天界より愛とともに、神楯アイギス登場
評価を……、評価を下さればやる気メガ盛りMAXです(欲しがりお化け並感)
『--本当ね。あいも変わらず、とんだ大馬鹿者よ貴方は。お義兄様の怒りを甘く見すぎではないかしら?』
まるで水のように張りつめた、凛とした美しい声。
俺はこの声を知っていた。
懐かしいあの声……ケラウノスちゃんの次に数々の戦争で共にした戦友の声だ。
--ズズッ、ズズズ……
俺が回想に耽っていると、声の主がゆっくりと姿を現わしてゆく。
最初は白く透き通るような肌。
やがて青を基調とした面積の少ない鎧に身を包む、美しく長い黒髪の超絶美少女がずるりと空から絨毯へすたっと足を下ろした。
「やはりアイギスか……お前……ッ!?」
神楯アイギスーー天界でも比類なき最強の楯。
その形状は手楯とも胸当てとも、そして今のように人型フォルムにも変化させることができ、最高位の防具ゆえに当然ながら自由意思を持つ。
しかしアイギスは俺の娘アテナに貸し出していたはずだ。
だからこそ、アテナはどうしたと問い詰めようとしたのだがーー
「ん……」
「ッ!?」
俺が問い詰めるより先に、アイギスは俺を抱きしめて接吻を施したため、声を発することができなかったのだ。
「ゼウス、貴方にただただ会いたかった。会いたかったわ……」
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そうしてアイギスは俺の胸に頭を預けてきた。
そのため、ぷにゅっとした肌の柔らかな感触、女の子らしい良い匂いに鼻腔をくすぐられつつも、俺は動けないでいたのだがーー
「おい。いつまでそうしておる、この色情魔」
一部始終をぽかんと見ていたケラウノスちゃんがアイギスの脇腹をつねって妨害する。
顔は笑顔だが……その声には気のせいだろうか。
なんとなく、なんとなくだが、恐ろしい怒気を孕んでいるように思えた。
なんとなく……だよね?
「あら、小さすぎて見えなかったわ。これから私とゼウスはお子様には刺激が強いことをするから、さっさと立ち去りなさい」
お前何言ってくれちゃってんの?
ここは場を収めるところだろうが。
てかお子様には刺激が強いことってなによ?
しないからね、そんなこと。
「……いろいろ聴きたいことはあるが、何故娘のアテナから離れた?」
とにもかくにも、当初から聴きたかった情報をひきださないとな。
「簡単なこと。貴方のいない世界に未練なんてないからよ。それに最後には納得してくれたわよ? 私達の娘として、立派にオリュンポス十二神を率いていくと誓ってくれたわ」
「嘘をつけ! それに俺とお前は婚姻関係にないだろうが!」
天界にいた頃からそうだったが……この娘ぶっとんだこと言いすぎじゃない?
妻たちの前でもこれだったから、いつもはらはらどきどきしてたの忘れてたわ……。
「もうすぐなるから同じよ。だからこそ、アテナは私にとっても娘となる。そして私と貴方はこの人間界にて、幸せな夫婦関係を築くの」
話を聴けと、アイギスの両肩を掴み、そう口にしようとした瞬間だった。
俺はさらに頭を悩ませることになる。
「そこまでにしておくんじゃな、楯風情が。儂の夫を掠め取ろうとするその度胸は買うがの」
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「ケ……ケラウノス……ちゃん……?」
ケラウノスちゃんまでどうしたっていうんだと、俺はいまだアイギスの両肩を掴みながら顔だけを向けて問いかけた。
するとケラウノスちゃんははぁと一息ついた後、渋々と口にしてゆく。
「まったく、こやつが現れては仕方あるまい。そうじゃ、この天界最強を誇る雷霆ケラウノスもこやつと同じくお前に恋慕の情を抱いているということじゃ。そうでなくては、人間界になどついてくるはずもあるまい? ほれ、言ってやったぞ。情熱的なチッスで応えんかい」
そうしてんーっと唇を向けるケラウノスちゃん。
いや、相変わらず可愛らしいけど……まさかケラウノスちゃんが……?
