二話 現れた究極正者!(悟編)
@悟視点@
くくくくく。ついにきたぞ。正月に闇の世界に行ってからずっと練っていた計画を実行するときだ。そう、名づけて帝国の武器を高値で売りさばく作戦ー!これで更なる大金持ちだぜ!
〔なあなあ。面白そうだからアドバイスはしてやったけどさ。まだ宝くじの金がたんまりあるだろ?今更、武器を売ったくらいの金なんて手に入れる意味ないんじゃ?〕
甘いな、ボケ役。金は増やさなきゃ減る一方だろ?そして金は多いほどいいわけだろ?ならその辺の小銭だろうが帝国の財源だろうが貰える物はいただく!それが主人公の特権だからな!
〔……いや、別に帝国の物資は主人公じゃなくても奪えるけど〕
ふふん、ルール上奪えるか実際に奪えるかは腕次第だろう?そして実力は俺。大丈夫だろうさ、きっと。それよりも売値の予想のほうこそ大丈夫なんだろうな?
〔帝国城の保管庫にある武器だけだよな?大よそ三千万セル前後だ〕
ふーん。やっぱり何十億とかじゃないんだな。
〔そりゃなあ。武器使うかどうかなんて特殊能力者次第だからさ。俺としては猫の手でも借りて、城ごと奪うほうがロマンがあっていいと思うぜ〕
いいやダメだ!あの盗人猫は全部独り占めするからな!それに俺は闇の世界で学んだんだ。他人の武器を売って困らせる楽しさを!
〔ああ。ツッコミ役さー、闇の世界の行ってからその調子だけどまだ大丈夫そう?〕
まだってなんだよ?まあでも調子はパワーがたまってる感じかな?不調ってことはまずないなあ!で、心当たりでもあるのか?
〔一時的にパワーアップしてるな。だからさっさと帝国に乗り込んだほうがいいぞ〕
そっか。よしじゃあ行ってみるか!
ううぅむ、こいつはまずいな。俺は宝を置いておくために、アミュリー神社の近くに小さい広場と進入禁止の立て札を作っていた。そして確かに昨日作り上げたはずだ!
なのに、まさか森全体が燃えてるなんてっ!
「あああ、俺の数日間の苦労が水の泡にぃ」
〔っていうか島全体が火の海じゃないか?こんなことやらかす奴なんて、……数が多すぎる!〕
いや、そこまではいないと思うが。にしても誰だか知らないが余計なことしやがって!これじゃあ武器をここに運んでも見つかって盗まれるかもしれない!
〔それよりツッコミ役。この様子だとアミュリーが無事じゃないかもしれないぜ〕
げ!そ、そうだよ!今回の武器運搬にはアミュリーの力が必要不可欠だ!このままだと信用ならない猫に頼らざるを得ないじゃんか!……誰かさんが手伝ってくれれば別だけど。
〔やだよ。今の帝国は印納がトップだし。あいつと関わると疲れるからな。直接手を貸す気はない〕
そうか。だが、一体どうしてこんなことに?神社や寺はむしろ焼かれてるほうだから、事故でもない限りは島の外部犯だろうけど。
「う~。酷い目に遭ったぁ」
「ん?おおおおおっ!アミュリー、無事だったか!」
「えぁ?あ、さ、悟だってば!こんな所でどうしたんだっけ?」
「いや、実はアミュリーに頼みたいことがあったんだが。なんでこの島、こんなに変わり果ててんの?」
「うううぅ。私にもさっぱりわからないんだってばぁ~。急に炎の壁がやってきたんだってば」
遠くから攻撃されたってことか?近場で戦闘とかやってたら技名くらいは聞こえるだろうし。っていうか、また炎の壁がくると厄介だな。ここはアミュリーを連れて脱出するか!
〔こいつの磁力を操る能力がないと運べないからな。実力的には運べる奴多いけど〕
ゲージや校長だと全部持ち逃げしそう。印納さんは何かやらかしそうだし、お前や魅異は手伝わない。他に運べそうな奴は面識薄かったり居場所わからなかったり。た、頼れる仲間がいない。
「やっぱりアミュリーしか頼れねぇ!アミュリー、頼むから一緒に来てくれ!」
「ええー。悟、私はとんでもなく疲れてるんだってば。悪いけどお断りだってば」
「え、えぇっ!それは困る!いやもう本当戦闘とかしなくてもいいから来てくれよー!」
「あ、ちょっとー!引っ張らないでだってばぁ!」
「どうしたアミュリー!?」
あ、げ、しまった!この声はまさか雨双!あいつもこの近くに居たのか!ど、どうしよう。見つかったら計画のことがばれてしまう!
〔おー、思いっきり悪役のセリフだ。ていうか悪役だ〕
「あ、お前は悟!……って、なにやってるんだ?誘拐か?」
「違う!なんで俺が人を、しかも小学生を誘拐するんだよ!どっちかっていうと泥棒だ!」
「雨双ー!助けてだってばー!」
「えーっと。火事場泥棒が目撃者を口封じしてるってことでいいんだな?」
しまった口が滑ったー!く、くそぉ、どうにも言い訳するとたまに口が滑っちまう!ぐ、このままじゃあ現在進行形で誤解が誤解を生む結果になってしまっている!
「待て、雨双、待てって。ちゃんと事情を説明するから早とちりはやめよ?な?」
「とりあえずアミュリーが嫌がってるだろ?手を離したらどうだ?」
「こ、攻撃しないか?」
「いやお前、私をなんだと思ってるんだ。話くらいは聞くぞ?」
話が通じなさそうだからこんな対応してるんだよ、って言いたいけど言ったら撃たれそうだ。ここは素直にアミュリーの手を離しておくか。
〔ツッコミ役って雨双苦手だよな。そんなに実力差ないのに〕
だってハッタリ言っても攻撃してくるもん。倒せば解決みたいな考え方してそうだから苦手なんだよ。ノリもあんまりよくないし。いいか、見てろよ?
