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16. 宮廷大学で学びたい!

「ただいま、カテリーナ。相変わらず、今日もお前は可愛いな♡」


「おかえりなさいませ、アレクお兄さま。

 あの、私の将来について相談があるのですけれど・・・」


「っ!?」



いつもは引いて待つ性格のカテリーナが、帰ってくるなりすぐに相談を始めたため、アレクシオスは動揺した。



「ま、まさか、良い人でも出来たのではありゅ、あるまいなっ。だ、だめだぞ、そんなのわっ!」



他の人には誰にも見せたことがない、挙動不審な兄の姿が、カテリーナには少し可愛く思えた。



「ははは、まさか。私を正妻として迎えたいという貴族なんておりませんよ。

 仮にいたとしても、そのご両親が、絶対に許しはしないでしょう」


「それでは・・・、あっ、まさか神殿に入るなんていうのもダメだぞ。いやダメではないのか・・・? いや、いや、いや、やっぱりダメだ。とにかくダメなんだ!」



きちんと理由を説明できないまま、とにかく力強く反対だけはするアレクシオスだった。



「・・・以前より、お兄さまは、私にたくさんの本をプレゼントしてくれましたよね」


「うん。カテリーナはただ可愛いだけでなく、凄く凄く可愛いくて、頭がよく勉強熱心でもあったからね」


「・・・・・・。」



カテリーナは強調しすぎる褒め言葉に、思わず沈黙した。



「・・・コホン。

 私は昔、魔法で失敗してからというもの、すべてにおいて自信を失っておりました。私には何もできないのだと・・・。

 そのため、私は神々に祈ることくらいしかできないと思っていたのですが、たくさんの本を読んでいくうちに、視野も広がり、世の中のことが少しずつ分かるようになったのです」



アレクシオスは首を縦に振り、「うんうん」とうなずいた。



「私の将来を考えたときに、私にも何かできる事はないかと考えていたのですが、昨日やっとそれが見つかったのです。」



「うん、それは?」



「私は将来、王宮に入り、文官のお仕事をしてみたいのです」



アレクシオスは、少し驚いたような表情になり、目を見開いた。



「・・・それはつまり、侍女ではなく、文官として働きたいということなんだね?」


「はい」


「・・・賢いカテリーナなら知っていると思うけど、文官になるためには、まずは、騎士か魔導師の資格が必要だよ」


「はい、存じております」


「ということは、魔導師ではなく、騎士になる道へ進みたいということだね?」


「はい」


「騎士への道は、男性中心の社会だから、女性が進むには、かなり厳しい環境だよ?」


「はい。承知しております。しかし、お母さまも、その厳しい環境を乗り越えてこられましたよね?」


「あぁ、そうだね。・・・うーん、でも、まぁ・・・母上は、騎士の中でも最初から突き抜けた存在だったらしいから、あまり参考にはならないかもしれないよ」


「でも・・・、私は・・・私は・・・・・・・、私も、お母さまや、お父さまや、お兄さまみたいに、大学に行って、たくさんのことを学びたいのです!」


「ということは、宮廷大学に行きたいんだね?」


「はい、お願いします! お兄さま!」



強い決意を持ったカテリーナの目をしばらく眺めたあと、アレクシオスの顔が、きりりと引き締まった。



「カテリーナは本気なんだね。・・・分かった。僕もカテリーナのためにできることを、精一杯やらせてもらうよ」


「本当ですか!? ありがとうございます、アレクお兄さま! 大好きっ!!」


その言葉を聞いたアレクシオスは、顔が真っ赤になり、嬉しさに満ちた顔が見られないようにするため、思わず顔をそむけてしまうのだった。


小説を書くのが初めてのため、感想をいただけると、本当に本当にありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

m(_ _)m

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