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第6部分 雌(オンナノコ)の生物学的意味および月経の本質

第6部分 オンナノコの生物学的意味および月経の本質



男性と女性に関するホメ言葉の種類が違うのは気のせいだろうか、それとも性差別や偏見のせいだろうか。これは誉め言葉というより、ニーズと言い換えても良いかも知れないな。

ちなみにイケメンは「イケてるメンズ」が語源だというが、メン(men)は複数形だよなぁ。

それを女性に移植するとイケウイミンとなり、元が何だか分からなくなってしまうので、ちょっとデフォルメして、美男美女で置換しておくことにしよう。

あ、メンズには「男性向け」の意味があるんですか… あと「メン」は「面」の意味という説もあるのだとか。まあ俗語に文法を求めるのはもとより無駄なことか…。


日本語ではすっかり「爆弾」または「爆弾魔」の意味での「ボンバー」が英語っぽいスラング?として定着してしまったが、英語の文法的には「ボマー」が正しいはず。だって、かの有名な爆弾魔は「ユナ ボマー」であって「ユナ ボンバー」とは言われないもんね。ちなみに綴りは「bomber」なのでそう読みたくなる気持ちは日本人として痛いほど判るけど、4番目の「b」は無声で読まないと習ったぞよ。ま、そんなこと知っとるわ、間違いじゃないわと強弁するつもりなら、反論の余地を絶てるように「ここだけはドイツ語です!」 と力強く言い切ることだ。


世間知らずの筆者でさえ、大昔のローラースケートだったかの「東京ボンバーズ」、誰かの唄やらなにやらにも「ボンバーマン」やら「ボンバーガール」やら、グループ名でも「ゴールデンボンバー」とか、ドイツ語の例には事欠かない。でも「ガール」や「ゴールデン」はどう考えても英語なんだよなぁ…

まあ文部科学省みずからが率先して酵素の名前 「~ase」 を「なんとかアーゼ」、さらには「エナジー」を「エネルギー」とかドイツ語的エセ英語を使う見識の無さだから、我ら庶民の誤用は無理からぬ話である。



ところで… 英語もドイツ語も起源は恐らく同一の、従って今も似たような言語である。単語によっては「gift」のように英語では「贈り物」を意味する単語がドイツ語では「毒物」になったりすることもあるが、基本的には大きな変わりはない。

同様にオトコもオンナも似たような人類には違いないが、その人格や能力は生物学的な役割の差異によって当然異なる。アホが騒ぐかも知れないが、これは区別であって差別ではない。



各個それぞれバラバラに暮らすのであれば、各個が自身に関わること全てをいちいち完遂する必要があるのはわかるだろう。しかし同じコミュニティの中で、各個の性質や性格を生かして分業を行うとすれば、個人は主に自身の得意なコトや与えられた役割に励むことになり、それだけ能率も上がり生産性が良くなるはずだ。相利共生的に暮らす方が能率も生存率も高くなるのは当然である。


そういう利害得失の中でメスとしての役割だけは変わりようがなかった。つまり配偶子としての「卵細胞」を創り、妊娠に続いて出産、授乳、子育てという流れは極めて自然な流れである。ただし「生物」は今少しでも空いている生態的地位ニッチを埋めるように利用し、その試みが成功した生物が発展していく傾向があるため全生物に共通することではない。


例外や派生形はいくらもあって、たとえば「ツカツクリ」という大型のトリは産卵はするものの自身で暖めることがない。種類によって異なるが、卵は砂の中、火山近くの火山灰の中、腐りかかった落ち葉の中などに産み落とされ、その熱で孵化してヒナが誕生する。その日からヒナは独力でエサを捜し独りで生きていくのである。


そうかと思うと「ホトトギス」や「ツツドリ」や「ジュウイチ」のように托卵をたくらんでいるトリもいる。これら「カッコウ」の仲間は体温の恒温性に乏しく孵化させるのに必要な体温が変化しすぎて… という弁明はあるにしても、托卵される側の「ウグイス」や「センダイムシクイ」や「オオルリ、コルリ、ルリビタキ、コマドリ」や「ホオジロやモズ」などはたまったものではない。なんせ大きさこそ少々大きいものの、卵の色合いまで似せた卵を勝手に1つ産み付けられる代わりに、元々の卵は1つ捨てられ減っているワケで、よほどしっかり観察しない限り気付かないだろう。しかも托卵された卵が孵化するやいなや同じ巣の中の卵やヒナまでを背に載せ巣の外に押し出してしまうため、もともとのヒナや卵は墜死や餓死させられてしまうのだから…


