ふたりの目は真剣、放つ波動も嘘偽りなく、本気モードである。


正直、嬉しい。

素直に喜ばしい。


前世も通じて、リアルな世界においての俺は、

ここまで女子に想われ、慕われた事がない。


恋愛は、ゲームの中でしか経験した事がなかった。


ここは無機質なゲーム、ステディ・リインカネーションの異世界。

でも、今、俺は、ゲームを具現化した世界で生きている。


血も涙も温かさもあり、人々が生きているリアルな世界だ。


俺の手を握る、ジョルジエット様、アメリー様の温かさも、

しっかり伝わって来るもの。


ここで、グレゴワール様が、尋ねて来る。


「と、ジョルジエット、アメリーは言っているが、ロイク・アルシェ君。君はどうする? この子達を受け入れるかね?」


うん!

想定内の質問だ。


よし!

俺も腹をくくる!

ルクレツィア様の事はさておき、

ジョルジエット様、アメリー様と結ばれる事を考えよう。


ここまで来たら、ふたり一緒に嫁にしてやるぜ!


「はい! 俺はジョルジエット様、アメリー様を嫁にしたいです!」


決意した俺は、きっぱりと言い放っていたのである。

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