勝ち目の薄い戦い
めっっっっちゃ遅れました。
多分次回も未定です。
レインに勝つ方法。
そんなものがないことは、他の誰よりも知っている。
だけど、せっかくレインと戦える数少ないチャンスだ。
俺はそう考えて、レインに勝つ方法を必死に探す。
まず、通常の攻撃は自動回避によって、全て当たらないと考えた方がいい。
正直このスキルがある時点で、勝ち目がほぼない。
常に裏面にしていた装備一式をすべて表面にする。つまり、セブン色が関わっている白い面に。
クリエイトオーダーでの攻撃は、おそらく全てセブン色だろう。
予選の映像で、あいつはプレイヤーの装備や色関係なく瞬殺していた。
俺は、そこに違和感をもった。
俺が今持っている武器は、色としてはセブン色になっている。
武器色付与という、魔法の色を武器の色に変化させるスキルを使って攻撃すれば、もしかしたらやつの自動回避を無効にできるかもしれない。
「なら、これはどう?」
どうやら、今の俺に考えている余裕なんてないようだ。
目の前にいるレインがそう言うと、今度は視界が闇に包まれる。
「影交換!」
予め後方に発動しておいた成影と入れ替わって、レインとの距離をとる。
しかし、視界はまだ回復しない。
それどころか、この場所も攻撃されている予感がする。
というより、そう予測した。
影交換でこの場所にワープすると同時に、俺はマルチオーダーで黒星様をレインに向けて攻撃していた。
"自動回避"をもっているレインはそれをわざわざ撃ち落としたりはしない。
そうする必要がないから。
俺の予想通り、レインはそんな攻撃は無視して、俺のいる地点にビームらしき攻撃をしていた。
だが、もうそこに俺の姿はない。
視界も元に戻った。
「へぇ、なるほど」
そう言って、レインはさっき通り過ぎた黒星様の着弾地点の方を向く。
「やっぱり、セブン色であれば攻撃は当たるようだな」
「さすがだ。やはり君はセブン色の存在を知っていたか。あぁそうか、知ってて当然だったね」
レインは一瞬視線を竹田さんたちの方へ向け、そう言った。
「にしても、まさかあんな形で僕の自動回避を破るとはね」
あの時マルチオーダーで放った黒星様には、ショートジャンプをトリガーさせていた。
ワープ移動する直線上にレインが来るように。
その上で、テレポートスラッシュと武器色付与を使って回避不能のセブン色攻撃を与えてやった。
とにかく、最低限レインと戦うことができるようだ。
レインの言葉には一切耳を貸さずに、ここまでずっと見せてなかったファンタズムを使う。
当然、マルチオーダーで。
テレポートスラッシュと比べると、ほんの僅かに攻撃が当たるまでのタイムラグはある。
しかし、タイムラグといっても光速の速さ。
それに、面倒な下準備が要らない点でファンタズムは非常に優秀な魔法だ。
色に関しては武器色付与を使った状態なら、自動回避を無効化できることを確認した。
俺が放ったファンタズムは、最初こそはレインに当たっていた。
しかし、3発目からはもう届かない。
「イメージウォール」
くそっ、わざわざ言う必要もない技名を。
やっぱり、イメージオーダーを使う相手には勝ち目が無いのか・・・・・・
「ドレインアイ」
レインのその言葉を聞いて、すぐに自分HPを確認する。
自分のHPは、攻撃らしい攻撃を受けていないのにどんどん減少して、逆にレインのHPは徐々に回復している。
レインに言われなければ気付かなかっただろう。
どうやって攻撃しているのかも。
見られるだけで、ダメージを負ってしまうとは。
黒煙を発動して、ドレインアイの影響下から離れる。
なにも見えなくなってしまうが、仕方ない。
「いい判断だね。それなら、キャラクターアンカー」
黒い煙の頭上に、赤い円錐状のオブジェクトが1つ浮かび上る。
「ファンタズム」
そのマーカーの真下に何本ものレーザー。
マルチオーダーではとても再現できない本数が突き刺さる。
直後、レインの背後にマーカーが現れ今まであった場所からは消えた。
成影を解除してなくてよかった。
俺は、影交換で最初にいた場所に戻った。
レインのすぐ後ろ。
ここならドレインアイの効果は受けないし、剣でも攻撃
つまり、俺は今レインの背後。
剣でも届く距離にいる。
これなら・・・・・・!
「その位置には、僕がさっき攻撃していたのを忘れているのかい?遅延詠唱」
俺がどう動くのか、レインは全て見透かしてるようだった。
レインに向けて剣を振るおうとした腕が、1ミリたりとも動かない。
いや、動かないのは腕だけではなかった。
ステータスの状態異常を確認してみると、スタンの表示があった。
このゲームでスタンをすぐに解除する方法は、ない。
強いて言えば、武田の光の再誕のように、一度死んで蘇生できるスキルや課金アイテムくらいだ。
それ以外は、時間経過での解除を待つしかない。
「しばらくそこで固まっててね。蘇生アイテムを使われると、ちょっとだけだるいから」
「そこまでしなくても、俺には普通に勝てるだろうに。いや、まぁ蘇生アイテムを使う気だったけど・・・・・・完敗だよ」
レインは常に俺の考えの上をいっていた。
俺の攻撃はすべて自動回避の効果範囲外だった。
つまり、単純な技量勝負なのに。
「いやいや、君はかなり強いよ。久しぶりに僕も楽しめたし。うちのギルドでも、5本の指に入るんじゃないかな」
レインはそう言って、俺の横を通り過ぎる。
俺が敗北したこともあり、誰も彼を止めようとはしない。
「これでよかったんだよね、セブン」
「うん。ありがとうねー、でもそこまで必要じゃなかったっぽい」
レインとセブンさんが何か話しているようだ
スタンで動けず距離も離れているから、何を話しているのか俺にはよく聞こえなかった。
「どっちかっていうと僕はさっさとこのイベントを終わらせるために来たからね、君らが防衛に回ったら他のギルドでは攻め落とせないだろう?」
「そんなこと言っちゃてー。本当はゆーさんと戦いたかっただけじゃないのー?」
「ちょ、それっぽくなるからやめてよセブン。じゃあさっさと終わらせるから」
「はいはい」
その後、俺には何があったかは分からなかったが、クリスタルは破壊され俺たちのギルドは9位で終わった。




