21. 秘策
「ちょうどいい検証相手ができたね、カテリーナ」
「ちょ、ちょっと、待ってください、お兄さま。キリロスはやる気満々になって行ってしまうし……。彼はまだ若いですけど、強いと評判ですよね?」
「うん、身長もあるし、騎士に向いているよい身体をしているね」
「だったら……」
「だったら……勝てないと?」
「あ、いや、その……」
「大丈夫だよ、カテリーナ。心配しないで。君は絶対強くなるから!」
「ありがとうございます。でも防御の型の練習もまだなのに……」
「それは大丈夫。筋肉がある程度ついてきたから、たぶん防御の練習は1ヵ月くらいで終わると思うよ」
「そうなんですね、お兄さま(あの地獄の訓練が、あと1ヵ月もあるんですね……)」
カテリーナはやや引きつった笑顔で答えた。
そのような表情に気付いたのか、気付いていないのかは分からないが、アレクシオスも笑顔で答えた。
「さて、ここからが本番だよ。カテリーナに向いている剣術を極めてもらう。試験対策も兼ねて、大学の実技試験では第1位を獲る!」
――えっ、聞き間違いかしら? 対戦実技で1位???
「ではまず、対戦実技試験の概要を説明するね。この試験は20名以上いる試験官の内、3人の試験官と模擬戦を行う。この模擬戦は、あくまで受験生の実力を見るためのもので、勝利は求められない」
――フムフム、必ずしも勝たなくていいわけね
「そこで、カテリーナには、まず全員に全勝してもらう。まあ、正直、当たり外れはあるんだけどね」
――はいっ??? またもや聞き間違い? 試験官といえば、それなりの騎士の方のはずでは?
「そして、宮廷大学伝統の、騎士選抜試験受験者トーナメントで優勝して、みんなの度肝を抜いて合格する!」
「ええぇぇぇっ?」
「ふふっ、ビックリしているねカテリーナ。だけど安心して。そのために僕がいるのだから」
カテリーナは戸惑っていたが、アレクシオスは言葉を続けた。
「ちゃんと秘策がある。そのために有利となる条件が2つあるんだけど、カテリーナはその2つとも持っているんだ」
「……あ、いや、お兄さまの教えを疑っている訳ではないのですが、私がその…………お兄さまの期待に答えられる自信が、全く無いのです」
「大丈夫だよ、カテリーナ。残りの時間は、ほぼこの対戦訓練に充てるから。ではまず、その秘策の説明をするね。それは……」
兄、アレクシオスは、カテリーナに対戦のための秘策を話し始めた。
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