表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第2話 「ディアボロイド」

1991年世界は核戦争の脅威から解放された。だが表の世界では平和になったとはいえ、裏では遥か昔から続く人間と闇の者達の闘争が激化していた。


バーミンガムの郊外にある森の中にひっそりと佇む屋敷、その場所は代々続くヘルシング一族の住まいだった。そして今日も少女はモーニングコーヒーを新聞を読みながら飲んでいた。


「ピカデリーの死傷者は約72名犯人達の目的や正体は非公開か。」屋敷の主であるエルザが溜息混じりに言った。つい先日起こった事件無差別に行われた虐殺により多くの人が犠牲になった。だがこれはまだ少ない方だと彼女は自分に言い聞かせた。


「おはよう御座いますエルザ様」シャツに短パン姿のラフな格好をした寝起きのドナが現れた。


「おはようドナ、コーヒー飲む?」エルザに促されドナはコーヒーの入ったカップを受け取る。


「エルザ様余りお気になさらないでください、私達が来た頃には既に手遅れな事が多いので」


「そうね、でもやっぱり割り切れない部分もあるわね」エルザは少し顔を曇らせながらコーヒーを飲む。


「エルザ様朝食をお持ちしました」テラスの扉を開けながらもう1人の従者であるレイスが現れた。彼女は普段と同じくダークブルーのスーツを着こなし朝からキッチリとしていた。


「ありがとうレイス貴方も座ってコーヒーでも飲まない?」エルザが言うとレイスも「御言葉に甘えて」と言って席に着く。3人は鳥の声を聴きながら過ごしていた。


「そう言えばアリシアはどうしたの?」


「恐らく何時もの場所かと」


「あの人も朝から凄いですよね」


3人共口々に言った。


ヘルシング邸の地下2階には修練場と呼ばれる場所があった、その場所で多くの狩人達が戦いの経験を積んできていた。そして現在白髪の女性が一人佇んでいた。服装は黒のノースリーブのシャツに黒のレザーズボン、腰にはホルスターを付けておりそこに50口径の大型拳銃2丁、そして背中には中世の物と思われる細身のクレイモアを背負っていた。


「スタート」彼女が一言告げると天井から人型の化物が降ってきた、直ぐ様化物は彼女の露出した肩に食らい付こうとする。だがすかさずアリシアは拳銃を抜くと眉間目掛けて撃つ。弾丸は命中し化物は砂にはなり消える。


「1ダウン」彼女が言うと直ぐに壁が上がり今度は3体の同じ化物が現れる。彼女は冷静にもう片方の拳銃を抜き撃つ。全弾命中し砂に変わる。「3ダウン」


そして最後に床が開き中から3メートル程ある巨漢の化物が現れた。アリシアが銃を撃つが化物は構わず突進する。アリシアは直ぐに銃をホルスターに納めると横跳びで突進を避ける。化物はそのまま壁に激突するその際部屋が揺れその威力の規模を見せつける。


アリシアは背中の剣を抜き構える化物は直ぐに向き直り直ぐに突進してくる、アリシアはそのまま走っていき衝突する寸前で化物の股を潜りその際に化物の足を切り飛ばした。化物は絶叫しのたうち回るそしてすかさずアリシアは化物の上に乗り首を突き刺した。化物は血を吹き出しながら砂に変わった。


「ターゲットダウン、オールクリア」アリシアが言うと部屋の照明がつき明るくなる、立ち上がると後ろの方から拍手が聴こえてきた。


「お疲れ様流石は私の狩人ね」見るとレイスとドナを連れたエルザが入り口で待っていた。


「エルザか相変わらず君は可憐で愛らしいな」アリシアの挨拶にエルザも満更でもない様子で答える。


「相変わらず貴方はロマンチストなのね」エルザがタオルを渡しアリシアが汗と返り血を拭く。


「シャワーの準備なら出来ていますよ」


「後朝食もありますよ」


レイスとドナがそれぞれ言ってアリシアは笑顔で「何時もありがとう二人共」と言って修練場をあとにする。


「本当にあの人ってズルいですよね」


「あんな顔で言われたら私」


二人の様子を見てエルザが笑う。


「駄目よアリシアは私の家族だから勿論貴方達も一緒よ」エルザの言葉を聴き二人は顔を見合わせながら「「ありがたき幸せです!」」そう言ってエルザの手を取り合い修練場を後にした。


「これが昨日の連中の持ち物から見つかった物だ」


アリシアがテーブルの上に金属の塊を置く、形状は細長く全長は10センチほどの円筒状の物だった。


「これは注射器ね、最近出回っている例のものかしら」エルザが手に取り調べる。


「はい、中身を調べた所闇の者の血が検出されました。」レイスがファイルから写真を出す。そこにはマウスが写っており1枚目は普通の状態2枚目は苦しそうにぐったりとしている様子、そして3枚目は牙が生え揃い狂犬病の様に目を赤くしたマウスが写っていた。


「試しに実験した所10分程で変異しました。」レイスの報告を受けエルザが注射器を自分の腕に打つ。


「エルザ様!なんて事を!」


「直ぐに腕を切り落とさないと!」


ドナとレイスが慌てふためくそれもその筈でエルザの腕が徐々に赤黒く変色していく、だが侵食は腕の付け根あたりで治まり直ぐに変色していた腕が戻っていた。


「大丈夫よ私には効かないのだって既に流れているから」エルザはアリシアに目線を送りながら言った。


「心臓に悪いから止めてくださいよ!」


「エルザ様のイタズラにしては度が過ぎていますよ!」二人の説教にエルザが手を合わせて謝る。


「それでこれが街中で撮られた売人と思わしき人物です」ドナが出した写真には黒いフードを被った男が写っていた、その手には目の前のと同じ注射器があった。


「これが今出回っているディアボロイドの売人か」


エルザが怒りを滲ませた表情で言った。


「こんな粗悪品で私の故郷を汚しているのか薄汚い屑共め!」エルザの言う通り今この国ではある薬が出回っていた。名をディアボロイド使用者を今回の事件の様な化物に変える薬だった。その原材料の中には闇の者達の血が混ぜられていた、政府はこの状態を国家存亡の危機にあると判断し早急に売人の撲滅とその裏に居る組織を滅ぼす事を決めた。そしてその任務をクラージマン•ハウンズに託したのだった。


「3人共今夜は忙しくなるぞ」エルザの言葉に3人が反応する。


「何処へでもお供しますよ」


「エルザ様にだったら付いていきます」


「私は君の銃だよエルザ、君はただ引き金を引けばいい」


こうしてクラージマン•ハウンズのメンバー達は現場に向かう事にした。


第2話 完 第3話に続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