82. 初めての仲間
第一章のクライマックスです。
どうぞよろしくお願いいたします。
決断を迫られたカテリーナは、咄嗟に女神に祈り、問いかけていた。
――女神さまっ!
私は、どうすればいいのですか!?
どうか……どうか、私をお導きくださいっ!!
その瞬間だった。
世界から音が消え、カテリーナは時間の流れが緩やかになったように感じた。
――仲間を、信じなさい。
そして、何をすべきか、自ら考えなさい。
――確かに聞こえた! 耳ではなく、心の内側からっ!
……女神さま、ありがとうございます!
それは五感で感じとれるものではなかったが、明らかに自分のものではない『言葉』が、心に直接届いていた。
「ごめん、ニコ! 私が戻るまで、何とか耐えてっ!」
「――うむッ!! 任されたぁぁぁっ!!」
――ガシィィーーーンッ!!
ニコポリテスの返答と同時に、金属と金属が激突する、鈍く重い衝撃音が闘技場に響き渡った。
その一撃は明らかにカテリーナを狙ったものだった。
しかしニコポリテスは、盾と分厚い装甲を巧みに使い、彼女に届かぬよう正面から魔人の剣を受け止めていた。
そして、そのまま盾と腕の装甲で、魔人の剣をガッチリと挟み込んだ。
「今だぁ!! 行ッけぇぇぇぇッ!!!」
その叫びと同時に、カテリーナは走り出した。
そして、そのニコの想いを感じ取り、彼女は振り返らず、ただ一直線に走り続けた。
「グァオオオオオオオッ!!!」
魔人が怒りの咆哮を上げた。
――お兄さまのところへ行って、剣を受け取るしかないっ!
カテリーナは、従者が自分の剣を預かっていることを思い出していた。
そして、惨劇が起きた観客席では、治癒の神聖魔法が光り続けている。
――お兄さまは、絶対にあそこだっ!
そう思った、次の瞬間だった。
――ガンッ!
魔人がニコポリテスを蹴り倒し、拘束されていた剣を強引に引き抜いていた。
そして、魔人はカテリーナめがけて、猛スピードで突進した。
「まずいっ!!」
倒されたままニコポリテスが叫ぶ。
――ヒュッ!!
魔人が横に振った剣が、カテリーナの首へ、あと数センチで届く――
――カキーンッ!
魔人の剣先が、剣の打撃によって逸らされた。
「ふぅ、間に合ったな!」
「ウガーッ!」
攻撃が阻止され、魔人はその剣の持ち主へ、怒りの表情を向けた。
「我が妻を傷つける者は、断じて許さんっ!」
カテリーナが走りながら振り返ると、そこには魔人の剣を跳ね上げて立つ、セバスティアノスの姿が映っていた。
「セブッ!?」
「カティ、遅くなってすまない、剣を取りにいっていたんだ!
……君も剣を取りに行くつもりなら、ここは任せろっ!」
「あ、ありがとう、セブ!」
カテリーナは度重なる危機を救ってくれた仲間たちに心から感謝していた。
それはそれは、家の外で信じられる、初めての仲間でもあった。
小説を書くのが初めてです。
どんな内容でもよいので、感想をいただけると執筆の励みにもなりますし、本当に嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m





