一話 現れた究極正者!(烈編) ~迷い往くおバカたん
@烈視点@
げ、げふー。やっと周りの火が消えてきたぜ!アルテのやろー、辺り一帯燃やしまくりやがって!放火魔なのかあいつは!?だ、だが火遊びは楽しそうだと俺は思う!
「というわけで松明持って探検するか!!火のついた木は三つくらいでいいな」
ふ!なかなか昔を思い出すぜ!
「…………あの」
「ん?おおー!お前は寺の記紀弥じゃねーか!俺は昼間に幽霊を見ちまってるのか!?」
「……この凄い火の手は、もしかするとあなたがやったのでしょうか?」
「うん?ああ、それは、はっ!!」
いやまて俺よ!これをやったのはアルテだ。だが、だ。だが今あいつはいない!そしてだ!記紀弥は凄い火の手って言ってたじゃん!?こんな燃やし方されれば普通びびっちゃうよなー!?
これってさ!この炎、俺の必殺技ってことにすれば称えられるんじゃね!?ぶっちゃけ、脅されればアルテ様わんわんとか言っちゃいそうだったもん!あ、いや、脅されなくてもふざけて言ってたか。と、とにかく、俺の手柄にすれば幽霊さんたちの王になれると言うわけだぁ!!
「はーはっはっは!この烈様の業火はどうだった!?本気を出せば宇宙だって溶けるぜー!」
「…………おや、まさか本当にあなたでしたか。ええ、烈さんの炎の凄さはわかりました。ではお寺の修理費、お願いしますね」
「……え?なにぃ!?」
まさかこんなに強くても修理費を踏み倒せないのか!?く、俺は強くないから知らなかったぜ!こうなったら本当のことを話すしかねぇ!
「じじっ、実は俺は犯人じゃねーのさっ!そうだ!寺を燃やしたやつならあっちの空に飛んでったぞ!じゃーな!」
「…………拘霊のロープ。捕まえましたよ」
「捕まった!」
うおー!俺の両手にロープが巻かれてやがる!しかも後ろで縛ってる!これじゃあ俺の移動はうさぎ跳びか変形カエル飛びしかできねー!あとは芋虫走法も!
「本当に違うんだよー!頼むから拷問は勘弁してくれー!」
「……あのー。私のキャラを勘違いしていません?そんなことしませんよ?」
「え!?……ええー?え?え?ええええーーー!?」
「………………この毬の島を焦土にしたのはきっとアルテでしょう。特星本部に突如現れた究極物質。昨日、その情報をアルテに対して秘密にするというナイショ令がでていました」
「究極物質だと!?それは究極とされてきた物質のことじゃねーか!とてつもなく究極なそれは、……正に物質だというっ!!」
とはいえ今の俺が思いつくのはこのくらいしかねぇ!だが、記紀弥なら俺の閃きからなにかを得ることができるはずだ!
「……それは置いておきましょう。では、島を燃やした犯人は勘違いでしたので、島流しにしますね」
「なぜか機嫌を損ねた!ヘルプミー!!」
島流しにされてしまった。手を縛ってたロープは水で溶けたけどな!はっはっは!これで俺は自由の実だぜー!
「とはいえ結構な時間流されてるしー。どーしたもんだかなあ!」
溺れれば魅異が助けてくれるが、これまでに何千回助けられたかわかりゃしねー。ならばっ!今回は俺一人の力でおうちに帰ってやろうじゃないの!
「ってえわけでー!状況確にーん!足は二つ!俺の足、そして小船!行き先はー、あー、毬の島はダメだな!めっちゃ遠いし、焼け野原だし、記紀弥こえーもん!」
となれば前方に見える大陸に行くか!運がよければ瞑瞑宰、運が悪くても勇者社のワープ装置で移動できる!いやー、便利な時代になったもんだ!
「こぅらこりぁ、なーに入りゃおしてんですかぁ?」
「んん?げ!こ、子供だとぉ!?子供が浮いてやがる!水上に!」
あまり聞かない訛りの子供だな!大きさは中学校とかの生徒くらいか?ユーフォー型の帽子をかぶってるから顔が見えにくい。
「こかぉな、立ち入りゃあ禁止ですんよ。帝かこぅの領だぇすので」
「帝国だってぇ?」
そっか、あの大陸は帝国だったのか!帝国といえばよく偉いやつが入れ替わってるって噂だったはずだぜ!つまり俺にもチャンスはある!目指すぜエンペラー!!