ちなみにこうした反射行動は孵化後24時間までと言われており、逆に宿主のヒナを排除しないかぎり自身の食い扶持が少なくなって最悪餓死することになるのだろう。逆に托卵を見破られることもあり、そうした場合宿主は巣ごと放棄して新しい巣を作ると聞いている。


こうして数羽分のヒナのエサを独占して仮親よりも大きく育ったヒナは、ある日サヨウナラもアリガトウの一言もなく巣立つのである。

不思議なことに、彼らの常食は他の生物が嫌う「毛虫」などの占める割合が高いが、毒性の有無などをどうやって知るのだろうか。


ああ、こうした托卵のタイプはニンゲンの中にもときおり見掛けるようですが… あ、いやぁ、「うじより育ち」ですから… 親がどうでも、アナタはアナタです。



さて初期の野生のニンゲンの場合、オンナには不利な点が多い気がする。野生というからには丸裸ということだ。


まずオトコで不利な点はぶら下がったイチモツである。体長に対するイチモツというか外性器の長さの比が最大なのがニンゲンだとかいう話しを聞いたことがないだろうか。筆者はまだ経験がないが、全裸で全力疾走したらさぞかし邪魔であろう。さらに格闘戦に移った場合,ここは最大の弱点になる可能性が高い。キン玉を引っ掻かれ握られ食いつかれたら、どんなオトコも悶絶するであろう。


だからといってオンナが有利、ということはない。オンナの股の外性器は肉の切れ込みにしか見えないが、「バスト」という生存には邪魔でありつつ魅力的なものがついているではないか。大きさは人それぞれのようだが、これはこれで全力疾走には適していない。短距離でも長距離でも「巨乳の陸上選手」は滅多にいるものではない。また筋力も体格も通常はオトコの方が性能面では上を行くだろうし、肌の質や体毛の存在もやぶくさむらそして森の中ではオトコの方が有利ではないだろうか。


さらに決定的なのがホルモンバランスと性周期の存在である。女性はホルモンバランスによってしばしば周期的に人格や性格が変化する。ぼおっとしやすい時期、人によっては耐え難い腹痛を継続的に感じる時期、そして具体的に外性器から出血する、いわゆる月経、生理の時期。


海で血を流すとサメやらなにやらの捕食者がその匂いを慕って集まると言われるように、陸上でも血の匂いを垂れ流しにすることは大変危険である。ではそんなリスクを冒してまで「月経」制度を存続させる意義はなにか。

そもそも月経自体は約5000種ほどの有胎盤類のうちの100種(2%)未満ほどにしか見られない、稀な現象なのだそうだ。脳下垂体からの主に2種類のホルモンの消長に従って性ホルモン2種類が消長を繰り返す中の特定の時期に排出される「血液様の子宮排出物」、それが月経なのだという。


月経のある動物の例をいくつか挙げてみよう。

翼手目

 ナミチスイコウモリ、パラスシタナガコウモリ、タンビヘラコウモリ類

長脚目

 ハネジネズミ属:てのひらサイズだが、ゾウやマナティ等と同じアフリカ獣上目もく

登木目

 ツパイ類

霊長目

 フサオマキザル、アカゲザル、ニホンザル、クロザル、ヒヒ類、ウーリーモンキー属

 チンパンジー、ゴリラ、ボノボ、オランウータン、そしてヒト(ホモ サピエンス)

 

これらの生物に共通するのは、一度に出産する子の数が少なく、その分妊娠期間が長いものが多いということだ。


つまり、こういう天秤だ。

「臭いや行動で襲われる親のリスク」  

「産んでから失敗作だったことが判明するリスク」

月経制度が存続しているということは、親の生存率や子供の出来栄えから見て「臭いや行動で襲われる親のリスク」の方が小さかったことを意味している。



ニンゲンの場合、未受精卵が受精能力を持つチャンスは約4週間のうちのせいぜい2日ほどしかない。母は排卵した未受精卵が受精した場合に備えて、排卵ごとに「子宮内膜」を厚くしておくのだ。首尾よく受精が成立した場合、受精卵は「子宮内膜」に取りつき、酸素や栄養や受け取るための枝状の組織を「子宮内膜」内に潜りこませてくるわけで、このときになってから肥厚させてもタイミング的に遅くなってしまう。下手すりゃ子宮自体が傷つけられ、大量出血するかも知れないワケだ。


では受精不成立ならば…?