「はー。助かったんだってば、雨双。とにかく今日は休むんだってば」
「くくく、命拾いしたなアミュリー!だが次こそは俺の計画に協力させるからな!」
「そうか。なら」
「待てー!ストップストップ!早まるな雨双!ジョークだから!」
「む。ジョークって、よくこの状況で言えたものだな。……それと私が攻撃するってよくわかったな?」
ふううー、危ない危ない。避ける準備はしてたけどダメージは喰らってただろうな、氷撃たれてたら。さて、どのみち怪しまれてるし雨双にも説明するか。
「で、目的はなんだ?泥棒とか言ってたようだが」
「先に言っとくが悪い泥棒じゃないからな?帝国あるだろ、帝国。あそこの武器を売りさばこうと思ってな」
「え、帝国!?……だっけ?」
「ははーん、なるほど。私もアミュリーから聞いたことがある。帝国城内の物資は自由に奪っていいらしいな。いや、それとも帝国のトップを倒せば王になれるって方か?」
って、意外にみんな知ってるじゃん。ボケ役、もしかして思ってたよりも難しいの?帝国から武器を盗み出すのって?
〔でも帝国トップが印納になってから盗みの成功例が増えたらしいぞ?〕
ふーん?まああの人が帝国に興味あるとは思えないけど。でもなんだろう、改めて聞くと不吉の前兆のような気がしてならない。今回行くと失敗しそうなような。
「……盗みだから前者だ。武器でも奪おうと思ってな」
「ふん。ならアミュリーを巻き込むのは諦めるんだな。本人は乗り気じゃないし疲れてるそうだ」
「戦いは全部俺が引き受けるって!それでもダメかアミュリー?なんなら二割くらいは分け前をやるからさ」
〔あ、お前タダ働きさせる気だったな?〕
い、いやいや!言われたらちゃんと払ってたから。ただあれだ。いつも取った者勝ちなことが多いから分け前って発想がなかったんだよ。
「帝国だっけ?ならやってもいいんだってば」
〔「「え!いいのか?」」〕
ま、マジか!驚いた!俺だけじゃなくて雨双も驚いてるし。にしても、なんで急に?まさか報酬に目がくらんだか?値段上げられると思って二割って言ったのに。
「でも、お金はいいから頼みごとがあるんだってば。あとで特星本部からのお仕事を手伝ってほしいんだってばー」
「あれ?アミュリー、まだやることが残ってるのか?なんなら私が手伝おうか?」
「いや、これはー、悟のほうが向いてそうなんだってば。」
と、特星本部の仕事?俺に?特星本部ねー。ボケ役、なんか心当たりないのか?
〔んー。最近話題なのは特星本部に現れたっていうオーラ状の物質だな。究極物質だとか言われてる〕
え、究極物質だって?そっちのほうが高く売れそうじゃんかー!つまり武器と究極物質でダブル儲けチャンス!
「さあさあ。あっちにボートがあるから早く乗るんだってば!詳しくは乗ってから説明するんだってば!」
「え?おお、そうか」
「雨双は悪いけどお留守番して神社を直しててだってばー。じゃあねー」
「え。まさか神社の手伝いが面倒だから私に押し付ける気じゃないか?」
「ぎくぅ!ご、ごめんなさいだけどよろしくー!だってばー!」
あ、逃げた。俺もアミュリーを追っていくか。だけど雨双のやつも災難だなー。ま、そういう理由なら確かに分け前をほしがる理由もないわけだな。俺としてはありがたい。
「わっ、私は別にいいけど?いいけどさー。……おいアミュリーっ!帝国でしっかり休んだら手伝いに戻れよバカヤロー!疲れたまま戻ったら氷の中で休ませるからなー!」
ああー、……暇。周りは海水でいっぱい。こんな小船で帝国なんていけるのか?どこかで船でも調達しないと厳しい気がする。……そういえば前にも帝国に乗り込んだことがあったような。あの時はどうしたっけな?
「さて、悟。そろそろ本当のお願いを言っておくんだってば」
「え?サボるってのは嘘なのか?じゃ、じゃあやっぱり金!?」
「ううん。実はその、雨双が何者かに狙われてるかもしれないんだってば。だから犯人探しを手伝ってほしいんだってば」
え、雨双が?逆に誰かをやっちゃうとかじゃなくて?そ、そんなバカな話、あるわけがないだろ?まるでイメージできないんだけど。
「え、なんだ?あいつに脅迫状でもきたのか?」
「ウィルから聞いた話なんだけど、闇の世界にいたときに雨双の体が乗っ取られたんだってば。闇の世界は悟も知ってるんだっけ?」
「あー、正月に行ったところか。確かに殺人事件とか消失事件が行われてたな」
「え?と、とにかくだってば。闇の世界を調べたら、怪しい形跡がたくさんあったんだってば。パンツ泥棒、外部からの侵入、謎の究極物質、原因不明の噂話、修行で閉じこもる男、そして雨双を操る特殊能力、あとは責任者が変わってたとかの話も聞いたんだってば」
ふーん。まあ俺の気づいた殺人・消失事件のほうがよっぽど怪しいけどな!あ、ところで雨双を操ってた特殊能力って。
「特殊能力なのか?雨双を操ってたってのは」
「らしいんだってば。で、ウィルの話では呪いでもあるらしいんだってば」
「そこまでわかれば犯人くらいわかりそうなもんだけどな」
「うん。そもそも特星本部長の御衣はもう犯人を」
[どがあああぁん!]