「ところで帝国は皆そういう訛りなのか?会話が大変、って感じなんだが」
「いにや、あーちはクラゲの魔もんだかりあね、擬人きぁしにあなりぁせん。しきし、擬人きゃに慣れてにあのでこおにぁんですゆー」
お!帽子を上げたぞ!って、うおおおおおおっ!!顔がっ!顔がねえぇ!?しかもよく見たらちょっと透けてやがる!?ど、どうなってるんだこいつ!!顔がない、っていうか溶けてるのか?そんな感じしてるぜ!?
「は!まさかお前」
「なにきあ?」
こ、こいつの正体は!わ、わかっちまったぞ!こいつはきっと幽霊ってやつだあっ!!水に浮かんでるから間違いねえ!!ま、ま、まさかこの目で本物の幽霊を見ることになるなんて!世の中なにが起こるかわかんねーな!
これはあれだな!寺の連中にもお前らより怖い幽霊が実在したって教えてやるか!
「ま、まて!ほらほら、俺も水に浮いてるぞー!俺もお前と同じ種族なんだ!俺たち仲間!!幽霊同士仲良くしようぜ!!」
「幽りぇん!?ほ、ほあー。まさくあ本もぉのゴーステォを見りうにぁんてんね。でむお、あーちあみあだ死んでましえんゆ?」
「や、やるか!?俺のステップは魚より速いんだぞっ!うおおおおぉっ!!」
「おおおおぉ!」
よっしゃ!相手は黙ってみてる!この隙にステップでちょっとずつ位置をずらして逃亡だ!!
[ぐきぃ!]
「ぬぎゃあっ!足くじいたっ!」
[ざっばあああぁん!]
水難事故だあああ!やべえって!足痛くて泳げねーよ!しかも片足じゃあ水中に立つこともできないじゃん!!絶体絶命!!
ああ、意識が遠くなってく気がするー。ぐああああ!…………あ、本当に無理。
「ぐごー、うーん、ううーん、ふああ。おー、おっはよう!!って、どこだここは!?」
「うああ、おはぅいお。寝起けぃでテンシオンたきあいんね。ここふあ帝きぉくの浜ぶえにぁんですゆ。あああ、溺れちえいった人とはいえ、帝こぅきうに連れ入りえんてしあいましんちあ。……どうせいようどうしいよう」
よ、よくわからんがこいつが助けてくれたのか!?マジかー!なんていい奴なんだっ!!てっきり幽霊だから悪質な奴かと思っちまったぜ!!あ、でも訛りはわざとらしい。
「すまねえな、わざわざ助けてくれて。俺は烈!特に理由はないがなんか縛って流されたのさ!!」
「た、大へいんねあんでしぅね。あーちあミアリマイトでしう。あーちもこりぇかり流されしみあうんかもしれあしん。進にうを許しちあったにおんで」
「そーかそーか。とにかく助かったよ!帝国の偉い奴に会ったらいい感じに言っとくぜ!」
言ってることはよくわからねーけどきっといい奴に違いない!えーーーっと、ミアリマイト?という名前らしいな。うん、いい奴そうな名前だ!
とにかく陸地には着いた!勇者社の転送装置を使って、あとは一瞬でお帰りだぁー!!
結構歩いたがようやく町が見えてきたぜ!あーあ、もう正午はとっくに過ぎてるだろうな。帰るときに勇者社で食い物でも買っていくかねえ。
って、お!人がいる!釣りをしている!しかも結構可愛い女の子じゃねーか!これはもう道を尋ねるしかねーなー!へっへっへっへ!
「おーっす!彼女ー、いい魚釣れてるー!?」
「なに、見つかった!?仕方あるまい!」
「げ!け、剣だとー!?」
やべえええええ!!こいついきなり剣を取り出しやがった!って、よく見たら鎧着てるし!間違いなく帝国の戦闘系の人じゃねーかよー!くっそ、同年代っぽい女の子だからって油断しちまったぜ!
「選びたまえ!今ここで見たことを忘れるか、忘れさせられるかを!」
「え。おいおい、こんな風に剣を向けられたらさすがに忘れられねーよ!インパクトがあれじゃん!」
「ああー。うん、説明が悪かったようだね。他言しなければ見逃してやると言っているのだよ」
どうやら俺は見てはいけないものを見てしまったらしい!しかも相手は剣を持ってる奴だ!俺は悟からよく話を聞いてるから知ってるぜ!特星で刃物を持ち歩いてる奴はろくな性格してないってな!
