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銀とチョーク

作者: 水上 遥

百年前の砂漠で折れたサボテンの

涙が作った川が誰かを救うなんてさ、こともあったりして

海底の忘れらたような帆船の

奥で眠る、骸骨が愛した人も、もう死んでるさ


生き残ったのが、絶滅危惧種のあの木だって

その気持ちを知ってる人は、もう居ないさ


孤独な人の、涙が滲んだ日記帳も

1000年経てば、ただの砂に変わるだけなんだから

空に響いた、あの王様の最後の声も

誰かの吐いた、二酸化炭素に変わってしまったさ


午後の日差し

揺れる緑の大行列の庭

その中で

泣いて居た、女の子


魔法みたいに

フィルムの中に閉じ込めたってさ

そのそれも

何かしらで説明されて

分解されて

つまんない理由にされちゃうんだろ

もう、どこにも無いんだってさ

ただの化学反応だってさ

時間なんて、無意味なんだろ

「早く、大人になりなさい」なんてさ


割れた苺のジャムの瓶

明日には地面に還ってるさ

その記憶だって

僕が死ねば灰になるだけさ


百年前の砂漠で折れたサボテンの

涙が作った川が誰かを救うなんてさ、こともあったりして

なんかそんなことが

あって欲しいだけさ


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