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めちゃめちゃ愉快な人助け!   作者: 愉快 夢
1/3

壮大なプロローグ

星柿高校入学式の朝。

現在時刻午前6時30分。

俺は愛しのふかふかベッドで目を覚まし、太陽に顔の付いたいつ見ても気持ち悪い目覚ましを止め、トイレに向かった。


「あー腹いてぇ」


そういえば昨晩、遂に始まる高校生活にテンションが上がりまくり、アドレナリンが出まくり、興奮しまくったせいで結局深夜まで眠れなかったんだった。

そして、眠れないのと喉が乾いたこともあり2Lのコカ・コーラを、いつかの芸人のようにイッキ飲みしたんだったな……。


ーーて、バカか俺は。


いや、バカだな俺は。

自分でも思い返すと笑ってしまうわ。

しかしまぁ、初日から寝不足と腹痛とかーー。


「全く、ついてないよな……俺。まぁ自業自得なんだけど……」


俺は腹を擦りながらも階段を降り、トイレの扉を開いて腰を落とす。


そして1、2分がたった頃ーー。


トン、トン、トンと微かな足音をたてながら、何かがこちらに近づいているのが分かった。

いや、『何かが』などと濁す必要はないな。

なぜならこの家は俺ともう一人とでの二人暮らしなのだから。


ーーガチャ。


突然、閉まっていたはずのトイレの鍵が開いた。


「しまった……! 俺としたことが珍しく油断していた……!」


俺は反射的に勢いよくドアノブを掴み、血迷ったように扉を引いた。

そう、なんとこの家には特に意味などないが『ただただトイレの鍵を超能力的なめちゃすごパワーで器用に開け、扉を開く』という頭の狂ったキチガイ幽霊がいるのだ。


ーーと、いうのはさすがに嘘なんだが。

俺は呆れとめんどくさいの2つの感情が混じった声でその正体の名前を言う。


「もう……お姉ちゃん!」


前文の通り、その正体とは我が義姉である。

どうしようもなくイタズラ好きで、どうしようもなくストレスの原因で、でも、だけど、どうしようもなく優しくて両親のいない俺をいつも大切に思ってくれている。

そんな、俺の大好きなお姉ちゃん。


正体は普通の姉、というかなり面白味の欠けるオチではあったが許してもらいたい。

まぁ、どう考えてこの姉は普通じゃないんだが。


ちなみに、すでにお気づきだろうがトイレの鍵を器用に開けて扉を開かれるというのはなにも今回が初めてではない。


ーーというか、54回目だ。


なぜここまで正確に覚えているのかといえば、あまりにも刺激が強すぎるからである。

トイレという世界一落ち着けるであろうプライベートゾーンで、突然予想外の出来事が起こった場合、すごく強烈に記憶される。

まるで、偶然道端で千円札を見つけてしまったぐらいに刺激的すぎる。

てな感じで俺(光道愉快)は羞恥の朝を迎えたのだった。










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