「と、おや?君は、もしかして、……苛烈族の者じゃあないのか?原住民族の」
「お、大正解ー!!よく俺の種族に気づいたな!」
「くくく。どこから見ても知性的ではないからね。あと声がでかい。知ってるものならすぐ気づけるのさ」
「んなわけねーだろ!確かにあいつらは超バカだけどなあ!俺はそりゃもうエリートってやつだぜ!そこらの苛烈族と一緒にされちゃーたまらねーってもんよ!」
なのにどうしてこの子に俺の種族がわかったんだ?そもそも高校の奴らでも種族とか知らねーって奴がほとんどだったはずだ!まさか、こいつ!?
「さては俺のストーカーだな!?よかったな、大募集中だ!」
「だーれが君なんか。私は賢き雲の民族、翻空飛族エリート戦士、ウェリーニアさ。君たちのことくらいは知ってるさ」
「ああ、ワタアメみたいな服装の!えー、じゃあお前、なんでそんな格好してるんだよー!服に触りたかったのに!」
「ふん、あんな不便な服はないがね。あれは水分の保有量が多い。常に全身がびしょ濡れになるから陸地で着れたもんじゃあないのだよ。あと冬寒い」
そりゃ嫌だな。そんな服着て外でも歩けば泥まみれになりそーだ。毎日雨合羽を着る生活なんてごめんだね!
「で、結局私の釣りとサボりは報告するつもりなのかね?」
「うん?サボりはともかく釣りはなんでダメなんだ?」
「へ?そりゃあ前の帝国のときからの決まりで、っておいこら待ちたまえ。君、本当に帝国の人間だよな?」
「ちっちっちっ。俺の名は烈!瞑宰京に帰るために帝国までやって来たのさ!アミュリー神社からわざわざなあっ!」
って、おやあ?なんだっけ?そう、ウェリーニアの奴が両手で顔を覆っているぞ!こ、これは感動の涙という可能性もあるだろーけど!多分、俺がなにかやっちゃったような気がする!!
「あ、あのねえ。君、しばらくは帰れないよ」
「な、なんでだ!?」
「帝国は不法進入禁止なのさ。帝国に所属しない者が帝国内にいれば牢屋行き。三日間は快適な牢屋生活を楽しんでから船で送り返されるよ」
「快適だって!?よし、捕まるか!」
「ああ、最高の食事や部屋ではあるのだがね。一緒に過ごさなきゃいけないんだよね。今の帝国のトップ、印納様と」
「げっ!」
い、印納さんだとぉ!?あの人、帝国のトップだったのか!同姓同名じゃねーよな?ええー、あの人かー。嫌いではないし、むしろ見ている分には面白くて好きだけどな?でもなーでもなー!
「関わり合いにはなりたくねーっ!!」
「そうだろう?そうだろう?君の期待通り、捕まった者は疲れ果てていたよ。ま、お前は私に捕まるわけだが」
「こ、こうなったら逃げ」
「雷剣、ばちっとブレード!」
[ばちばちばちぃ!]
「ぐえええぇっ!!」
いてててて!!ぐああぁ~、か、体が痺れるー!……く、まずい。今までの疲労もあるだろうが、今の一撃はきつかった!手で支えてねーとこのまま地面に倒れちまいそうだ!
「ふっ。私の特殊能力は魔法剣を操る質系のもの。今のように剣に魔法を浴びせたり、魔法でできた短剣を生み出したりできる」
「悟の魔法弾みたいなもんか?その割には補助系みたいに使ってるが」
「さあ、眠ってもらうぞ!炎剣、はっ!なんだ!?」
[ごおおおぉ!]
な、なんだぁ!?急にウェリーニア、だったかの体が消え始めたぞー!いや、違う!あいつだけじゃねえ!特星中だ!俺も、山も、空もなにもかもがどんどんと消えていくぞ!あ、視界が崩れるっ!この数秒に、一体な、に、が?
ん、んんんぅ~。あ、ああ、なんか自分の体じゃないみたいな感覚が。ふへ。ふふふふ。な、なんかくすぐったいようなぁ!
