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ゼウス、没落子爵家に出生する

評価を……、評価を下されば幸いです(欲しがりお化け並感)

レーヴェンマルク子爵家 寝室



「やったなレア! 待望の男児じゃないか!! これで跡継ぎには困らない!!!」


 貴族の寝室にしては全体的に質素な造り。

 メイド姿の助産師が一人に、この子爵家の当主であろう人物とその妻がいるのみ。

 意識が芽生えた頃には、三人の歓声がこれでもかと部屋中に響き渡っていた。


 しかしまぁ……なんだ。

 両親揃ってそこまで嬉しそうな顔をされるとな?

 はるばる天界から地上に舞い降りた甲斐もあったってもんだな。

 本来は死産になるはずだった赤ん坊だし。

 

 それに生まれてきたばかりの赤ん坊にはっきりとした意識なんかないからわかんねぇだろうが……

 まぁ……なんていうか悪くはないな、うん。


 ただまぁ……成長した時の顔をあんなやられ役悪人面にしちまったから、父親もそこはかとなく小悪党っぽい顔立ちだな。

 これで子爵家の当主か……しかしそれとは正反対に母親は絵に描いたような物凄い美人なのが気になる。

 この二人の出会いはどうなってるんだ?

 絶対まともな恋愛手段をとってなさそうだが……

 

「えぇ、あなた! ほら見てください! 実にあなたに似て目付きが悪くていかにも小物っぽい顔立ちで嬉しいわ!」


 おいおい、なんてこというんだこの美人さんは。

 男の趣味が絶望的に悪いのか……?

 前言撤回、絵にかいたような物凄い()()美人と称しておくわ。


「あぁ! 実に俺に似て目付きが悪くて小物っぽい顔立ちだな! これでは誰がどう見ても文句なしに引き立て役だとしか思うまい!」


 あんたも便乗してとんでもない自虐と悪口を言ってんじゃないよ。

 赤ん坊に意識があったら泣いちゃうぞ、その台詞。

 てかあるわ。現在進行形であるわ。

 なんてことをいうんだこの小悪党は。

 まぁ、顔を見てがっかりされるよかは全然いいけどさ。


「だからこそ!!!」


 ……ん?


「名はゼウス! ゼウスにしよう!」

「名はゼウス! ゼウスにしましょう!」


 ……は?



「クロノスとレアの間に生まれた子供がゼウスとは、全知全能の神である本物のゼウス様もきっとお喜びに違いない!」


 えっ……ちょっ……まっ……!?

 あんたら名前がクロノスとレアって……!?

 俺の親父とかーちゃんの名前じゃねーか……!?


「えぇ! この子は必ず! このポンコツ没落子爵家の再興に力を入れてくれるはずよ!」


 おい待て、口悪すぎだろ美人さんよぉ!?

 それに口が悪いこともさながら、神の名を我が子につけるって普通恐れ多くない? ねぇねぇ?

 てかさっきまで目付きが悪くて小物っぽいとか散々悪口言ってたよね? ねぇ!?

 その子に神の名をつけるの!? ねぇ!?!?


「なんだとレア! 本当のことを言うなよ! でも愛してるぞ!」


 あんたもちょっとは悲しもうよ! 本当のことでもさぁ!!


「えぇ、私も愛してるわ! この没落チンピラ野郎!!」


 なに感動の展開みたいに涙を浮かべて抱き合っちゃってんの!?

 隣の美人なメイドさんもほろりと涙を浮かべてハンカチで拭いてるし!!



 そういう場面(シーン)じゃねーから、これ!!!


xxx



『ぷっくくくく!! ゼウスよ! お前も物好きな奴じゃな~? このような変人家庭を出自に選択するとはの?』


 つっこみが追い付かず途方に暮れていると、ケラウノスちゃんが人間の姿で突如現れて、念波での会話をしかけてくる。

 ちなみにケラウノスちゃん自身で姿を消す魔術を使っているため、俺にしか見えていない。

 てか大笑いしすぎだ! 可愛いけどね!!


『違う! 俺は確かに没落子爵家の生まれを選択した! しかし断じてこのような変人家庭を好き好んで選んだんじゃない!』


 声には出さず、頭の中で抗議するがーー


『そうなのか~? しかし両親の名までお前と一致するではないか』


 対するケラウノスちゃんは少しも揶揄うのをやめてくれなかった。


『完全に偶然の産物だ!』


『わかったわかった、そういうことにしておいてやろう。実に可愛らしい()()()も見せてもらったしのう』


 くっ、このエロ美幼女め!


『はぁーっ……で? 儂はいつ顕現すればよいのじゃ? 人型でも武器でもどちらでも構わぬが、出来れば実体化して人間界を見て回りたい気持ちもあるのう』


 ひとしきり揶揄いながら笑っていたケラウノスちゃんだったが、途端に真面目な顔で話を切り出した。

 せっかく人間界に来たのだから愉しまなくては、という気持ちがあるのだろうがーー


『馬鹿を言ってんじゃないよ、ケラウノスちゃん。お前が実体化すればふとしたことで地球を消滅しかねないだろうが。仮に実体化するにしても絶対に俺の目の前でだけだ』


 俺が即座に可愛らしい幼女の申し出を却下すると、「なんじゃ、つまらん」とケラウノスちゃんは不満を漏らした。

 当たり前だろうが。見た目は金髪美幼女でも、実際は天界でも比類なき最強の武器だぞ?

 しかも自由意志を持ち、あらゆる魔術を完璧に使いこなす存在だってのに。


 はぁ、しかし前途多難だな……。

 


 ーーと、ため息をつくゼウスだったが。

 こんなものはまだ序章も序章だったのだ。

次回で12歳の頃まで飛びます!


ここまでお読みいただきありがとうございます!

数日以内に次回の投稿をいたします。

作者の励みになりますので、少しでも面白い・続きが読みたいと感じていただけたならばブクマ、評価の程よろしくお願いいたします!!

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