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・開拓6日目 分厚く大きな土の家の内装作り - 水のテーブル -

――――――――――――――

・シンプルなテーブルとイス

  材料

   建材 ×4

――――――――――――――


 屋上から降りて暗い我が家に入ると、まずはテーブルとイスを作ろうとクラフト画面を出した。


 材料はもちろん石材だ。もしあのベッドのようにレアを引き当てたらどんな不思議の家具が現れるだろうかと、俺は期待を込めながらOKボタンに手を伸ばした。


「待って待ってノアちゃん、ここではお水で作りましょう」

「……へ、水?」


「石のテーブルはもうあるから、ピオニーは別のやつがいいと思うですよ」

「だからって、なぜに水……?」


「そんなの決まってますよー? ズババッと言ってっ、お水のイスに座ってみたいからですっ」

「うむ、なんとも恐るべき発想力じゃな……。それでノア、こういうことはできるのか?」

「なら逆に聞くけど、これがやったことのある人間の顔に見える……?」


 沼の水は蒸留して飲み水にするのであまりムダ使いをしたくない。


 ……ただ、水を家具にするというこの発想は天才的だ。家具としてまともに使えるかどうかはわからないけれど、使えないなら使えないでガラクタとして最強だ。


「うむ、ならばやれるかどうか試してみるとしよう! ワシらが沼の水から上澄みを集めるから、ノアはそれをあの四角い塊に変えてくれ!」

「ダメですか……? 私たち、お水のテーブル、使ってみたいです……」

「ダメとは言わないよ。いやむしろ、君たちのその自由奔放さを俺は見習うべきだろうね。じゃ、力仕事は任せたよ」


「うむ、そういうのはワシに任せておけ」

「ありがとうノアちゃんっ! いっぱいお水ジャバジャバさせていただくですよっ!」


 そういうことになったので沼の前まで軽く歩いた。


 到着すると岸辺にツルハシを振り下ろして、3×3×2の穴を掘る。

 それが終わるとその外周と底を石材で覆って、中央に1×1の空洞だけを残した。


「じゃ、上澄みをここに入れてくれる? 容器はこれを使うといいよ」


――――――――

・小さな壷

  材料

   土  ×1

―――――――― 


――――――――――――――――――――――

 荒野の土   ×68 /9999999

      → ×7(クラフトに)

――――――――――――――――――――――


 仕上げにクラフト画面を操作して小さな壷を作り出すと、それぞれに1つずつ手渡した。


「いっぱいに溜まったら俺がそれをキューブに変えるよ。……ん、どうかした?」

「それがなんとものぅ……。そなたの力に、ちと呆気に取られてしもうた……」

「ですねっですねっ、ノアちゃんのこういうところ、まほー使いみたいですよねっ」


「うむ。ノアがそう望めば、新興宗教の教祖くらいにはなれるじゃろうな……っ!」

「教祖? 教祖なんてやっても別に楽しくないでしょ」


 クラウジヤたちは小さな壷を片手や両手で持って、石のマスの中へと沼の上澄みを流し込んだ。

 これをキューブ4つ分となると、かなりの重労働になるだろう。


 蓮池をゆったりと眺めながら、水がマスいっぱいに溜まるのを待ってからツルハシを振り下ろした。


――――――――――――――――――――――

 綺麗な沼の水 ×1   /9999999 new!

――――――――――――――――――――――


「あ、名称が変わったみたいだよ」

「わぁー、ホントですねー。綺麗? 綺麗ってことは、そのまま飲めるってことでしょうかー?」

「それはないじゃろ」


「えー、なんでですかー?」

「ここに『沼の』と付いておるじゃろ……? 沼の水であることには変わりないのじゃろ」


「おぉぉ……言われてみれば納得です! ノアちゃんの力って、お水の鑑定とかもできちゃうんですねーっ」


 いや、そういう使い方は想定していなかった。

 応用すれば確かに、鑑定の加護みたいな使い方もできてしまうのか。


「言われてみれば便利じゃの」

「うん、今度そういう使い方もしてみるよ。これは発見かもね」

「へへへー、そうして下さいっ」


 言葉をかわしながらキューブ4つ分の水を集めて、俺たちは自宅に引き返した。

 増築により広く快適な空間が手に入ったけれど、その分だけ光が届かなくて薄暗くなってしまったのが、ちよっとしたこの家への不満だった。


――――――――――――――――――――――

 綺麗な沼の水 ×1   /9999999

      → ×4

――――――――――――――――――――――


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