プロローグ
むかしむかし、まだ人と妖精が一緒に暮らしていた頃のお話です。
妖精は人が使えない色んな力が使えたのでそれで人を助けて、人は体が大きくて力が強かったのでそれで妖精を助けていました。
妖精と人は種族が違うので時々意見が食い違ってしまうときもありますが、仲良く暮らしていました。
このままでは何も起こらないので少し変わったことをお話しましょう。
実はある時、人と妖精が知恵を出しあって歯車をかみ合わせて作業を自動化してくれるきかいというものを作りました。
それのおかげで人と妖精たちはもう毎日朝から晩まで働く必要がないのだと考え、彼らは一緒に喜びました。
~それから5年後~
ここはある小さな町のある妖精のおうち、そう今回の主人公のラッピー君のおうちです。ラッピー君
は生まれてからずっとこの町で暮らしてきました。
町の人たちは皆優しくて、ラッピー君はこの町のことが大好きです。
しかしラッピー君には最近気がかりなことがあります。少し前にできたこうじょうとういものから出てきている雲が空を覆っているので、いつも天気は曇りなのです!
それだけならいいのですが、なんだか町の人の顔も天気と同じように曇っているように見えるのです。
曇りの天気が続く前の町の人たちは晴れの日でも雨の日でも晴れた表情をしていたのですが、最近はその顔が全然見えません。ラッピー君は元気のない町の人たちを見てこうぼやきました。
「あのこうじょうっていう曇り装置ができてからずっと同じ天気だなぁ。なんでこの町にわざわざ建てたんだろうなぁ。」
ラッピー君にはこうじょうが何をしているところかはよくわかりませんが、それができてからずっと曇りになって、そこに朝の7時から入って夜の9時に一斉に出てくる人たちがいることはわかります。しかもその人たちの顔はいつも疲れているのです。
そこでラッピー君はこう考えました。
「こんなに長い間そこにいるってことは皆そこが楽しすぎて出たくなくなるんだ!いいなぁ…
そうだ!僕も明日そこに行ってみよう!」
~続く~