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何年か後の気持ち
そのとき秘かに直感した。
彼はわたしの世界を少しずつ
少しずつ変えていくだろうと。
その少しずつが大きくなって、
やがて彼はわたしの世界まるごと
変えてしまう。
19歳。
もう子どもではいられないことを
わたしは多分知っていた。
21歳。
大人という枠組みを
きっと彼は受け入れながらも放棄していた。
でも、いま思うと
彼は誰よりも苦しい逆境の中で
いまの今まで生きてきたんだね。
奇妙な始まり
そんな共同生活。
路地裏ではなにかが起きている。