「そんな低俗な挨拶を人の夫に強要させないで欲しいわね」
誰が夫だ、誰が!
「こんにちわっすの略ではない! そんな挨拶のために唇を突き出すなどありえんじゃろうが! それにお前の夫ではないというに!」
--だが。
「貴女は本当に昔からおめでたいのね。いいかしら、よく聴きなさい」
俺が本当に頭を悩ませるのはこれからだったのだ。
「私とゼウスは天界にいる頃から、肌を重ねあった深い仲なのよ?」
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「……どういうことじゃ?」
やばい……ケラウノスちゃんの俺を見る目が半端なく怖い、怖すぎる……。
「む……胸当てとして変化もできるだろ、アイギスは……」
俺はすぐにそう弁明するがーー
「変化を解いた時は、生肌同士で胸を押しつけ合ったわよね?」
その言い方は語弊を生むからやめろ、てかやめて!
ケラウノスちゃんに嫌われたら生きていけないから、ほんとうに!
そんな風に俺は懇願するようにアイギスに目を向けるのだがーー
今度はケラウノスちゃんが燃料を投下してしまったのだ。
「なんじゃその程度か、お子様じゃのう。儂などち◯ちんまで見ておるわ」
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「なんですって……ッ、ち○ちんを……ッ!?」
今日一番の驚きを見せるアイギス。
「そーじゃ、ち○ちんを見るような仲じゃ。お前などまったく相手にもならんわ!」
何故か誇らしげにそう言い放つケラウノスちゃん。
「ほ……本当にち○ちんを見たというの……ッ!? あのち○ちんを!?」
やめて、確認しないで! ここ廊下だから!
親父やお袋がもしきたら、いいやメイドのマリさんでも、なんならキュラス侯爵家の面々が部屋からでてきてもだめだ!
恥ずかしげもなくち○ちん連呼する超絶美少女二人相手に目つきの悪いやられ役悪人面がオロオロしてるって、それどんな構図よ!?
下手したら、この家から俺が追放されるだろうが!
「あーうるさいうるさい! 美少女が揃いも揃ってちん○ん、ちん○ん連呼するな!!」
だからこそ最悪の展開を防ぐため、俺は二人の間に割って入るのだがーー
「ゼ、ゼウス……?」
最悪の展開は無情にも防げなかった。
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「お、親父……お袋……これはだな……?」
(やばい……勘当まではいかないかもしれないが、この家での俺の立場がない!)
そう判断した俺は、なんとか頭をフル回転させて上手い言い訳を考えるのだがーー
「よくやった!」
「よくやったわ!」
俺はこの二人が類を見ないような変人だということを忘れていたのだ。
親父とお袋は俺の手を取りながら笑顔で口を開いてゆく。
「このような途轍もない美少女二人をその年で手籠めにして、それもちん○ん連呼されるような仲だとは知らなかったぞ! 水臭い奴め、さっさと教えんか!」
「血は争えないわねあなた! 今夜は御馳走にしましょう!」
ええい、この家には常識的な人間がいないのか……ッ!?
いやまあ、そのおかげで俺はお咎めなしなんだが、でもなぁ!
「あ」
お? やっぱり少しは怒られるのか?
まぁ、流石にそうだよな。
俺はそう思って身構えるがーー
「ゼウス? まだちゃんとできないようにだけはしなさいね!」
そう一言だけ言い残して足早に去っていった。
何の心配をしてるんだよ、本当に!
「お義母様、それは約束できません」
「義母上、それは約束できんのう」
だめだ、心配すべきはこっちもだった……。
そうして俺は額を手で抑えて頭を悩ませるがーー
ーー三年後、成り行きで入学することとなった学院生活を考えれば、こんなものはまだまだ序の口だったのだ。
次回から新章ですが、とりあえずここで一区切りの完結です!
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