第3話 初陣
マーセは戦場に向かっている途中、ケルベスにこう言った。
「傭兵になるって提案に軽々しくイエス出しちゃったけど、1つ条件があるわ。」
「なんだよ、後出しジャンケンか?」
ケルベスはいかにもズルいぞと思っている顔をしてマーセを見た。
「別にあなたが不利になる条件では無いわ。」
マーセは話を続ける。
「私は人を絶対に殺したくない。たとえこの人が敵でもよ、だって誰にも家族や大切な人達がいるもん。」
マーセは1年前の悲劇を経験したからこそ、敵も味方も関係なく自分と同じ思いを絶対にさせたくないと思っていた。
「そうか、だけど殺さずにどうやって勝つっていうんだ?」
「あなた、あの時弾丸は百発百中って言ったわよね?なら敵が持っている武器を狙って壊してくれない?」
「なーんだ、それならお安い御用さ。オレ達で血塗られない戦争を目指そうぜ!」
そんな事を話している内に、2人は戦場に着いた。
まだ戦争は始まったばかりでそんなに悪化していなく、死人も出ていないようだ。
「すみません!私達も協力します!」
マーセは近くにいる兵士に話しかけた。
「いきなりなんだい君たちは!ここは戦場だぞ!早く逃げなさい!」
18歳の少女と何も武器を持っていない男に逃げるように警告するのは当然である。
「まぁまぁそんな怒んなって、見てろ。」
そう言うとケルベスは人間の姿からアサルトライフに変身した。
「な、なんだこいつ?!」
兵士はケルベスが変身するやいなや、驚いて逃げてしまった…
「ちぇー、見てろって言ったのによぉ。」
「さすがに逃げるのも無理ないわよ、だって人間が銃になるって普通ありえないんだし。」
そういいながら1人と1丁は敵軍に近づいていった。
「あそこに敵がいるぞ!ってあれ?」
敵軍の1人の男がマーセの存在に気づいたようだ、しかし少女が銃を背負って戦場にいる姿に目を疑い困惑している様子だ。
「おいマーセ、あそこに戸惑っている奴がいるぜ、まずあいつからやるか。」
戸惑っている今がチャンス、マーセは銃口を男が持っている銃に向ける。
「え?!俺に向かって銃口を向けてるのか?!」
まだ困惑している男は銃口をマーセに向けたが少し遅かったようで、男が持っていた銃はマーセに破壊された。
「やった!当たった!あんたすごいのね!」
「へへー!すげぇだろ?」
「え…?俺じゃなくて銃を撃って破壊したのか…?なんていうエイム力なんだ?!この少女!」
そう言うと男は一目散に逃げていった。
引き続きマーセは敵軍の武器をどんどん破壊していき、1人の少女がこの戦場で暴れ回っているという情報は瞬く間に戦場全域に広まった。
「どうする?さすがに戦車を破壊するのは厳しいわよ?」
物陰に隠れいてたマーセの遠くに戦車が見えた。さすがにアサルトライフルで戦車を破壊するのは無理がある。
「戦車か…ちょっと待っててくれ。」
アサルトライフルが効かないなら効く武器に変身するだけだ。そう言うとケルベスは対物ライフルに変身した。
「かっこいいじゃない、じゃあ早速砲身撃ち抜いちゃうわよ!」
マーセはスコープを覗き戦車に照準を合わせた。
「別にオレが当てるんだから覗く必要ないんじゃねぇか?」
「あなたロマンって知らないの?こういう雰囲気は重要よ。」
「変なこだわりあるんだな…全く、人間って不思議だぜ。」
戦場とは思えないマイペースな会話をしながら、マーセはライフルのトリガー引いた。
ドーン!
戦車の砲身は破壊され、中に乗っている敵兵が慌てて逃げ出した。
「戦車まで破壊されただと?!さすがにこれ以上戦っても勝ち目は無い!撤退だ!」
どうやら1人の少女に戦車まで破壊されるとは流石に想定外だったらしく、敵軍は撤退を余儀なくされた。
「やったぁ!私達勝ったわよ!」
「よっしゃあ!オレ達最高のコンビじゃねぇか!」
2人は喜びを噛み締めながら国内に戻って行った。