「うおおおおぉっ!なんだなんだ?」
急に近くの水面が吹き上がったぞ!こ、これは一体なにが起こってるんだ!?
〔ふああぁ、うるさいなー。ツッコミ役、やっと着いたのか?〕
お前暇だからって寝てるんじゃねーよ!襲撃だよ襲撃!海が俺たちを襲ってきてるんだよ!
「ごほん。あー、あー。そこの小船ー、聞こえるかしらー?今の魚雷は安全滅亡モード。危険滅亡モードが嫌なら止まることね!」
「悟、あっちの方から聞こえてるんだってば!」
「あ、あれは!魚影に、……水中からスピーカー?何か居るぞ!」
「正解よぉっ!タンシュク、浮上よ浮上!」
「わかった、絶せよ」
[ざざざざざざあぁっ!]
せ、潜水艦だーっ!めっちゃでけー!しかもなんか前面に巨大ドリルらしき物体がついてやがる。な、なんだあれは。ちょっとだけ乗ってみたいな。
〔あー。あれは水中地中マグマ中を進める潜水艦だな。勇者社で売ってるぞ。家電売り場に]
家電っていうかむしろ家とか要塞でもいいくらいだと思うけど。てかまずいな。距離があるからいいけど近づかれたらこっちは沈没するぞ。
「そこのコート男!あんたね、タンシュクを騙して武器をぼったくり価格で売りつけたのはっ!」
「は?お、おい待て!何の話だ!?」
「誤魔化そうってつもりかしら!?この愛らしい顔を忘れたとは言わせないわよぉっ!タンシュク、ちょっと横向けて!」
「ラジャー、絶せよ」
お、潜水艦がその場で横向いた。って、船があんな動き方するもんなのか?あ、潜水艦の側面に画像が映し出されたな。……あれ、あの顔は確か。
「あ!闇の世界で武器を買っていった子供か!」
「なーにが買っていったよ!あんたが世間知らずのこの子を騙して売りつけたんでしょ!相場の十倍以上の価格で!」
「えー、それは悟が酷いんだってば」
「いやいや、それは誤解だって!あの武器はそもそも闇の世界で拾った戦利品だった!相場がわからないから高めに付けて、中古だから九割引セールで売っただけだ!」
〔あー、あの時か。確か弓とかセールなしだと八千万セルだもんな]
う、確かにちょっと高すぎた気がしなくもない。で、でもあれだ。十億セルとかを持ってると金銭感覚が麻痺してくるから仕方ないさ、うん。
「確かに値段はやや高めだけどさ。今更、文句言われる筋合いはないな。弓とかは買った後に使ってたって聞いたし」
「ふん、値段の問題じゃあないのよねぇ。そんなことはどうでもいいもの。……私が許せないのは、お前がタンシュクをそんな嘘に引っかかると舐めてたことよぉっ!撃てぇ!」
「撃つぞー。絶せよ」
[どがどがどがあああぁん!]
うおああああああぁっ!大砲!大砲撃ってきやがった!なんで潜水艦にそんなもんがついてんだよ!絶対湿気るだろ!
って、直撃しそうなコースできた!
「く、水圧圧縮砲!そらそら!」
[どがどがががーん!]
げ、撃墜はなんとかできるが、こっちからの攻撃は潜水艦にほとんど効いてないな。距離で威力が落ちてるのもあるし、恐らくかなーり丈夫だな。
「なら故障させてやる!電圧圧縮砲!」
…………だ、ダメか!ていうか中に乗り込んだほうがいいかもしれないな。さすがに遠距離合戦で潜水艦沈めるのは厳しすぎる。小型ならまだなんとかなったかもしれないが。
「アミュリー!あっちの潜水艦に乗り換えるから俺を連れて移動してくれ!」
「むー。疲れてるのにだってばー。じゃあ磁力球だってば!」
「おう。って、うおおおおおおおぉっ!」
[どかあぁっ!]
いってえぇー!せ、潜水艦の壁に突っ込んだあああぁ~。だ、だがアミュリーの磁力のおかげで乗り移ることには成功したな。って、あれ?体が壁から剥がれない!
「こちらに乗り移ったですって!?そんな、なんて凄い力なの!」
「ふふん、磁力球は物体とか空間に磁力を設置するんだってば。潜水艦と悟に別番号の磁力を与えたんだってば」
「あ、あのアミュリー。説明はいいんだが剥がれないから解除してくれ」
「さらに磁力番号を同じにすればこの通りだってば」
「は?うおおぉっ!?」
[ざっばあぁん!]
ぶくぶくぶく~、って、酷い目に遭ったー!く、まさか潜水艦から海に放り出されるとは思わなかった。アミュリーの奴めぇ、あとでお菓子でも大人買いでもして見せびらかしてやるっ!
「あ、悟ー!ごめんだってばー!」
「許すかー!後で覚えてろよアミュリー!」
「磁力を扱えるの?ならタンシュクの改良に役立てるかもしれないわ!そこの子、今からそっち行くから待っててねぇ!」
「待ってろー、そして絶せよ」
って、俺が泳がされている間に進展ありそうな感じに。なんだろう、今回はなんとなくあんまり活躍できてない気がする。はぁ、厄日かなにかなのか?
「あなたが磁力を扱う子ね!好きなところに乗せていってあげるから実験手伝ってくれない?磁力をちょっと出すだけでいいの」
「うーん、あっちに落ちてる悟も乗せてってくれるなら手伝うんだってば」
「えー、あいつかぁ。………………この際仕方ないわねぇ」
ま、結果的になんとかなってるからいっかー。
というわけで襲撃者の潜水艦に乗せてもらった。この潜水艦には客室があるんだな。しかも部屋数多かったし、もしかして旅客用の潜水艦なんだろうか?
