第1話 料亭に行こう!(1)
〜瑠斗視点〜
「お腹空いたんだけど」
急に璃紗さんが言った。
「じゃ、どっかの料亭行きます〜??」
暇なので料亭に行こう。
僕はカバンに無造作に200万ほど入れた。
ま、これで足りんじゃない?
〜料亭〜
「すみませんお客様!!!紀奈紅様がどうしてもこのお部屋をお借りしたいとの事で・・・・」
ハ?何言ってるんだよ?
「何言ってるのよ貴方。私達は予約していたのよ?」
璃紗さんのいう通りだ。
「す、すみません!!!私どもの手違いで・・・」
「何を言っているのかしら。まあ、美人な人。いっしょにお食事されませんか?」
ん?だれだこの小学生ご一行。
つか、璃紗さんをほめたら・・・
「あ〜ら可愛いわ。こんな妹が欲しかったのよ。お姉さまっていってよぉ〜」
璃紗さんをほめると変態オヤジ化してしまう。
だからほめないで欲しかった・・・
「いいですよ。お姉さま。一緒に食べましょ。」
「ええ〜。あらそちらの二人の男の子達も可愛いわね〜。」
む。僕の方が・・って僕、何思っちゃってるんだ。まるで僕が璃紗さんのことを・・・
〜紀奈紅目線〜
「今日、サボって違うところでご飯食べない?きなちゃん♪」
…それっていけないんじゃ…。
舜斗が行くなら行くけど。
「舜斗も行く?」
「う〜ん、今日の給食、嫌いだし…行くか!」
「やったー!」
雪ちゃんがピョンピョン走り回ってる。
舜斗が行くならいいか…。
私は、携帯を出す。
〈プルルルル〉
「ガチャ…はい、鹿王院です」
「じぃや?今日、あそこに食事しに行きますよ?」
「はい、今すぐ手配いたします」
〈プープープー〉
私は、携帯をとじる。
「行こ」
雪ちゃんと、舜斗は同時に答えた。
「「どこに??」」
私は、口に指を当てて、
「秘密!」
と言った。
―料亭―
「いってらっしゃいませ、お嬢様」
私と雪ちゃんと舜斗は、車から降りる。
「すげー!こんな所初めて来た!」
「僕は、何回も来たことあるけどね♪」
「どういうことですの?あの部屋がとれないなんて!私、あそこで食べたいんですの!」
舜斗が来てるんだもの…。
やっぱり、最高級のあの部屋じゃないと…。
「申し訳ありません…紀奈紅様…」
「知りませんっ!契約を止めさしていただくわよ!」
「わぁ〜…紀奈紅、性格変わってるよ…」
「きなちゃん、以外にSだからね。舜斗の前ではMだけど」
「え?なんか言った?」
「何も♪」
舜斗と雪ちゃんがゴチャゴチャ言ってるけど気にしない。
「と・に・か・く、私はあそこの部屋がいいんです!」
仲居さんが、うろたえる。
「ちょ…ちょっとお待ち下さい…」
もう、嫌!
「紀奈紅…」
「私達は予約していたのよ!?」
ん?だれの声?
わぁ…きれいな人…。
「何を言ってるのかしら?まぁ。綺麗な人。一緒にお食事しません?」
すると、その人は、ピョーンと飛び上がった。
な…何???
〜瑠斗視点〜
な、何が起こってんだよ?
あ、てかさ・・・
「ここ・・・俺の親父の経営してるとこのひとつなんだけど・・」
「ええ〜〜!!!なんでもっと早くきづかなかったの?」
だって今きづいたんだもん。
「お、お坊ちゃま!?すみません。私まだ新人なもんで気づきませんでした!!」
いや・・いいんだけどさ・・・自分で新人って言うなよ・・。
「むかっと来ましたわ。もうこの料亭は売り払います!!!!瑠斗、文句ありませんね!?」
おいおい・・・ま、いいんだけどさ・・・
「もしもし、お父様?いいですわね?・・・ええ。むう・・・分かりましたわ。」
なんか、ケータイで電話報告してるようだけど・・・
「ふう・・・もう売り払う予定が付いていたそうなの・・・」
さすが変人親子。
あ、ちなみに親は俺の親ね。
「なあ、この人達・・・ぜったい普通の人じゃないよね・・・・」
その言葉に全員がうなずいたのは間違いない。
そんな事にも気づいてない瑠斗達は・・・
「新人ちゃん!トリュフチョコと鱶鰭とマロングラッセ持ってきて〜」
「璃紗さん・・・それ8割が定番のおやつじゃないですか・・」
なんていってるし・。
「いや定番じゃないから」
なんてつっこみはどこから?・・・・
〜雪ちゃん視点〜
「じゃあ、僕はきなちゃんと同じの!」
僕は、きなちゃんと同じのを頼んだ。
だって、きなちゃんのことが好きなんだもの…。
「いいよ。雪ちゃん!」
きなちゃんが、ニコッと笑って言う。
可愛い…。
キスしたいぐらい。
舜斗は、いいよなきなちゃんに好かれてて。
「じゃあ、どれにする?」
きなちゃんが、僕にソッと寄り掛けてくる。
わわわわわわ!恥ずかしいよ!
でも…襲いたい…♪
「あらあら、あの子真っ赤よ。可愛いわね〜」
一緒になった綺麗な女の人が言う。
あれ…?この人どっかで見たような…。
気のせい…?
「…っちゃん…雪ちゃん!」
「はい!?」
僕は、きなちゃんに返事する。
「どれにするの??」
僕達の唇と唇が近い…。
不用心だなぁ、きなちゃんは。
可愛いんだから、用心しないといけないでしょ?
「う〜んと…じゃあ、コレ!」
僕は、でたらめに指す。
きなちゃんと一緒なら何でもいいんだ♪
「オレもそれで」
舜斗が言う。
チッ!