「だはははははぁ!な、なんだあ!?ぎゃはははっ!」
「む、ようやく起きたかい?ほれほれ」
「なーはははっ!って、なにしてんだよオメーは!」
こ、こいつー!ウェなんとかの奴、俺の足の裏を草でくすぐってやがった!わざわざ履物を脱がして!気絶してる奴に追い討ちかけるとか、なんて恐ろしいことをしやがるんだ!!、
「って、あれー?俺はなんで寝てたんだ?って、もう夕方じゃねえか!おい、なんとか。お前の仕業か!?」
「ウェリーニアだ。恐らく私たちを気絶させたのはアルティメットという者だろう」
「なんだと!?お前、あいつの知り合いなのか!?」
「……一時間ほど前、私が起きたときにある声が聞こえてね。帝国のトップが入れ替わったと言っていたのだよ。印納の声も一緒だった。帝国のトップの入れ替わりはほぼ間違いないだろうさ」
印納さんが負けたってのか!?……確かによく考えたら、あの人は厄介過ぎるって噂はよく聞くが、強いとは聞いたことがねーや!
「ははははは!とにかくこれで快適な牢屋生活が送れるってわけだ!さあ、来るならきやがれ!俺はいつでもやられる準備はできてるぜ!!」
「悪いが私はクビになってしまってね。捕まりたいなら他をあたってくれるかい?」
「え、そうなのか!?本当はエリートじゃねーのか!?」
「まさか!なんか小学生だけの帝国を作るだとかでクビになってしまったんだ」
小学生の帝国だってえ?神社によくいる雑魚ベーって奴とかが考えそうな帝国だな!いや、あいつも絡んでるのかも!アルテも神社によくいるからな!
「ところで君に聞きたいのだが」
「ん?どーした?」
「帝国の外では釣った魚を調理して食べていると聞くのだがね。私は帝国暮らしが長くてその方法がわからないのだよ。よければ教えてはくれないか?」
「えーっと、調理法とか切り方はわからねーんだけど。切れるようにする方法なら、勇者社に持ってけば包丁とかで切れるようになるぜ!」
特星で釣った魚はそのままだと不老不死状態だからな!そりゃ調理もできねーよ!わははは!まあでも多分聞きたいのは調理法のほうだろうなあ。
「なるほどー。勇者社というところがあるってわけだね?いや、助かったよ。私は釣りが大好きでね。昔からの趣味が釣った魚をすぐ刺身にすることだったんだ。しかしなんとも面倒だねえ」
「ああー、そういえば原住民だったか!わかるわかる!そこだけは地球から火が来る前のほうが便利だった!!」
他の部分では今のほうが便利だけどな!だが釣りたての魚を食うなんてのは地球に行かなきゃできねえ!腐らないから勇者社に遅れて持っていっても新鮮だが、気分が違うぜ!
……しっかし、そう考えると勇者社は必要だよなあ。なくても死にはしねーけど、不便で死ぬな!移動も転送装置がないとやってられねーし!あ、んん?
「お、おい!勇者社を知らないのか!?まさか帝国には勇者社が、いや、勇者社はともかく転送装置はねーのか!?」
「ないね。ふふふ、どうやらこれで君は帰る手段を失ったというわけだ。私は帰るけどね」
「なんてこったあぁっ!俺はこのまま路頭で迷子ちゃんになっちまうのかー!?印納さんの元犬っころ様ぁ!どうか俺に帰る手段をー!」
「ん?そんなの簡単じゃあないか。君が帝国のトップを倒せばいいのだよ。それでアルティメットに家まで送らせればいい」
はっ!そりゃそうか!よく考えたらアルテの奴は空とか飛べるもんな!へへへ、こうなったら幻の必殺技、烈々烈拳でぶっとばしてやるぜ!
「待ってろアルテー!」
「え!?あ、ちょっと本気にっ!?」
というわけで敵のボスがいそうな城の前まで来たぜ!まだまだ夕方だが日が落ちてきたな!こりゃあ昼食は抜きでいくしかねーようだ!
「にしても帝国ってのは人がほとんどいないな!元々、小学生が少なかったのか?」
ここに来る途中もまったく人と会うことはなかった。おかげで楽だがな!
