いざ、冒険者学校へ!
翌日の朝。
朝御飯を食べた後に俺はこの村から引っ越す物を馬車に乗せていた。
なんで引っ越すって?
この村には冒険者学校なんてなく、あるのは、大王国メルディア郊外自治国グレンガー郊外キ・マラ町というここから南にそこそこ離れている所にあるからだ。
俺がいた頃と王国の名前が変わっているが、まあ、それはまだあまり気にしない。
ようやく俺は冒険者学校に行ける、とてもわくわくしているのだ。
どんなところなのかや、いい友人は出来るのか、と少し俺はそわそわしていた。
それは人生初の学校だからだ。
今までは戦場にいたりして同年代とそういうことをすることがなかったからな。
成人した12才の時なんてもう神と殺しあいの戦いをしていたからな。
いや物心がついたときには既に戦っていたがな。
もうそんなことはどうでもいい!
早く冒険者学校に行きたーい!
「浮かれているウィータには父さんチョップ!」
と脳天にチョップされた。
ちなみに俺の身長は160センチ位で、転生前は185センチはあった。
パパさんは160センチ位しかない。
不意にチョップされたお陰で俺のうきうきの気分は一気に下に下がった。
「何でチョップするの?」
とちょっとキレ気味で聞いた。
「ウィータ、お前少し受かれていただろう?」
とパパさんは言った。
「うん、それが?」
と俺は返した。
するとパパさんは、
「冒険者学校は遊びじゃないんだぞ。皆はちゃんと勉強とかしてようやく行けるんだ。それなのにお前は勉強とかしないで何を浮かれている。」
と怒られた。
パパさんが怒ったのは初めてだった。
流石に浮かれてたのは悪いと思い、
「ごめんなさい。今度から気を付けます。」
と謝った。
するとパパさんは、
「今回は許す。次回からは、お仕置きを覚悟しろよ。」
と許してくれたが、お仕置きとは一体…。
気になってはいたが、聞かないことにした。
そして二時間後。
全ての荷物を馬車に乗せきった。
ちなみにこの馬車はこの村唯一の馬車である。
「貴重だから壊すなよ。」
と村長さんに釘を刺たれた。
馬車を守れたらいいな、と思ってる時に、
「ウィータ、そろそろ出発するよ~。」
とママさんが言ってきた。
「では村長さん。また会えたら。」
「ウィータの活躍を期待してるぞ。」
と別れの挨拶を交わした。
そして俺は馬車に乗り込み、我々一家は冒険者学校に向かうことになった。
▲▽▲▽▲
現在村から出ておよそ一時間。
現在森の中。
もうずっと森しか見てない気がする。
いや、気ではない。そうなのだ。
村から出る道はこの森の道しかないため、なかなか景色が変わらない。
もっとわくわくするものだと思っていたが、森の中だと余りしない。
そうやって時間が過ぎていった。
村から出ておよそ二時間。
まだ森の中だ。
もう森は見飽きた。
町を見たい、と思っていると、
「ウィータ、魔物だ!」
とパパさんが言ってきた。
何、魔物だと?
俺は魔物を倒して久々に肩慣らしでもしたい、と思ってきた。
するとパパさんが、
「ママ、ウィータは下がってろ!僕が戦う!」
とパパさん。
俺なら基本一撃だから、
「パパさん、俺が戦います!」
とパパさんに言った。
「いや、駄目だ、ウィータには戦えはさせない!ウィータはママを守ってくれ!」
とパパさんは拒否した。
おい、嘘だろと思っていたら、魔物が来た。
狼型の魔物。名前はウルフファング。
魔素の影響で強くなった狼だ。
ウルフファングの数は二匹。
さあどうパパさんは、戦う?
パパさんは魔法を唱えた。
「水の精霊よ、今こそ我に力を与えたまえ、 水の発生!」
その水で一匹ウルフファングを倒した。
流石水の魔法だと思ったら、もう一匹がパパさんに襲ってきた。
「ぐっ!」
とパパさんは腰にあった剣を抜き、応戦していた。
パパさんは少し魔物に押されている。
「負けないであなた!」
とママさんは応援をしていた。
しかしそれはただの応援ではなかった。
ママさんの周りに魔力があった。
魔法名を唱えなくても使える魔法だと?
ママさんも凄いな結構。
見る限り身体能力上昇の魔法か?
それでパパさんは、
「うおぉぉ!」
と一気に上半身と下半身を二つに分けた。
これで戦闘は終わった。
「ウィータ、父さんたちも凄いだろ。」
と息を切らせながら言った。
少しだけ凄いと感心した。
▲▽▲▽▲
現在四時間経過。
さっき魔物が出て来て以降トラブルも一切無く隣の町に着いた。
早く冒険者学校に行きたい気持ちを押さえて今日は宿屋に泊まって寝ることにした。
次の日。
今日は隣の隣の町まで移動する予定だ。
勿論何事もなく普通に夕方になって着いた。
今日も宿屋に泊まった。
次の日。
今日で冒険者学校があるキ・マラ町に着く。
ちなみに今回も何もなく、のどかだった。
途中で休んだりして、真昼の時にキ・マラ町に着いた。
この町から、俺の新しい人生が始まるとわくわくしていた。
新しい家にまず家財などを整えた後に、俺はパパさんとママさんに夕方までに帰ると言って冒険者学校を見に行った。
冒険者学校は家から五分くらいなので、走ったらすぐ着いた。
冒険者学校は三階建て立った。
そして外には校庭、そして訓練所がある。
どれも始めて見た。
しかし何も出来ないので五分くらいで飽きてしまったので家に帰った。
その後晩御飯を食べて、明日の支度をした。
そして寝床に入った。
明日からは、俺も冒険者学校の一員だ、と期待を胸に弾ませ、意識が夢の中に行った。