リュウグウの使い
JAXAの「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから、試料を採取して帰還しました。
中国が月へ、アメリカが火星へと探査機を送っている中、我が国は火星の向こう小惑星帯への探査機往復を二度成功させています。
この宇宙開発事業の端緒は戦前からの流れですが、本格化したのは戦後です。
我が国の「宇宙開発・ロケット開発の父」と称される糸川英夫博士は、戦時中に戦闘機を開発した経歴を持ちますが、戦後はロケット開発に力を注ぎました。
糸川博士の開発した戦闘機は「九七式」「一式戦・隼」「二式戦・鍾馗」と名だたる名機揃いで、特に「隼」はそれまでの設計とは異なる新機軸を採用して、生産性と確度の向上が達成されています。
戦後、ロケット研究機関を設立し、東京大学で研究を進める傍ら「日本ロケット協会」を設立しています。
東京大学の研究機関の流れである「宇宙科学研究所ISAS」と、後発の国の機関である「宇宙開発事業団NASDA」が今世紀に入ってから合流して「宇宙航空研究開発機構JAXA」となっています。
ロケット開発には軍事的側面もありますが、我が国では社会党による掣肘もあって、軍事利用は控えられていました。
ところが北朝鮮によるミサイル発射実験を受け、我が国でも防衛計画の一環としてロケット開発が行われるようになっています。
今後は国際宇宙開発の一翼を担うよう、量産体制を整えて製造価格を下げ、国際競争力を持つ分野として発展するよう願います。
学問の自由な発展を阻害している要因の排除が先決ですが。