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第114話「え!? 大ウソ!?」

気持ち的に『お腹いっぱい』になった俺は、

依頼完遂を決め、トレゾール公地を撤収。

王都ネシュラへ戻った。


ドラゴン10体を全て討伐したのが、午後8時30分を少し回った時刻。


(あるじ)よ! もう撤収なのか? まだまだ戦えるだろう?』


ケルベロスは少し不満そうであったが……

この後、1時間、3時間、5時間と、夜通し次の魔物の出現を待ち、

改めて戦う気持ちは俺になかった。


火を消すなど、後始末をして、撤収したのが午後9時。


トレゾール公地の正門を開け、ケルベロスとともに出れば、

しばし経ち、正門は自動的に閉まった。


前世の街と違い、周囲は原野で真っ暗闇。


夜目が利く俺だが、革兜に小さな魔導灯をつけ、原野を走る。

ヘルメットライトという趣きで。


そして街道へ出てからも、ひた走る。


途中、小休憩をはさみながら、王都ネシュラまで、駆けて帰って来たのだ。


時速30km~100kmと、走行速度を変え、時間調整をしながら帰って来たので、王都『北』正門前に到着したのが、午前7時。


門番さんに、あいさつし、冒険者ギルドの所属登録証を提示し、ホテルへ……


フロントへ確認したが、手紙、伝言はなし。

「1週間の予定より出張の仕事がだいぶ早く終わった」と伝え、部屋へ入る。


すぐに装備一式を外し、簡単に手入れをした後、シャワーでさっぱり。

少し疲れたので、ベッドへ潜り込む。


すぐ眠りに落ちた。


ぐっすり眠って、起きたら……5時間ほど経っており、

午後0時30分、ゆうにお昼を回っていた。


部屋着に着替え、階下へ行き、ホテルのレストランでランチ。

お茶を飲んだら……ようやく落ち着いた。


どうしようかと、少し考えた。


結果、冒険者ギルドへ赴き、依頼の完遂報告をする事を決めた。


急ぎ、部屋へ戻り……


クローゼットから、新しい革兜、革鎧を出して、装着。

眠る前に手入れした剣を腰から提げ、夜には戻ると伝え、ホテルを出る。


徒歩で、冒険者ギルドへ……

俺の業務担当のトリッシュさんが居れば、ラッキーなんだけど。


王都の街中を歩く。

5時間眠り、疲れは完全に取れていた。


……やがて冒険者ギルドへ到着。


本館へ入り、受け付けで問い合わせると、幸いトリッシュさんは、在席していた。

すぐの打合せも可能だという。


ああ、俺はやっぱりラッキー。

パラメータのLUK:ラッキーが10,000の《MAX》だけある。


受付前で待っていると、トリッシュさんは、にこにこしながらやって来た。


早速、2階の応接室へ。

さすがに、ふたりきりで打合せするのも、もう慣れた。


「今朝、戻って来ました」


「お疲れ様ですう! ロイク様。ご無事で何よりです……でも、お戻りがとんでもなくお早かったですねえ」


「はあ、まあ……」


俺が口ごもると、トリッシュさんは、にっこり笑い、


「ロイク様。まあ、元気を出してくださいな。トレゾール公地は魔境と言われるくらい、とんでもない場所ですから」


おおっと。

励まされちゃったよ。


王都へ戻るのが早すぎたせいか、トリッシュさんは依頼が完遂されていない、

つまり未遂と思っているみたいだ。


いや、もしかしたら、行くのをやめて、途中で戻って来たと思っているかも……


片道300kmだからなあ。


とりあえず、話を合わせておくか。


「とんでもない場所ですか。確かにそうですね。はっきり、そう思いました」


ここでトリッシュさん。

急に小声に……


「ロイク様、ちなみに、ここだけの話、トレゾール公地へ王国軍兵士1,000人が赴いたら、ドラゴンの上位種が数百体もの大群で現れ、全滅させられた公式発表って、大ウソですから」


「え!? 公式発表が大ウソ!?」


「し~っ。お静かに」


「は、はい」


おいおい、その話。

ステディ・リインカネーションをやり込んだ俺でも、知らなかったぞ。


「まあ、ドラゴンに襲われ全滅したのは、本当なのです」


「はあ……」


「実際はノーマルタイプのドラゴン10体と少しが、出たそうです。それでも王国軍の兵士1,000人では全然歯が立たなかったようです……お気の毒でした」


「そうだったんですか……」


「はい! 金、宝石にみちあふれた、トレゾール公地の盗掘防止の為、おおげさに話を盛ったんですよ」


「おおげさにですかあ」


「はい、ただ、採集、採掘者が10人以上で行くとノーマルタイプのドラゴンが10体現れるのは確かです」


「成る程」


うん、確かに出たよ、ノーマルタイプのドラゴン10体が。

ケルベロスとともに、全て倒したけどね。


「王国と冒険者ギルドの取り決めで、トレゾール公地へ赴き、帰還した冒険者には、真実を話してOKだと、決められておりますから」


「はあ、そうなんですか」


「でも、ロイク様はおひとりで行かれて、犬の使い魔を1体召喚されるくらいだから、ドラゴン10体は関係なかったですよね」


トリッシュさんはそう言うと、にっこり笑ったのである。

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