軍事用語 其之弐
日常的に使われる軍事用語の紹介第二弾です。
もうヤバイですね☆
この「ヤバイ」を漢字で表記すると「矢場い」となります。矢の飛び交う場ですから、本当にヤバイです。
室町時代ぐらいまでの合戦は、矢合わせから始まりましたが、戦国時代に鉄砲が普及すると、最初に鉄砲を撃つようになり「火蓋を切る」ことが戦闘開始の合図となりました。
大友宗麟は大砲を輸入し、「国崩し」という「主砲」で島津軍を迎え撃ちました。
「破竹の勢い」で進軍して来た島津軍も、ここで撃退されています。
この「破竹の勢い」も、中国の三国時代末期、晋の将軍である杜預が呉の国に攻め込む際に言った言葉です。
三国時代には他にも、劉備が諸葛亮を幕下に加える時に礼を尽くした「三顧の礼」や、魏の張遼の怖さを伝える「泣く子も黙る」なども生まれています。
中国の故事には「老いてますます壮ん」もありますから、軍事用語からの故事成語は多いです。
最近は使われなくなりましたがマスコミ関係者が取材活動として「夜討ち朝駆け」を仕掛けて、特報を得るのに「鎬を削った」こともありました。
「夜討ち朝駆け」は保元の乱で源為朝が献策するも容れられず、逆に平清盛らによる夜討ちを仕掛けられています。
保元の乱に続く平治の乱では、清盛の嫡男である重盛を、源義朝の嫡男である義平が追い回して「一騎討ち」に持ち込もうとする創作が語られています。
「鎬を削る」の鎬とは、刀身の盛り上がっている部分で、「鍔迫り合い」などを含めて激しい戦闘を描写する語句です。
我々が何気なく使っている語句や言い回しが、軍事用語に由来する実例を示して来ました。
人類史は戦争で飾られているという私の持論は、こうして補強されております。
先日も「惑星探査機はやぶさ」や国産ロケットの成果を「軍事利用される可能性がある」とかしたり顔で述べる方がおられましたが、こうした軍事用語由来の言い回しや語句、また軍事利用された物品の使用を全くしていないと言えるのでしょうか?
絶対に無理ですから、「軍事利用される恐れがあるから反対」などとは口が裂けても言えません。
何故なら、私たちの身の回りには軍需品が溢れているからです。