「あれ、烈?なんでこんなところにいるんだ?」
「おお?悟か!なんだなんだ?まさか幻の必殺技、烈々烈拳を見にきたのか!?」
「なんだそりゃ。お前こそなんの用でこんなところにいるんだ?まさかとは思うが帝国の武器でも狙ってたりとか?」
「ふはははは!どうだろーなあ!ただの迷子だったりするかもしれないぜ!」
もっともそれは昔の話だ!今ではここが帝国だと知ってるし、家に帰る手段まである!無理でも悟に着いてけば寮までいける!迷子の要素はどこにもねーなあ!!
「こんな場所に迷ってこれるか!烈、やっぱりなにか知ってるんだな?」
「ふ、確かに俺は迷子ちゃんじゃあない!だがなぁ!!先に俺が来てたんだから一番乗りは俺だろー!?」
「ふん、じゃあ並びなおさせてやる!水圧圧縮砲!」
[どがあぁん!]
「ぐへぇ!」
いってててててぇ!さ、悟のやつめ!不意打ちでいきなり撃ちやがって!いてて、く、腹が!こうなったらもう本気を出すしかねーようだな!
「とどめだ!電圧」
「お、キャッシュカード!!」
「げっ!どこだ!どこに落とした!?」
「おらあ!悟ー!」
「うお!?」
[どかっ!ずてん!]
よっしゃ!悟のひざ辺りを蹴ったらこいつ倒れやがった!そしてだ!俺は悟のやつがコートを脱ぐと雑魚になるって聞いたことがある!今のうちにコートを剥ぎ取ればこっちのもんよ!
「って、お?この銃は確か」
「いててぇ。烈め、絶対に、ん?あああー!」
「ふはははははーっ!悟、これってなんとかガンだよな!?すげー強いやつ!」
「ま、待てバカ!危ないからこっち向けるんじゃねー!名前はエクサスターガンだ!」
「うるせー!さっさと手を挙げろ、悟!!抵抗してもしなくても撃つぜ!!」
「撃つのに手を挙げるバカがどこにいるんだ、バカ!」
おおおおお!これやべー!強盗ごっこで遊べるじゃん!!マジで雰囲気あるじゃーん!!だが、ここで調子に乗ってやられるのが脅し役のパターン!だから俺は迷わず撃つ!
「あ、隙あり!雷之ヒット」
「ほらな!!エクサバーストだ!!!喰らえ悟ー!!」
「あ。れ、烈ぅー!!!」
[ずがあああああああぁん!]
ま、眩しい!なんて危険で眩しい光なんだ!やっぱりこれって危険すぎる武器だな!悟のやつ、よくこんなものを持ち歩いていられるぜ。水鉄砲のほうがよっぽど悟に似合ってるよなあ。
悟のやつはどうやら消滅したらしいな!お前のことは忘れねーぜ!
「っと!魅異ー!いるかー!?」
「呼んだ~?」
今回は徐々に姿が浮かびあがってくる登場か!もう見飽きたけどな!
「悟のやつを復活させるついでにこれを渡しといてくれ!」
「エクサスターガンだね~。って、あのさ~、もしかして私を便利屋か何かだと思ってない?」
「違うのか!?」
「違わないけどね。でも今回は必要ないから返しておくよ~」
必要ないだって?どういうことなんだ?外で持ち歩いてたほうが充電が溜まりやすいからとかそんな感じか!?ん、あー、そういえば太陽光で充電とか言ってたような気がするぜ!悟が!
「そうじゃあなくてね。そもそも今回、悟を復活させる必要はないんだよ~。だからエクサスターガンは烈が持っててね~」
「え?ええ!?ど、どういうことだ!?やい魅異!それはなんかまずいだろ!っていうか友人として薄情じゃねーか!!」
「ふふふふ~。烈なら知ってると思うけど、悟って主人公でしょ~?」
「ん?あ、ああ、おう。あいつ自分で言ってるからな!悟ンジャーの主人公なんだろ!?」
詳しくは知らねーけど地球でやってたテレビ番組だったか?その主人公だってな!あ、でも悟の話だと黒悟が主人公だったらしいから実際は違うな!
「まあ、悟ンジャー以外にも主人公やってるんだけどね~。今回、悟ンジャーとは違うほうの件なんだけど、悟は主人公じゃないんだよね」
「だ、だから生き返らせないってのか!?」
「ふふん、でも考えてもみなよ~。幽霊って楽しそうでしょ?」
「……ああ!寺の連中は能天気そうで羨ましいぜ!俺ほどじゃあねーけどな!!」
「悟が幽霊になれば?」
「悟は楽しい!な、なるほど!」
あいつのことだから寺のやつら以上にのーてんきなはず!確かに復活させなくてもいいかもしれねーな!むしろ俺ならその辺を飛び回りたいから復活させてほしくないね!
