・開拓7日目 無為な一日
「ノアちゃん、前もこうだったです……」
「病気か?」
水を飲んだら少し落ち着いた。
自分の身体から血の気が感じられなくて、肌がこわばっているような感じがする。
「病気、なのですか……?」
「きっと違うよ……。ただ、この力って……それなりに負荷があるのかもね……」
「ノア、喋らなくていいから今は休め。残りはワシらがやっておく」
まともに意志疎通もできないなら休むしかない。
俺は目を閉じて、幸いなことに麻酔として訪れてくれた耐え難い眠気に身を任せた。
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荒野の土 ×60 /9999999
→ ×51(陶器の扉に)
→ ×58(扉設置により還元)
石材 ×23 /9999999
→ ×25(扉設置により還元)
石炭 ×20 /9999999
ミミズ ×40 /9999
芋(野生種) ×41 /9999
木綿生地 ×45 /9999
ハム ×47 /9999
干し魚 ×49 /9999
??????の魂 ×1 /?
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【倉庫・石の倉庫】容量:75キューブ
木材 ×3 /9999999
繊維 ×31 /9999999
アイアンインゴット ×99 /9999
→ ×96(陶器の扉に)
小麦粉 ×200/9999
砂糖 ×50 /9999
精製塩 ×49 /9999
オリーブ油 ×22 /9999
草 ×1 /9999
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【9×9の分厚く大きな土の家 】
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■ | テラス
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■ 家 ■
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目を覚ますと、夕食を食いっぱぐれていたことに気付いた。
ようやく身体が動くようになったので、白磁の美しい扉を開いて外へと出ると夕日が赤く燃えていた。
それと腹が鳴って、無性に何かを食べたくてたまらなくなった。
「ノア、平気カ!? 悪イトコ、ナイカ!?」
「ノアちゃんっ、よかった、もう立てるですかっ!?」
ドワーフたちは既に帰宅していた。
彼らは器用にも発見した倒木をそりにして、昨日から見て倍の物資をここ運んでくれていた。
「お腹空いた……」
「お昼、起こそうとしても起きなかったですよ……。とっても、心配しました……よかったです……」
ピオニーがオリーブオイルを使ったトマトとハムのサラダから、ハムだけを摘まんで俺の口に運んでくれた。
恥じらっている場合じゃないので素直に口を開けると、やっと生きた心地がした。
「美味しい……」
「ノア、無事、ヨカッタ……」
「ノア、俺タチ、女神……」
「それはもういいから。もっともらってもいい?」
「はいはい、あーんっですよー♪」
「……そういうのされると食べにくい」
だけど空腹の方が勝っていたので、厚いハムをもう1つもらった。
今日は倉庫を拡張して井戸を作りたかったのにもう夕方だ。これじゃ1日が台無しだった。
「それ、倉庫に入れるの手伝うよ。みんな今日もたくさんありがとう」
「無理、ダメ」
「ノア、休メ。ノア、希望」
「もう十分過ぎるほど寝たよ」
ドワーフ2人が集めてくれた物資を、倉庫へと運んだ。
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【本日の採集結果】
木材 ×2
繊維 ×1
草 ×27
サボテンフルーツ ×少々
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【倉庫・石の倉庫】容量:75キューブ
木材 ×3 /9999999
→ ×5(採集で)
繊維 ×31 /9999999
→ ×32(採集で)
アイアンインゴット ×96 /9999
小麦粉 ×200/9999
砂糖 ×50 /9999
精製塩 ×49 /9999
オリーブ油 ×22 /9999
草 ×1 /9999
→ ×28(採集で)
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目立ったものといえば、たくさんのサボテンフルーツを収穫してくれていた。
口にしてみると甘酸っぱくて、たまっていた疲れによく効いた。
「大理石、ミツケタ。コレ、ミロ」
「イッパイ、アッタ。大理石、金、ナル」
「本当に大理石だ。だとすると……これ、大発見じゃないか!?」
石切場の玄武岩よりも、こっち大理石の方が断然売値も高い。
これを採集してポート・ダーナで売れば、道具なり素材なり、もっと色々な物を調達できるだろう。
「コレ、地図。オレ、書イタ。コイツ、違ウ」
「ゴニョ!? 大理石、ミツケタ、オレ! コイツ、違ウ、オレ、オレ!」
「ニョゴッ!」
「ニョッ、ゴニョォーッ!?」
俺が差し出したメモ帳に手書きの地図が生まれていた。
このドワーフ、見た目は純朴だがかなりの絵心があるようだ。
そこに描かれた岩山や目印の数々はわかりやすくデフォルメされていて、なんだか見ているだけでワクワクしてくる夢のある仕上がりだった。
「そうだ、よかったら君たちの家の床に綿織物を敷こうか? テーブルとイスも作っておかないと」
「平気。土、床、オチツク」
「デモ、テーブル、欲シイ」
「なら今から設置に行こう。土と石、どっちがいい?」
「土!」
「土、テーブル! 面白イ!」
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・シンプルなテーブルとイス
材料
建材 ×4
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ドワーフの家に行って、荒野の土を原材料にテーブルを作った。
するとなんとそれも陶器製の家具になって、石よりもずっと優美に見えるほどの上等な家具になった。
もちろん彼らも大喜びで、がんばったかいがあったと俺も嬉しくなってしまった。




