第113話「さすがドラゴン!! 倒すとすっげえ!!」
魔獣ケルベロスが倒したドラゴンのうち、
「いろいろ試した」3体目の死骸も収納の腕輪へしまい、
俺はドラゴンの群れを追った。
作戦通り、ケルベロスはあまり遠方に離れず、
囮として、近場で残ったドラゴン7体をあしらっていた。
さあ!
いよいよ俺もドラゴン戦だ。
幸いドラゴンどもは、全ての個体が、囮のケルベロスを注視していた。
そして俺はといえば、気配を消し、シーフスキルの『隠形』も使っていたから、全く気に留められていない。
こういう場合、獲物として草食獣の群れを追う肉食獣は、
はぐれた個体を狙うという。
ドラゴンという獲物を狩る俺も同じく、その方法を使おう。
すすすすすすす、と背後から高速で近づき、後方真横に並んだ俺。
先ほど試した部位を狙う。
ずばしゃっ!と力を込め、巨大な尾を切断した。
ぐっぎゃああああああああ!!!
ドラゴンが大きな悲鳴をあげた。
一方、切り離された尾は、まるで尾に命があるかのように、
「びったんばったん」と動き回る。
これで尾を振り回し、攻撃される事はない。
噛みつき、ブレス、尾のうち、攻撃手段がひとつ減ったというわけだ。
そして生きているドラゴンへ、剣による俺の攻撃が通じるとの証明となった。
更に俺は間を置かず、切断面へ、風属性の攻撃魔法『風弾』をぶち込む。
何発もぶち込む。
どぐおっ! どぐおっ! どぐおっ! どぐおっ! どぐおっ! どぐおっ!
6発撃ち込むと、ドラゴンの生命反応が消えてゆく。
狙ったのは急所ではないが、切り口から攻撃したので、
放たれた大気の塊により体内が破壊され、致命的だったようだ。
ケルベロスの方を向いていたドラゴンどもは、仲間の悲鳴を聞きつけ、俺の方へ向き直る。
ここで、ケルベロスから念話が届く。
『うむ! 主よ! 物理攻撃オンリーではないが、見事な攻撃だ……ここで、我が咆哮し、ドラゴンの動きを止めよう!』
『了解! 助かる!』
がああああああああおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
先ほど同様、ケルベロスの咆哮にひるんだドラゴンどもは、
「ぴたっ!」と、動きを止めた。
同時に、俺はダッシュ!
一番手前のドラゴンに向かい、大きくジャ~ンプ!
狙うは1か所!
先ほどケルベロスが噛み殺した急所の、のどぶえへ右手の剣で一撃!
ずばあっ!!
でも!
まだ致命傷じゃない!
次で、とどめだっ!
血しぶきが舞う中、宙に浮く俺は、
左手から『風弾』を傷口へ撃ち出した。
どごおっ!!
同時にドラゴンの、のどぶえから更に大量の血しぶきが、「ぶわわっ!」と噴出。
これが、息の根を止める一撃だった。
ずっし~~んんんんんっっ!!!
朽木が倒れるように、ドラゴンの巨体は前のめりに地へ伏したのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ケルベロスの助けがあり、2体ドラゴンを倒した俺は、完全に勢いに乗った。
というか、完全にドラゴンの動きを見切り、攻撃パターンをつかんだ。
正面からだと、嚙みつきとブレスに注意し、急所の、のどぶえを攻撃。
背後からだと尾を切り落とし、切り口から風の魔法。
ドラゴンはブレスを吐く際、口を大きく開け、口の奥が赤くなり、のどが動くという特徴がある。
なので、予測し、避けるのは、俺の身体能力なら、たやすい。
結果、ブレスは吐かれたが、俺は全て避け、却って同士討ちとなった。
戦う際、注意したのは必ず1対1で戦う事。
ケルベロスに威圧、牽制して貰い、
一度に複数の個体を相手にしたり、他の個体と距離を取り、
いきなりブレスを吐かれたり、乱入されないよう心掛けた。
そんなこんなで……
俺とケルベロスは協力し、出現したドラゴン10体を全て討ち取った。
『うむ、よくやった!』
と、相変わらず上から目線の魔獣ケルベロス。
その瞬間。
ぱららら、ぱっぱ~!!
ファンファーレが鳴り渡り、心の内なる声が、
レベルのアップ、各パラメータのアップを告げてくれた。
例によって、全てを記載しないが、こんな感じである。
〇名前:ロイク・アルシェ
〇種族:人間族
〇性別:男子
〇年齢:16歳
〇LV:レベル:15⇒16⇒17⇒18
〇属性:風《プラス地、水、火》⇒全属性魔法使用者オールラウンダー
〇職業:元農民⇒元店員⇒元プー⇒冒険者ランクB、ランカー
〇STR:ストレングス:8,000⇒9,000
〇DEX:デクステリティー:10,000《MAX》
〇VIT:バイタリティー:10,000《MAX》
HPは、5,800⇒6,500
〇AGI:アジリティ:10,000《MAX》
〇INT:インテリジェンス:5,300⇒5,700
〇MND:マインド:6,000⇒7,000
MPは、5,300⇒5,800
〇LUK:ラッキー:10,000《MAX》
〇CHA:カリスマ:5,400⇒7,000
おお!
一気にレベルが3つもアップ!
レベル18に!
そして各パラメータも大幅増!
さすがドラゴン!!
倒すとすっげえ!!
たくさんの金塊、宝石をゲットし、ドラゴンも10体討伐し、死骸もゲット!!
気持ち的に『お腹いっぱい』になった俺は、依頼完遂を決め、トレゾール公地を撤収。
王都ネシュラへ戻ったのである。
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