いやあ、それにしても正直ちょっとびびった!魅異がなんか企んでるマッド野郎にでもなったのかと思ったぜ!疑いすぎは心に毒だな!
「知りすぎたら、ねぇ~?なってほしくなかったら余計な詮索しないでよね~」
「勝手に心を読んで悪乗りすんじゃねー!」
城の中に入って結構な数の部屋を回ったが、まだ一階の半分くらいじゃねーかよ!広すぎるだろ!しかも同じような部屋ばっかりだしよー!
「この階段のある中央以外はどこいっても同じような気がする!」
「うふ、それは私の心があの方へと向かっているからです、だってば」
「うお!?」
こ、こいつはアミュリー!空から降りてきた、っていうか降ってきたのか!そ、そんなことよりも!こいつの服、いつもと違う!なんかお上品なドレスっぽいひらひらしてる服装だ!!
「似合う?……だっけ?」
「み、見た感じすげーいいんだけどよ!だが、な、なんていうか」
こいつがドレスを着るのかー!?俺のイメージではアミュリーはおしとやかって感じじゃねえからさ!なんていうの、違和感がある!確かに、神社の奴らの中では一番着そうだけどさあ!
「ふふ、ありがとうございます、だってば」
「ぶるぶる」
「今からあなたをわが主の元へと案内いたしますだってば。こちらへどうぞ、だってば」
「なあああぁっ!だあああぁっ!アミュリー!頼むからふざけてくれよぉ!!の、ノリノリなところ悪いけどよ!そんなに謙虚な対応されると気になっちまうんだよぉ!」
別にドレスはいいんだ!だけどこいつが冗談でもなさそうに上品ぶった対応するのはな、どうしても違和感が拭いきれねえ!だってあれじゃあ客に対する話し方だぜ!俺たちもうちょっと軽いノリで話してたろう!?
「まあそんな、恥ずかしくて照れてしまいますだってば。あまりお気になさらないでくださいだってばぁ」
「……いや待てよ!なんかあまりにも様子がおかしくねーか!?」
「どうかしましたか、だっけ?」
「あまりに大人しすぎるな!はっきり言って相手にする必要もないぜ!」
アミュリーは催眠術かなにかで操られてるとみた!偽者ならそもそも本人らしく振る舞うはずだからな!そして大人しくさせられてるなら無視して進めばいい!!
「あ、お待ちになってだってばぁ!」
はははっ!本人の意思じゃないとわかればまったく気にならないぜ!!
やっぱり上だったか!ついに偉そうな間に到着したぜ!でっけー椅子にはちっこいやつが座ってるな!不釣合いもいいとこだ!
「……アルテ!!」
近づいたらやっぱりアルテだ!まあこいつがこの帝国のトップらしいからな!こんな感じでいやがるのは当然か!
「お、君は。久しぶりだねー」
「ようやくここまで来れたぜ!アルテ、俺を家に帰してくれ!手荒なことはしたくねえんだ、頼む!」
「私は構わないよ?手荒なことする?」
「間違いなく俺が痛い目見るだろーが!するわけねえだろ!」
そもそも毬の島でとっくにやられてるからな!その延長線で今の状況になってるんだ!これ以上状況が悪くなったらもう帰れねーよ!
「ふふふ。私はね、究極の力を手に入れたんだよ!」
「え?な、なんの話だ!?」
「究極魔学科法!今からその力を見せてあげるよ!自分の中にある世界に連れてってあげる!パーテ・レパンチュ明けの帰路」
な、なんだ!?周りの風景が変わっていくぞ!!どうなってんだー!?
いつの間にか周りが雪景色になっちまった!しっかも今降ってやがる!なんだここ!?まったく見覚えのない野外だ!あ、離れたところに小屋があるな!
「あれ、小屋の外に人影が!あいつら、ど、どこかで見たような?」
小さい小学生?が二人に、大人一人、中高生が一人か?なんにしても寒さをしのげるチャンス!だ、だが慣れない寒さで体があんまり動かねえ!