「にしても潜水艦の持ち主の名前、どこかで聞いた気がするんだよなー。セーナ・サイドショット。どこで聞いたんだっけ?」
セーナ、セーナ、やっぱり初めてだな。あんな奴会ったことないし。
〔それより前に武器を買ったロボット、タンシュクだっけか?あいつの語尾が前と変わってるな〕
ああ、そういえばそうだな。前は死ね死ね言ってたんだっけ?まさかこんな所で再開するとは思わなかったよ。特星は狭いな。
〔まー闇の世界にいたってことはアミュリー神社に来てる奴だし。この辺に居てもおかしくはないさ〕
「そして印納ちゃんも闇の世界に居たからここにいてもおかしくはなーい!」
「へ?うお!印納さん!?」
「やほ。暇だから遊びにきたわ!ああ、前にやった帝国侵入を思い出すわねぇー」
こ、この人はいつの間にこの潜水艦に?いやまあ、どこにでも居そうではあるけど。って、帝国から盗むことがもうばれてるんじゃ?
「印納さん、どうしてここに?」
「暇だって言ってんでしょ。私がここ以外にどこに居ると思うー?当てたら私の帝国からお宝盗み放題よ!」
「な、なんだとぉ!?」
〔印納はどうやら分裂して複数居るみたいだな〕
「はい時間切れねっ!答えは特星本部の屋上でした!残念賞は私の帝国から武器盗み放題の刑ねっ!」
「え?ああ、って、えええぇ!や、やったー?」
なんかよくわからんが印納さんの許しが出たぞっ!ふふふふふ、これで俺の武器を売りさばく作戦はもう完璧じゃん!
「私が帝国のトップだからね。トップの座を奪われるまでなら毎日来ていいわよ!」
〔あ、怪しい。絶対にオチとか罠があるって〕
ふん、ボケ役は印納さんを疑いすぎなんだ。なんだかんだ厄介なだけで今まで印納さんは味方だっただろう?優しくしてくれることだってそりゃあるさ!
〔え、ええー。今のツッコミ役は敵対するポジションだろ?武器盗むんだし〕
う。ま、まあそりゃそうだけどさー。
「あ、悟もいることだしあれだわ。コートがいいわね」
「え?なにがですか?」
「ふっふーん、ちょっと特星本部で面白いものを見つけてね。アルテに渡すために特星本部で待ってるのよ!でも、ただ渡すのは面白くないじゃない?だから私はこれをコートにするわ!」
「お、さすがは印納さん。絶対アルテの奴も喜びますよ」
印納さんが一体なにを見つけたのかはよくわからないが、コートにすれば子供は喜ぶだろうな。まさかこんなに気遣いのできる人だとは思わなかった。
「そして私はアルテが来るまで、全裸でこのコートを着続けることを宣言するわー!きゃははー!究極物質コートよー!」
「さ、さすがは印納さん。絶対アルテの奴は唖然としますよ。そんなの渡されたら、って、ん?究極物質コート?」
あれれれ、そ、それはまさか究極物質で作られたコートってことか!?じゃあまさか印納さんが見つけたのは究極物質?あ、これは売れるんじゃないか?
「い、印納さん、悪いんだけどその究極物質ってのをくれませんか?」
「やあよー。だけど岩捌家秘伝の製法で作った大怪獣バッジならあげてもいいわ。呪われしレアアイテムよっ!」
「あ、そういうのは結構です」
「問答無用!私に勝てたら晴れてあなたも大怪獣よ!槍魔術、ピースフルダイナマイト!ふんふんー」
な、なんだなんだ?腕を振り回したり跳ねたりしているぞ。しかも足取りは滅茶苦茶だ。これは一体なんの儀式を行う技なんだ?どうよボケ役?
〔あの儀式は、三億年祈ることによって船を沈めるという恐ろしい儀式だ!〕
「ふふん、ピースフルダイナマイトは星と仲良くなれる友情の踊りよ!踊れば星との友情が芽生え、関係はこれといって平行線よ!よっよっ、はぁー」
「つまりはハッタリ!水圧圧縮砲!」
「ふふ、私のステップは全てを紙一重で!きゃああぁっ!」
印納さんの儀式の動きが見る見るうちに滑らかになっていったぞ!そして当然のように普通に魔法弾が当たった。やっぱりこの人はなんていうか張り合いがないなぁ。
「いったぁ~。きゅぅん、まさか私のサジをも溶かすステップを見切ったというの!?」
「き、気味の悪い音を発しないでくださいよ。ぶるぶる」
「ふっふっふっふ。こうなったら仕方ないわねぇ。……仕方ないわねぇ!!!」
「は、はい」
「私のとっておきの、それも最大規模の影響力を持つ、そりゃもう奥義とも言うべき必殺技があるの。使っちゃうしかないわねー。よいしょっと」
って、うおぉっ!い、印納さんが服を脱いだぞっ!な、なに考えてるんだこの人!?いや、まさか、印納さんは健全な変人じゃなかったっていうのか?ただのえろっ気のある変態だったのか?
〔え?あー、本当だ。高校生って人前で脱ぐんだな〕
「普通脱ぐわよ?そりゃもうばさっと!」
普通脱がねーよ!にしてもなんだ?印納さんの肌が、あれはなんていうんだ?……綺麗で整っててー、神々しいっていうか。そう、思ってる以上に触りたい気がしてくる?な、なんだ?目で見た感じじゃ普通のはずなんだが。なあボケ役、印納さんの体ってどことなく変じゃないか?