肥厚させ過ぎた子宮内膜を改めてアポトーシスで分解して体内に取り込むよりは「捨てて新しいの作っちゃえ」的に体外に出す方式を選んだのだろう。子宮は膣や外性器に直接繋がっており、精子だけでなく様々な病原または非病原生物に汚染されることが確実であることも原因だろう。


どこかで読んだ仮説(たしかイギリスのナントカ大学)だが、意味的にはこんな一文だったと思う。

要するに、受精卵が子宮内膜に取りつく過程で、実は子宮内膜が受精卵の品定めをしている、というものである。つまり子宮内膜は健全そうな卵ならとりつかせて胎盤の形成を許し、非健全たとえば卵割(発生時の細胞分裂のことで、別れた細胞即ち割球はいちいち成長しないのが特徴。着床する頃には桑実胚くらいまで胚発生が進んでいる)がうまくできなかったり染色体構成等の異常であると自身に近づかせないなど、受精卵の選別とも言える行動をするという。その仕組みはわかってはいないが、おそらく「免疫」のシステムと類似する部分があるのだろう。


これを「コスト」の観点から見ると、遺伝やら系統やらに問題のある受精卵が着床した場合、それを子宮内で育てるコストとリスクと期間はそのままムダになるワケだ。ならば外敵によるリスクを無視または軽く見積もることができるならば、子宮内膜ごと切り離して、変な遺伝子の組み合わせを持つ個体は淘汰してしまえば良い。こうして少ないコストで有望な子孫を得やすいカラクリとして「月経」という仕組みが進化したということなのだろう。無論諸説あるのは当たり前のことだが…



具体的に言うと、これらの生物の祖先は「貴重な受精卵を毎度新設する子宮内膜に御案内する方式」を選択したのである。そう理解したうえで、改めて動物の例を眺めてみて、ちょっとしたことに気付いてしまった。


今回注目したのは棲家または生活形式である。

翼手目

 ナミチスイコウモリ、パラスシタナガコウモリ、タンビヘラコウモリ類

➡ 空中移動で洞穴(しかも天井部分)生活。臭いをたどるタイプの捕食者はなさそう


長脚目

 ハネジネズミ属➡主に地中に棲息。臭いをたどるタイプの捕食者はヘビ

登木目

 ツパイ類➡樹上生活。臭いをたどるタイプの捕食者はヘビ

霊長目

 フサオマキザル、アカゲザル、ニホンザル、クロザル、ヒヒ類、ウーリーモンキー属

 ➡基本樹上生活。臭いをたどるタイプの捕食者はヘビだが、大型ヘビは樹上にはいない。

ヒヒ類だけは草原の生活者であり、ライオン、ヒョウ、チーター、リカオンなどに捕食されることもあるが、群れで抵抗して撃退に成功することもある。

 チンパンジー、ゴリラ、ボノボ、オランウータン、そしてヒト(ホモ サピエンス)

 ➡森林および樹上生活。普通の大きさのヘビでは襲えない体格と抵抗力、そして群れでの攻撃力を持つ。ただしヒトは… これから述べて行こう。


上の見た通り、これらの動物に関しては「血の匂いを嗅ぎつけて捕食者が襲ってくる」ことはあまり考えなくても良いのかもしれない。

改めて嗅覚の良い捕食者の代表を挙げると、

 イヌの仲間:オオカミ、コヨーテ、リカオン、ヤブイヌなど

 ネコの仲間:ライオン、ヒョウ、チ-ター、トラやヤマネコ(上の動物と生活圏のカブリは少ない)

 クマの仲間:アフリカに不在。動物例にはアフリカに棲むものが多く、生活圏のカブリは少ない


つまり以下のどれかのような生活スタイルであれば、イヌやネコの仲間からの捕食はあまり考えなくてもよさそうだ。


 ①樹上生活

 ②飛行および洞穴生活

 ③体が大型で抵抗力が強い、または群れによる集団防衛行動がとれる動物


もしかして… 共通項が見えてきた気がするぞ。ヒトはアフリカの類人猿出身であるというのが定説であり、①と③が該当するではないか…

ただそれはそれとしても、オンナノコが毎月腹痛で苦しむのはかなり気の毒な気がするが…

かといってオトコノコが腹痛で苦しむのは今更イヤだぜ。


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