表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/16

15. 進路を考える

(そうよ文官よ! 文官のお仕事よ! お父さまがそうだったじゃない!)



カテリーナの父、ネフィリオスは、騎士としての実力はイマイチだったが、文官としての仕事ぶりは評価されており、それもあって、母、アナスタシアの目に留まったのだ。



(お父さまは騎士の資格を得て、最初は王家の家臣になられたのよね。

 文官になるためには、まずは、騎士や魔導師の資格が必要だったはず・・・)



カリスティア王国では、上級官吏になるためには、爵位が必要不可欠になっていた。

なぜなら、職務上とはいえ、貴族に命令できる者は、同じ貴族でなければならないという不文律があったためだ。


そのために、騎士や魔導師の資格を得た称号として、勲爵士くんしゃくしというものがある。

騎士か魔導師として叙任されれば、勲爵士くんしゃくしという爵位が与えられ、最下級ではあるものの、貴族の一員となる。

つまり、平民でも騎士や魔導師の資格さえ取れれば、一代限りではあるものの、爵位を得て上級官吏(かんり)になる資格が得られるのだ。


また、貴族出身で爵位を持っている者でも、男性は騎士か魔導師として叙任されないと、カリスティア王国内では恥とされていた。

ただ、爵位を受け継いだだけでは、他人を指揮する資格がなく、一人前の成人としては、認められなかったのである。


そのために、勲爵士くんしゃくしの称号は、文官を目指す者にとっても、事実上、必要不可欠なものとなっていた。



カテリーナは自宅の図書室に行き、法律や規定について書かれている本や書類を集めた。

そして、これらをテーブルに広げ、本のページをめくり始めた。



「えーと・・・、勲爵士くんしゃくしに叙任されるためには・・・・・」



「3種類の方法があるみたいね。1つ目は王による叙任。功績のあった方に、王様から特別に叙任される場合があるみたい。まず、これは除外ね」



「次は・・・見習い騎士ね。騎士や魔導師の弟子となり、2年程度住み込みで仕えながら、騎士や魔導師の何たるかを学ぶ。そして、その推挙により、王から叙任を受ける・・・か」


「うわぁ〜これは、正直大変そう。また、古風な方法だから、今は弟子入りの方法を選ぶ人は少ないみたい・・・」



「最後は・・・学校ね。騎士養成学校、魔導師養成学校、または、国内の大学のいずれかを卒業し、騎士または魔導師としての力量を認められた者・・・・・これね!」



「・・・でも、どの学校が良いのかしら?」



カテリーナは本棚に向かい、今度はそれぞれの学校について記載されている本などを探し、再び調べ始めた。




   ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇




二時間程過ぎ、カテリーナは進路について、さまざまな事を知ることができた。


・養成学校と大学では、教える内容にかなりの違いがあり、もし文官を目指すなら、大学へ進んだ方が絶対に良いということ。


・ただし大学は3つしかなく、定員もあり、大学ごとに異なる選抜試験があるということ。


・その中でも、カリスティア王立宮廷大学は、騎士実技試験、魔術実技試験のほか、筆記試験の科目が多く、神学、騎士学、魔法学、言語学、数学、地理学、歴史学の中から5科目を選択して受けられるということ。



「・・・恐らく私は、魔術実技試験は0点ね。騎士実技試験も厳しいかも。あとは、筆記試験で点数を稼ぐしかないわね。

 そうなると、ケイアポリス大学とアレクセイア大学は、筆記試験の科目が2科目しかないから、挽回が難しいわ・・・」



「いや、それよりも・・・・・私も、お母さま、お父さま、お兄さまが学んできた大学に行って、いろいろことを学んでみたい!」



カテリーナは、本を通じて生まれた知識欲や好奇心から、純粋に「学びたい」という気持ちが、心の中にあふれてくるのを感じていた。



(明日、お兄様が帰って来られるから、早速、相談してみましょう!)



カテリーナは、家を出ると決断したその日の内に、新たな目標に対し、すでにワクワクした気持ちの方が上回るようになっていた。


小説を書くのが初めてです。

感想をいただけると、本当にありがたいです。

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