「ここでは死なないけど、出るのに時間が掛かるよ~」
「うお!魅異!?」
「いつもの救済に来たよ~。今の状況の説明でもしようか?」
なんだって?じゃあ俺はもう抜けられない状態に陥ったってのか!?アルテのやつ、なんてえげつない攻撃をしやがるんだ!
「一体なにがどうなってるんだ!?アルテの仕業か!?」
「事故、かなぁ。アルテのさっきの技は、相手をその人の心の世界に連れて行くんだけどね~。ここは烈の心の世界じゃないんだよ」
「ああ!見覚えない!」
「別に見覚えのある場所になる技じゃないけど。ま、とにかく別の心の世界に飛んだんだよね~。そう、こここそが魔学科法の持つ心の世界だよ~」
ま、魔学科法の心の世界?なんだなんだ、アルテの奴、究極とか調子に乗ってたからやらかしたのか!?暴発したとか!!
「詳しくは省くけど、さっきの烈は魔学科法の体だったんだよ。だからここに来ちゃったんだ~」
「そ、そうなのか!よくわからねーけど!」
「そうそう。ちなみにここは出るのに数百年から千年は掛かるからね~。興味あるなら見てく?」
「ない!!」
「そう?じゃあ帰れるようにしといたから帰りたい場所にその内着くよ~」
「よっしゃ!寮に帰る、寮に帰る、寮に」
お、おおお。見覚えのある部屋まで戻ってきたぞ!ここは、ここは?
「おー、早いお帰りだね、烈」
「ここはぁ!?嘘だろぉ!?なんで帝国の城に戻ってるんだー!?アルテ、まさかお前、魅異の力を上回って俺を引き寄せたんじゃ!?」
「……ふふん、そっかそっか。ついに気づかれちゃったかぁー!」
やっぱりか!!そうだよ、魅異のやつは帰りたい場所にその内着くと言った、確かに聞いた!そして俺は寮の部屋に帰りたい、間違いなく帰りたい!ここは城、……超素敵!
これはもう、アルテが魅異の言葉を覆すほどの力を持ってるとしか考えられねぇ!!
「私はきゅーきょくまさじゃ、アルティメット!前に会ったときとは一緒にしないほうがいいよ!」
「魅異を超える称号、究極のまさか!どーいう意味だ!?」
「いや、それはむしろ意味がわかるんじゃないかな。きゅーきょくまさじゃ、君は永久に百年間ここでお休みするって意味だよっ!」
百年なのか永久なのかどっちだよ!?し、しかしこれはやべえ!なぜだかアルテは俺を飼い殺しにするつもりだ!こうなったら幻の必殺技、烈々烈拳を今度こそ使うしかねー!!
「必殺技を撃つための隙を作る!そらそら!烈様のげんこつはいってーんだぞ!」
[もうっ]
「あはははは、なにやってんのさ?それじゃあビクともしないよ?」
「げげ!な、なんだ!?強めに殴ってるのに全然手ごたえがねーぞ!」
殴った感触もしねーし、アルテの髪一本すら動いた感じはしなかった!はじかれてもいねえ!くー、謎のバリアーでも使ってるのか!?
「こっちからもいくよ!水圧圧縮砲!」
「は!?」
[びゅうぅーん!]
い、今、アルテが水鉄砲を出して水の弾を撃ちやがった!当たりはしなかったけど!え、アルテなら確かに使えるとは思うが!あれは悟の技!
「お、おいちょっと!!」
「空気圧圧縮砲だよ!」
[ひゅうぅー、もうっ]
う、ぐあああぁ!あ、当たっても吹っ飛びはしなかったが熱い!空気の弾が当たった胸の辺りがじわじわ熱い!これじゃあ熱気じゃねーか!!熱気圧圧縮砲に改名しろよなっ!
「あちち、おめー悟だな!?見た目全然違うけどそうだろ!」
「ふん、ばれたか。そうだ、俺だぁ!」
うおおおぅ!アルテのやつが身を丸めて立ち上がったら、悟になってた!その身長差はパッと見で二倍!悟め、ついに身も心も変人じみてきたな。いつかはああなると思ってたんだよ!