〔くくっ、白のブラとか似合わねー!ぐぎゃあぁっ!〕
あ、ボケ役殺されたな。俺もあんまり下手なことは考えられないみたいだ。
「ふふん、見惚れるのは当然だわ。私の変身が解けるとねえ、負乳の魅力がこの世界を呑み込むのよ!そして宇宙は消えてなくなる!」
「ふ、ふにゅう?宇宙が消える?うぐぐ、やっぱりいつもの印納さんじゃないか!意味がわからん!」
「ちょっとあるのは貧乳。ないのは無乳。奪うがあるのは負乳!マイナス無限を持つ私の胸中、キャッチアンドリリースで体験させてやるわっ!」
「さ、させるかぁ!空気圧圧縮砲!」
「その程度、あ?うぐぅ!」
空気の魔法弾は印納さんに直撃!って、あれれ?壮大な前振りの割にいつも通りあっさり倒せてしまった。お、おいおい。せっかく緊迫感に包まれた俺はこの後どうすればいいんだ!
「印納さん?あの、負乳とやらの必殺技は?」
「いたたた。やめよやめっ。アルテとの戦闘が始まりそうだから、そっちの技で消すことにするわー」
「ああ、特星本部の。って、消すってなにを?俺?」
「そのとーり!きゃはは、消滅よー!」
「そんなバカな。あれ?うおおおおぉっ!?」
ど、どうなってやがるんだ!周りの潜水艦の壁や天井が消えていく!い、いや違う!これは、透明になってるのか?かなり透明になってから完全に消えてる感じがする!ぐ、視界が。
「俺も消えるってのか?く、しゅ、主人公バンザーイ!」
「すぐ戻るわよ?」
「悟ー、起きるんだってば。さーとーるー!」
んんぅーうっるせーなー。……あー、なんかあれだったよなぁ。帝国向かってたような。そろそろついたんだろうかぁ。うん、起きよう。あ、そういえば消滅したんだっけ。
「ふぁふあー。ああ、アミュリー、さっき特星消滅した?」
「何時間か前に消滅したみたいだってば。少し前に皆起きたんだけど、帝国はとっくに通り過ぎてたんだってば」
「ああー、そうかー。じゃあもう一回寝るから帝国着いたら起こしてくれぇ」
「着いたから起こしにきたんだってばーっ!もう帝国城裏側の地上だってば」
むむ?ああ、なんだもう着いてたのか?もうちょっと潜水艦の旅を満喫させてくれてもいいのになぁ。ま、着いたなら行くしかないか。
「ところでどうやって進入するんだっけ?」
「うーん、本来は大花火圧縮砲をきっかけに花火大会を開催させて、見張りが遊んでる隙に侵入する予定だった」
「だった?ってことは計画変更だっけ?」
「ふふふふふ。そうだ!実はさっき印納さんから盗みの許可を得た!そして印納さんは帝国のトップ!そう、つまり堂々と正面から行けばいい」
「おおー!大胆だってば!」
って、もはや盗みではないような気もするが。まあいいさ。タダでもらえるのなら貰っておこうじゃないか。んー、ついでに武器以外も狙ってみるかー。
「で、潜水艦と乗組員たちには海に潜っててもらう。アミュリー、全乗組員に伝えろ!」
「二人はすでに買い物に出てったんだってばー」
「え?あの、帝国って一応進入禁止のはずだが。あいつら許可貰ってないのに大丈夫か?」
印納さんから許可貰ったのって俺だけだし、俺と一緒じゃないと捕まるような。いや、それとも中に入ればばれないか?前はどうだったっけなあ?
「あ!た、大変だってば!私、ちょっと二人を連れ戻してくるんだってばー!」
[ばたーん!]
「え?あ、おいバカ!お前も許可ないのは同じだろ!」
って、もう居ない。廊下には、……居ない。どうやら磁力で飛んでったみたいだ。ふー、チーム行動で勝手な行動は危険だってのに。危機感のない奴らだなー。
よーし、城の外周はそれなりにあったがようやく正面近くまで歩いてこれた。どうせなら城の正面に停めてくれてもよかったのに。
にしてもあの潜水艦には驚いたなぁ。地中から突き出てたし。ボケ役が地中も進めるとか言ってたけど本当だったとは。いや、ってか、あの状況で城の兵とかが来ないのはどうなんだ?今考えると不自然なような。
「お、正面っぽいところに人影が」
柱に隠れて見えにくいが、城に向かって誰か伝ってるな。ちょっとだけ靴と手が見える。見張りかな。……うん?でもなんで中を見張ってるんだ?まさかもう皆捕まったのかな。
「にしても帝国ってのは人がほとんどいないな!元々、小学生が少なかったのか?」
見張りの声が聞こえるけど、この声はなんか聞き覚えがあるような。ちょっと声を、って。
「あれ、烈?なんでこんなところにいるんだ?」
「おお?悟か!なんだなんだ?まさか幻の必殺技、烈々烈拳を見にきたのか!?」
「なんだそりゃ」
まさか城の前で突っ立ってたのが烈だったとは。っていうか、どうしてこいつが帝国に居るんだ?ま、まさかこいつも金欲しさに帝国の武器を奪いに!?
「お前こそなんの用でこんなところにいるんだ?まさかとは思うが帝国の武器でも狙ってたりとか?」
「ふはははは!どうだろーなあ!ただの迷子だったりするかもしれないぜ!」
「こんな場所に迷ってこれるか!烈、やっぱりなにか知ってるんだな?」
帝国には来る手段が限られてるからな。バカだからって易々と迷い込めるわけじゃない。ふっふっふ、嘘をつくってことは絶対何か隠してるってことだ!レア武器のありかを!
「ふ、確かに俺は迷子ちゃんじゃあない!だがなぁ!!先に俺が来てたんだから一番乗りは俺だろー!?」
ほーら、やっぱり武器狙いだ。だけど烈なんかには銃弾一つやるもんか。
「ふん、じゃあ並びなおさせてやる!水圧圧縮砲!」
[どがーん!]
