ほんとうのきもちにきづくのが遅すぎて《全》
1
窓からはなにもみえない電車揺れ
過去の夢とか 過去の抗い
黄昏のオレンジ色の空気の中で
あなたが瞼を閉じているから。
泣いてないただ眩しくてその顔を
見えずに過ぎゆく街並み暮れゆく。
あたし馬鹿 いまだにあなたがサイコーと
信じているんだ 愛はないのに
見て話すあなたの言葉は冷たいし、
よくわからない、なにを求める?
昔からあそんだときにははっちゃけて
素敵な言葉を連発してたか?
それはあの、昔の好きって感情を
再度掘り起こしてるのだろうか?
風が吹く、今好きっていう想いと言葉は
風の流れの外で死んじゃう?
ああそうか あなたの女になりたいんだと
中学時代から思っていたんだ
ちょっとだけ、気付くことが遅くなり、
あたしはあたしでお気楽さんの目。
よるの闇 ふかい谷底から願う
幸せな夜明けがきてくれることを。
2
酔っぱらいケンカもしたけどいつのまに
女性と同棲したりもした春。
夜を行き、じぶんはサイコーなんだって
叫んでみたきり、月見て寡黙に。
かえりみて、わきまえないバカここにおり、
愚かを知りつつ 嘆く大馬鹿
声にしてなきじゃくるおんなここです
子どもみたいに息さえつけずに
ああ、べつに、あなたにふられたからじゃない
泣いているのは、ね
ええ、だから、嫌いになったわけじゃない
泣いているのは、ね
ええ、あなた。あたしのそれでも好きなあなたが、
あなたが、泣いているから……
から、とか?
よる 闇はふかい
夜明けがこないのではないかと
疑ってしまうほど。
あたしのほんとうの気持ちなんて、
知らなくて、いいのよ。
ほんとうの気持ちにきづくのが遅すぎて
今更どうしよう、取り返しがつかないや。
3
よる 闇の 深さを知って風を切り
夜明けを迎えに走ってみようか?
祟るって、宣言してみただけのこと
言葉の怖さは愛の鞭なの。
どうなんよ?あたしの愛はほんものよ、
この目をみてよ…………うそよ、照れるわ。
暗い方、でもいいけれど悪口を
言われたきになるダメダメ妄想。
大好きよ。ほんのり甘い桃の菓子、
イメージで呼ぶなら、あたしのめろめろ。
夜に来る、鬼でも夜叉でも悪魔でも、
ぜんぶ敵だよ、あたしは違うよ。
『おんなだけ、のめばいくみちいく同盟』
誓ったバカども、いまなら、眩しい。
その同盟、こんやで解散、なんだよね?
ついたよ、あなたの、懐かしい部屋。
あの灯り、あの娘?それとも消し忘れ?
ああ、あめもやんだ、あめもやんだんだ。
見上げると、冷たいつきがするどすぎ
あたしのこころの、とどめを刺しそう。
さいごだけ、むかしをまねて、笑いあう?
ふたりだけで流行った、あのセリフでさ。
わるいんは、うちらやない、
みんな世間がわるいんや
ははは、ほんとやなぁ。
あたしのあなたはわるくない
あなたのあたしもわるくない
ほんとやなぁ、ほんとやなぁ……