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9/64

・開拓2日目 石材で増築された土の家 1/2

 最後にピオニーが残った石材で出入り口をふさぐと、倉庫の密封の完了だ。

 飾り気のないシンプルな建物だったが、高さ4m、横幅5m半もある石造りの倉庫は惚れ惚れするほどに立派だった。


■■■■■■■

■     ■

■     ■

■  倉  ■

■     ■

■     ■

■■■■■■■


 ところでこうなると『錆鉄』と『砂利』が邪魔ったく感じられてくる。そこでこの機会にどこかへ処分してしまおうかとインベントリを開くと、パネル上にアナウンスが表示されていた。


――――――――――――――――――――――

〈累計2種類の建造物の建設を確認。〉

〈加護・ビルド&クラフトがランク3に成長しました。〉

〈以下のクラフトが開放されました。〉


・シンプルなテーブルとイス

  材料

   建材 ×4


・草のベッド

  材料

   繊維  ×1

   葉や茎 ×20


・大きな壷

  材料

   土  ×2


・小さな壷

  材料

   土  ×1


・手こぎ式井戸

  材料

   石材 ×20

   金属 ×5

   繊維 ×5


〈パーク、【オブジェクト1/2化】を獲得しました。〉

――――――――――――――――――――――


「どうしたですか、ノアちゃん?」

「どうもこうもないよ、これを見てみてよ」


「へへへ、なんだかニコニコしてますねー! は、はうあぁっっ?!!」

「いちいち反応いいよね、ピオニーって」


 けど正しく『はうあ』だった。テーブルにベッドに壷に井戸。これがあれば俺たちの生活は最高だ。

 水をたらふく飲める井戸が欲しい。ゆっくり休めるイスが欲しい。快適に眠れるベッドが欲しい。芋を保管する壷が欲しい。壺は食事や煮物にだって使える。


「いいですねっいいですねっ、どれから作りましょう!」

「テーブルの方は『建材』って表記がなんだか曖昧だね。それと『オブジェクト1/2化』ってなんだろう……」


「あ、パークの項目に説明がありますよ!」

「え、そうなの? それってどこに――あ、本当だ……」


 俺の加護なのに、ピオニーの方がパネルの扱いが巧みなような気がするのはなぜなのだろう。

 確かに画面の上部にパークという項目が増えていて、それを押すと『オブジェクト1/2化』の説明が出てきた。


―――――――――――――

【オブジェクト1/2化】

 キューブ化した素材を半分(80×80×40cm)に切り分けることが可能になる。

―――――――――――――


「使えるじゃん、これ!」

「そうなのですかー?」


「だって城じゃないんだから、壁の厚さに80cmなんていらないでしょ。40cmでも十分過ぎるほど分厚いくらいだよ」

「ほへーー……。だけどピオニーは、分厚いのが好きですよ!」


「それは、まあ……わからないでもないけど。でも限度があるでしょ、限度が」


 うちの倉庫と自宅の魅力といったら、見てくれ以上に狭いその容積だろう。

 普通に考えればそれはマイナスなのだけど、今はそんな家で暮らすのがとても楽しい。


「ふふーっ、どっちにしろ、夢が広がりますねっ!」

「そうだね。それじゃ、家具を作る前に家を増築しようか」


「そうですかー? ピオニーは、狭くても全然いいですよー?」

「そこはまあそうだけど、テーブルやイスを置くとなると部屋がもう1つ欲しいよ。じゃないと起きたときに、イスやテーブルで頭を強く打ちそうだ」


「あ、それ、とっても、痛いやつですね……。確かに、そういう悲劇は避けたいです……」

「だよな……。まあそういうわけで、俺は石材を調達してくるよ。その間、ピオニーは休んで――」


「一緒に行くです! 応援のかけ声なら任せて下さい、ふんすふんすっ!」

「応援はいらないから。じゃあ採掘中の話し相手になってよ」


「いいえ、応援もお喋りもするです!」

「……そう、なら好きにしたらいいよ」


 そういうわけで俺たちはクワと手斧の両方を持って、昨日の岩盤地帯あらため石切場へと出立した。



 ・



 もしやと思い青銅の手斧を試してみると、1~2回の打撃で採掘ができることを発見した。

 地面ではなく正面方向の硬い物を崩すならば、手斧の方が少し重いけど取り回しやすい。


 ときおり休憩をはさみながら、ピオニーと喋りながらのゆっくりとしたペースで石材を集めていった。


 やがてお昼にピオニーのお腹が鳴ったので、採掘の手を止めて帰宅した。

 それから昨晩から全く変わらない食事でお腹を満たして、採掘の疲れを癒しながら土蔵の住宅で涼んだ。


――――――――――――――――――――――

 石材  ×0    /9999999

   → ×200

――――――――――――――――――――――


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