「ぐへぇ!」
「とどめだ!電圧」
「お、キャッシュカード!!」
「げっ!どこだ!どこに落とした!?」
あ、あれ、見当たらないぞっ!く、しまったな。こんなところに持ってくるんじゃなかった!い、いやまて、先に烈を倒せば。
「おらあ!悟ー!」
「うお!?」
[どかっ!ずてん!]
いってててて、不意打ちで転ばせてくるとか卑怯な真似をしやがってぇ。ん、あれ、キャッシュカードがポケットに。……騙されただと!?あ、あのやろー。
「って、お?この銃は確か」
「いててぇ。烈め、絶対に、ん?あああー!」」
れ、烈のやつが持ってるのはエクサスターガンじゃねーか!ま、まさかあいつ!最初から、俺を消滅させて帝国の武器とエクサスターガンを全て売りさばく気だったのか!?
うわ。な、なんて欲の深い男なんだ!さすがの俺でも友達を消滅させるとかしたくねーよ!……だがこいつの欲深さは見習うべきかも知れない。く、おかげであの烈に消されそうだからな。
「ふはははははーっ!悟、これってなんとかガンだよな!?すげー強いやつ!」
「ま、待てバカ!危ないからこっち向けるんじゃねー!名前はエクサスターガンだ!」
「うるせー!さっさと手を挙げろ、悟!!抵抗してもしなくても撃つぜ!!」
「撃つのに手を挙げるバカがどこにいるんだ、バカ!」
ま、まずいな。予想以上に撃つ気満々じゃないか。ぐぐぐ、こうなったらこいつの単純さに賭けるしかないか!
「隙あり!雷之ヒット」
「ほらな!!エクサバーストだ!!!喰らえ悟ー!!」」
[ばしぃ。ずがあああああああぁん!]
「シューズ。って、あ!れ、烈ー!」
え、エクサバーストの方向が烈に。うむむ、しまったな。エクサバーストの軌道を変えることには成功した。靴を飛ばしてから技名を言ったら、やっぱり時間差に引っかかった。
「でもまさか銃の向きが真逆になるとはなあ」
く、烈の知ってる秘密について聞けなくなってしまった。……まあでも運も実力のうちってことか。実力差がありすぎたんだ。ふふふ、烈のやつ、復活したらすげー悔しがるだろうなー。あと一歩で俺に勝てそうだったのに。
〔復活したらって、烈なら土煙の中で気絶してるぞ〕
あ、ボケ役お帰り。って、烈が気絶してるだって?………………ああ、本当だ。なんだよまったく当たってないじゃないか。心配して損した!
ふっふっふ、だが烈が無事ならレア武器もいただいたようなもんだ。今日の俺はまっすぐハッピーエンドに突き進んでるのがわかる!
「悟-!大変だってばー!」
「って、この声はアミュリー?どうしたんだ?」
町のほうからアミュリーが飛んでくる。おい、この順調なときに大変とかマジでやめてくれよ。ギャグのオチとかシリアスの悲劇みたいな展開になったらどうするんだよ。
「まさか潜水艦組が死んでたのか?」
「いや、二人はまだ町だってば。でも町の様子が変で、人が私たち以外にいないんだってば」
「なんだって?烈なら居たのに。ほらそこに」
「あ、本当だってば。さっきは空から二人を探してたから目に入らなかったんだってば」
にしても町の住民が居ないなんて。いや、でも普通にこれはチャンスじゃないか?城の見張りが居ないのなら武器だけじゃない、城中のお宝をいただくことができる!
「アミュリー、町から人が消えてようがどうせ大した理由じゃない。そう、きっとバカンス休暇とかだ。今のうちに帝国城に入るぞ!」
「え、ええー?」
このまま武器をいただくぞー。あ、エクサスターガンは回収しておこう。烈は、レア武器の場所を聞くためにも持っていくしかないな。……足が掴みやすそうだ。
[ずるずるずるずる]
ふう、疲れた。ここが帝国城の中心あたりか?玄関や通路長すぎだろ!えー、ここには二階に上がる階段と、柱と、通路に、部屋。武器がありそうなのは地下だが、ここから見える範囲には地下へ行く階段がない。……探すの大変そう。
「広いんだってばー。ここだけでも走り回って遊べるんだってば」
「どうやって武器保管庫を探すべきだ?人を倒して聞くにも人が居ないし」
いや、今なら武器じゃなくても奪えるか。だ、だが武器はアミュリーの能力で運べても他のものは磁力じゃ無理かも。と、とりあえず武器だな、うん。
「そうだ、悟。私はちょっと着替えてくるから保管庫を見つけたら教えてだってば」
「着替え?ああ、服泥棒か。人が居ないし別にいいけど、お前も保管庫があったら教えろよ」
「わかっただってば!……ところで衣装室っぽいものはどこだっけ?そのぉ、華やかな感じの服置き場を、探してるんだってば。きゃっ」
「知るかよー。自分で探してくれ」
「はーい」
通路の一つに行ってしまった。へええ、アミュリーも変わった奴だな。正式に盗み放題なこの状況でわざわざ着替えするなんて。さてと、どうやって探そう?全部周るのは面倒だし。
〔悟、人が居るかどうかならわかっちゃう方法があるぜ。例えば、人が一人でも城に残っていたらだ、必ず人が居るって場所があるだろ?〕
んー。それはそうだが。その場合だと居るのは紛れもなく町の人を消せるような厄介者だよな。……ああ、でもそういう人なら罠くらいは仕掛けてそうだな。宝物庫や宝をおとりに。
〔そうそう。そもそも主人公側の泥棒って実質強盗が多いし。ドロップ率アップとか〕
ううん、仕方ないなぁ。印納さんなんてまるで相手じゃないけど、もう一回倒しておくか。安全に宝を手に入れるために!