「悟!おめーの女装変装趣味については何も言わねーからよ!目的とかを、いや!目的とかいいからさっさと俺を寮に帰しやがれ!」
「くっくっく。そうはいかないなぁ、烈よ。お前は知りすぎてしまったんだよ。お前には永遠にここにいてもらう!」
「なにぃっ!?……いや待て心当たりが一つもねーぞ!俺がなにを知ってるっていうんだ!」
「うるせー!とにかくぼこぼこにしてやるから眠ってやがれ!水圧分裂砲!」
「ぐっ!」
くそぉ!腕やら頭やら当たった箇所が熱くてしかたねえ!こうなったらやるしかねーのか!?
「ふはははは!烈!お前が幻の必殺技を隠してることはお見通しだ!だが俺とお前の実力差は果てしない!主人公たる俺にはちっとも巻ける要素はない!なんせ俺は接近戦もできるからなー!」
「なんてやつだ!まったく隙がねえ!」
離れていれば魔法弾を喰らうし、近づけば多分パンチだとかハエ叩きが飛んでくるんだろ!?悟の話はよく耳に入るから知ってるぜ!結構不意打ちされるらしい!
悟相手なら不意打ちだけは勝てる!だが一回だけだ!……よし!!
「さ、悟ー!!後ろにある黄金の宝はなんだぁ!?」
「なにっ?」
「今だ!幻の必殺技あああぁっ!!!」
悟が後ろを向いてる間に突っ込むぜぇ!うおおおおおおぉっ!
「はっ!く、ハエ叩きアタ」
「エクサバーストだけどな!!」
「え?」
[ずがあああああああぁん!]
「勝ったあああぁっ!…………ん?」
こ、ここは寮の俺の部屋!よっしゃ!ついに、ついに帰ってこれたのか!!へっへ、悟のやつめ、俺の知的な不意打ちにまんまと引っかかりやがって!
「あー。……夢?」
うぐぐ、なんだかさっきの出来事が夢だったような気がしてならねーんだが!そんなわけないよな!?こうなったら確認するしかねえ!!
「悟はどこだぁ!?出てきやがれー!!」
「うおぅ!?な、なんだ烈か。朝から騒ぐなよ」
あ、外にいたか!そうだ、そういえばエクサスターガンを渡すんだったな!さっきのが夢じゃなければ撃った後ポケットに入れたはず!
「って、エクサスターガンがない!?や、やっぱり夢だったっていうのか!?」
「ん?あー、エクサスターガンといえばお前、よく無事だったな?運のいいやつめ」
「な、なに?また急展開か!?」
「はい?いや、昨日の話だけど。まさか烈、覚えてないのか?俺の華麗なる逆転勝利だっただろ!」
おおう?まったく俺の記憶にはないことを悟が言ってやがる!だがどうやら昨日悟には会ってたみてーだな!!
「それは城の中でのことか!?」
「城の入り口だ!ていうかお前いつの間にかいなくなってたな?まあいいさ!俺の逆転劇ってのはな、まずお前の汚いだまし討ちによって俺はエクサスターガンを奪われた!」
「悟を蹴り倒したあれか?」
「げ、覚えてるじゃないか!そ、そう。そして烈がエクサバーストを撃ったわけだが、その前に俺は雷之ヒットシューズで銃の向きを変えたんだ」
「なんだと!」
「エクサバーストは烈の頭上を飛んでお前は気絶した。思い出したか?」
言われてみればそうだったような気がするー。あああ、俺の頭脳プレイはなかったことになってしまうのかぁ!!
い、いやだが得たものもあったはずだぜ!そうだ!俺はあの夢の中で幻の必殺技を得た!この技さえあれば悟くらいどうってことない!
「だがな、悟!俺の必殺技を見れば腰を抜かすぜ!!幻の必殺技、……あれ?な、なんだっけ!?」
えーっと、えっと、れ、烈拳?烈パンチ?あ、あれぇ!起きるまでは確かに覚えてたはずなのにー!!全然思い出せねええぇ!!!
「ああ、昨日も言ってたな。幻の必殺技」
「なんだとぉ!?悟ー!!なんとしても思い出すんだー!!!」
「うるせー!」
あの技は名前から思いついた必殺技なんだよぉ!!練習してないから名前聞かねーとどんな感じなのかもわからねーんだ!!
「頼むよ悟ー!!名前から思いついた未完成技なんだぁ!!名前を聞かねーと練習もできないほど幻の必殺技なんだぁ!!!」
「知るかー!そんな技、幻のまま消しちまえー!バーカ!」