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ダメージの所存

 嫌われるのが嫌いなんだ。嫌いなのか? 苦手なのか? 慣れていないのか? 誰かを不快にさせるのが嫌なのか? 今まで中の良かった人が手の平を返したり、じわじわだったり、ついに好意から嫌悪に変わるのが、どうにも心にずしんと来るのです。頭は靄がかかります。夏の湿気た空気が肌にべた付いて動きにくい。脳の回転さえも動きにくい。ただただ、ぼーっと過ごすのです。

 嫌いならはっきり嫌いだと言ってくれ、なんとか修正するから。もうなあなあな関係はいいじゃないか。はっきり言われたら言われたで、まあまた落ち込むのだろうけど。

 

 ダメージは受けたか? 衝撃はちゃんと受け止めたか? いや、そう言われると、何もダメージを受けた感触がない。ただ、目に見えた、あるいは推測の世界を、ただ見ただけだ。そう、それから、何も考えられなくなっちゃって。頭のスイッチをオフにして、心と頭を繋ぐ回路も封鎖して、そこから何も遣り取りが出来ていないのです。だから、本来なら思いっきり心に喰らうはずのダメージもどこにあるのか分かりやしない。

 喰らえば良かったのかもしれない。真正面から。クッションを構えて、ボディーブローを喰らうように。クッション無しでもいい。身体に直接衝撃を感じれば良かった。その時は、それはきっと痛いだろう。「痛いだろう」推測だ。私は痛みも忘れてしまったようだ。

 痛くても、しっかり受け止めれば何か違ったかもしれない。こちらも忘れてしまった。

それでも、今のようにただ茫然とした状態ではなかったと思う。昔はちゃんと痛がっていた。心がちゃんと痛かった。抱えきれない痛みも沢山あったけど。

 そうなんだ。私は、今自分が何をを感じているかわからない。わからなくしている。一種の防衛本能の結果なのだろうか。もういっそ、泣けばいいのに。泣きつけば良いのに。最近泣いたじゃないか。その時は自分に刃を向けて。



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