階段を上がった先の部屋には、赤いじゅうたんに椅子があるだけ。いかにもラストにふさわしい状況なんだが、まさか、こいつが玉座に座ってるとは思わなかった!
「アルテっ!……え、なんで?」
「君は、悟。…………と、そっちの引きずられてる男も見覚えがあるね。烈でしょ。ええっと、私になにか用でも?」
「印納さんから帝国の宝を全部やるって言われたんだ。さあ、まずは武器庫の場所を教えてもらおうか!」
「え、武器庫?それなら三階の中央にある部屋だったと思うよ」
す、素直に答えただと?い、いや、そんなはずはない!そもそもこいつは最近、特星を侵略するとかその辺で言いまわってるそうじゃないか。つまりアルテは侵略のために武器を狙った賊。嘘をついてる!
「ふん、そんな安っぽい嘘に騙されるか。武器は地下って相場が決まってるんだ。さあ、正直に言わなきゃ手荒な歓迎が待ってるぜ!」
「本当なのにー。あ、だけど手荒な歓迎ってのは面白いね、私は構わないよ。手荒なことする?」
「い、いいけど俺は強いからやめといとほうがいいぞ?なんたって神の体を持ってるからな!」
「そうなの?へえ、凄いねえ!ふっふっふ、でも私だって負けてないよ。私はね、究極の力を手に入れたんだよ!究極魔学科法の力をねっ!そう、私こそが究極正者。ふふふ、君に勝てるかな?」
げげ!まさか前に戦ったときより強いっていうのか?アルテとは何度か戦ったが楽勝だったことは少ない。く、今回も厳しい戦いになりそうだ。
「だがな、究極になろうがあくまで魔学科法!負けるわけない!」
「そうかなあ?まあ悟の実力なら大した被害もなく終われそうだよね。負けるのは君だけど。……さあ、まずは自分の中にある世界に連れてってあげる!パーテ・レパンチュ明けの帰路!」
うお、周りの景色が変わっていく!ん、いや、これはなにかに引き込まれてる?いつの間に!やばい、早くこの場を離れないと!って、烈が邪魔だな。
「まかせた烈!」
「ふふふ、そんなの意味ないよ!パーテ・レパンチュ明けの帰路には周囲のものも巻き込まれる!」
くぅ、烈を身代わりにして後ろに飛び退いてみたが出られそうにない!周りの景色が俺についてきてる!ならこの攻撃は受けてカウンターで。
〔ダメだツッコミ役!それは転送技だから避けろ!〕
な、なにぃ!でももう無理だ!ま、まさか一撃で負けるってのか!
[きいいいぃん!]
え、な、なんだ?なんかコートのボタンが光ってるんだが!うわ、めっちゃ眩しい!
「え?この光はなに?なにが起こってるの?まさか君の仕業なの?」
[お、おいどうしたツッコミ役!コートのボタンが光ってるって、なんでだ!?〕
おお、なんかよくわからんけど周囲の景色が元通りに戻っていくぞ!どうやら俺にはこの技は通じなかったみたいだな!
「ふふん、私の魔学科法が破られちゃうなんてね。いい物持ってるねー」
「さっき光ったのは?な、なんだこのバッジ?俺のコートに変なバッジが!」
コートのボタンが一つバッジに変わってる!って、なにこの生き物?ば、バッジに妙な生き物のデザインが載ってるんだけど。このぉ、なんとも可愛くも格好よくもない微妙さはなんだ?
〔いや、どんな生き物だよ。生き物ってわかるんだろ?〕
な、なんていうのかなー。猫と、……首の長い鹿?首長竜?その辺を合わせたような感じ。あと巻きひげが気になる。
「私の技を防げたみたいだし改めて自己紹介をさせてね。私はアルティメット!究極の魔学科法を手に入れた究極正者、アルティメットだっ!」
「お、おおお?気合の入った自己紹介しやがって!えーっと、なら俺はぁ、そうだなー。光を撃ち抜く主人公、雷之 悟だぁ!水圧圧縮砲!」
「ほらほら、そんな水じゃあ当たらないよ?こんなのだもん。魔学科法、ターモティスの炎陣!」
「うぉ、あぶねー!」
浮いてる小さな魔方陣みたいなのから炎のレーザーが出てきやがった!ひえぇ、あとちょっと避けるのが遅かったら当たってた。
「くそ、空気圧分裂砲!」
「それでも全然当てにくいね。範囲攻撃はこうだよ!魔学科法、ターモティスの炎陣!」
[ぶごおおおおおおおっ!!]
うおおおおぉっ!あちちちち!ま、周りがいきなり火の海に!ひええぇっ!水!水はどこだ!?
「って、ここだった!水圧圧縮砲!」
[どがあぁっ!がらがら]
って、しまった!床に穴が開いちまったぁ!
「逃がさないよ!魔学科法、ピンハクデーの希雪流!」
[ごごごご、ずがああああああぁん!]
あああ、上から雪が降ってくるー。ってか、なんか揺れてるし三階落ちてきそうだな。下へ逃げる!
「こっちは下だよ?まだまだやるんでしょ?」
「うわ、アルテ!」
目の前にワープしてきやがった!ま、まずいぞ。こういう奴にこそエクサバーストなんだが烈が一発撃ってるからもう使えねえ!
「ふふふ、君の強みは目のよさらしいね。なら、魔学科法の強さを知らしめるためにも、君の得意分野を封じて勝っちゃうよ!これで最後だ!魔学科法、パーテマレスポスの暗黒京!」
うわ、こ、今度はあたり一面が真っ暗になりやがった!し、しかも本当に暗いぞ!何一つ見えないなんてどういうことだ!?
〔うおおおぉ!こっちまで暗くなった!まさかこれもアルテの技か!?〕
「ふふん、その通りっ!逃げる気も起きないほどの最も暗い暗闇!念のため、宇宙全体どころか出来るだけ広げたよ!ただまあ、本来のまま使うと極寒の世界になるから調整はしてるけどね」
「ふ、ふざけた技使いやがって!」
「暗闇のでどれだけ本来の力を出せるかなー?」
ふん!そもそも俺は暗いところのほうが得意なんだ!これだけ暗くされたらむしろ力がわいてくるね!……とか思ってたら本当に力が湧いてきたような?
〔……ふっふっふっふ。アルテ、俺の声が聞こえるようだから言うが、お前は一つ大事なことを忘れてるようだな〕
「え、なにが?」
〔悟は黒色で包まれるとな、悟ンジャーブラックになるんだよ!〕
「そうだ!俺こそが主人公の正体、悟ンジャーブラックだ」
「あー。そういえばそんなのもあったね」
おー!おおおお!なんだなんだ?前に悟ンジャーになったときや、さっきまでの時よりも格段に力が増してるぞ!今ならレーザーやビームくらいなら特殊能力なしで出せそうだ!
〔そしてアルテは知らないようだが、悟ンジャーは闇のヒーローだ!黒色で包まれると変身って設定も闇ゆえにある!それをお前、完全に暗闇で変身させたわけだろ?本当に強いぜ?〕
「そーお?なら悟、いや悟ンジャーブラック。君が絶対に超えられない技で終止符を撃つよっ!これが正真正銘、終止符の弾だー!魔学科法、エクサバースト!」
見えない。だけど俺にはなんとなくわかる!こんなに光のエネルギーが強けりゃ嫌でもわかるってもんだ!なら俺もエクサバーストで!
〔違うなっ!エクサバーストは本来敵役の、光の技!お前の技は対をなす!〕
「そうだった!俺本来の技はこっち!必殺、……クロサバーストおおおぉっ!!!!!」
[どがああああああぁんっ!!!]
あああ、周りがあまりに暗すぎる。一体どうなったって言うんだ?俺はエクサバーストに、アルテに勝てたのか?ボケ役ー、状況説明をしてくれ。
〔俺にわかるわけないだろ。ただ、徐々に明るくなってる〕
マジで?俺の方はまだ真っ暗に見えるんだが。あ、でも明るくなってきた。アルテの奴は、無事にしてるぞ!
「いや、まさか防がれるなんて。ふふふ、お見事!勝負は私の負けだね!」
「って、全然余裕そうじゃないか!」
「そりゃね。私は条件つけて勝負してたもん。でも終止符宣言した強化エクサバーストを防ぎきった。もう、紛れもなく私の負けだよ。えっと、城内の保管庫にあるものは全部あげる」
よっしゃー!これは、今度こそは間違いなく金目のものが手に入るぞー!ああー、疲れた。ってか、この後はアミュリーに運ばせなきゃならんのか。運び先どうしよう。
「っていうかさー、どうせなら城全部ほしいんだけど、ダメか?」
「ダメ。奪えるなら奪ってもいいよ?でも、今日からここは小学生だけの帝国を作るからね。本気で追い返すから」
「や、やめとく」
ってか、小学生だけの帝国って。どこの雑魚ベーだよ。そんな場所は神社だけも十分だと思うけどな。
「ちょっと前に追加で頼まれてねー。照れ屋だから。ほら、きたよ」
「あ、悟!それにアルテ!こんな所にいたんだっけ?」
あ、アミュリー。って、ふぷぅ!こ、こいつなんでドレスなんか着てるんだはははっ!合ってねー!キャラに全然合ってねーっ!子供用のドレスだしさあ!で、でも口に出したらぶっ飛ばされるくくく!
〔んー、普通〕
「お、やっぱり君には似合うねー!見た目は勿論だけどアミュリーらしくていいと思う!うーん、私も着替えようかなぁ」
「それがいいんだってば!あ、それとアルテが燃やした毬島だけど」
「あ、そうだった。はい、戻しておいたよ」
え?今の、はいってので燃えてた島を戻したのか?
〔どれどれ。おお、すげーな!島が元に戻ってる!〕
うわぁ、ついに小学生の中にも変人みたいなのが出てきたか。こりゃあ特星の未来もろくなもんじゃないだろうな。
「そ、それと、悟と見えないけど黒悟がいると、その、気になるんだってば」
「だよね。ほんとに邪魔なんだからなー、もう。すぐに帰しておくよ。……あ、保管庫の中身も送るからアミュリーは休んでて。後で遊んで踊ろうね」
「は?おいちょっと!って、俺の部屋だ」
な、なんの演出もなく一瞬で寮の部屋に戻された!あ、アルテのやつめ、即行で部屋まで送りやがってー!この後に帝国撃破パーティでも開こうと思ってたのに!
〔それより悟。俺はさっきの凄いバッジが気になるんだが〕
え?ああ、あれ?そういえば取ってなかったっけ。……って、あれ、ないぞ?一体どこに?
[どささささささささぁっ!!]
「な、なんだ?」
って、ぎゃあああぁっ!た、大量の物で急に溢れかえった!うおおお、このままじゃ、このままじゃ部屋が一杯になるー!
[どがああああぁん!]
壁が壊れたぁ!でもまだまだ物が溢れてくるぞ!あああ、な、なんで俺がこんな目に!俺がなにしたって言うんだー!あ、アルテめぇ、絶対に許さんからなーっ!……二度と戦いたくはないけどっ!