クリエイター
他の用事で忙しくなったので、週1投稿にします。
「くそ、もう復活しちまったか」
「おかげさまで。2回落ちたから、復活までに30秒もかかってしまった。それで、お前一人だけになったけどまだ戦うのか?」
そう言いつつ、ヘクトアールさんは後ろに指を指す。
ジェノーが引き連れてきた2人のプレイヤーは、レッドプリンさんらによって倒された所だった。
電さんとなゆさんも、上空からの襲撃者たちの処理が終わって、こっちにいた。
1対7は、俺ですら厳しい。
俺はマナチャージを解除して、後方へ移動する。
「・・・・・・負けだ。セリアとファーレイン、2人ともやられちまったら無理だ。それに___」
いつの間にか、ジェノーの体が半透明に変化していた。
ギルドのクリスタルが、破壊されたときに起こる現象だ。
「俺たちの目的はもう終わった。デュールの奴が、手筈通り破壊した。お前たちも、残りギルド数を見てみるといい。25以下になっているはずだ」
言われるがまま、メニューを開いて確認してみると、確かに24と表示されていた。
「限定スキルが貰えるのは、上位25ギルドだ。俺たち以外にも、蒼星の白夜が暴れまくっていまからな。腐っちまってるが、おかげで予定より早く終わった」
「腐っている?それはいったい?」
「お前たちもだ、U。今それを言っても意味はねぇが___」
そう言い残し、ジェノーは消えていった。
結果として、こちらの被害はヘクトアールさんとレッドプリンさんが、3回落ちただけですんだ。
「とりあえず、上位25ギルドに入れたから目標は達成したけど、上位に入れば入るほど、報酬がうまい。このまま1位を目指すぞ!!」
「「「「「「おお!!」」」」」」
先の襲撃で、ボロボロになったギルドホーム。
ホーリーフィールドを張り直し、その中に7人が集まり作戦を話し合う。
その結果、引き続き俺たちのギルドは、防衛のみを専念することにした。
電さんと俺の2人で、ギルドを強襲するという案も出たが、雷で注目を集めてしまい目立ってしまうという理由で、却下された。
やはり、リスクをおかしてまで攻める必要はないという結論に至った。
この、防衛に専念するという作戦がうまくいった。
2時間経過しても、クリスタルが破壊されることはなかった。
何回か襲撃にあったが、ジェノーほどの強敵は現れなかった。
「や~~~っと、残り10ギルドだよ!!これでようやく上位10ギルドにはいれたね!」
「それは蒼星の白夜たちが、こっちに来てないおかげだ。僕たちのような少人数ギルドが、生き残るにはまず無理。運がいい」
「俺たちみたいに、最後まで防衛しかしないって決めたところは多いみたいだね」
残り15ギルドを割ってから、どのギルドも脱落しなくなった。
マップが広く、攻める側が移動をするのに時間がかかってしまう。
攻めようとするギルドが、いないのだ。
それに、大人数ギルドがどこも脱落してしまったのも大きい。
攻め込まれる気配がいつまでたっても無いので、俺たち7人は、談笑でもしながら時間を潰していた。
この状況で攻め込まれるということは、蒼星の白夜が攻めてきたということ。
つまり、あの人がいる。
形だけの防衛を俺たちはしていた。
「どうやら、運が良かったのは、ここまでみたいだねー。ほら、あいつがいる」
残りギルド数が9になってから数分後。
セブンさんの目線の先。
ぱっと見ただけでは、初期装備をつけている様にしか見えないキャラクター。
"クリエイター"、レインがいた。
「ねぇ!戦ってみていい?最強のプレイヤーなんでしょ?」
なゆさんが、目を輝かせて俺に許可をとってきた。
なぜ竹田に許可をとらないのかはさておき、このメンバーではクリスタルが守りきれるわけがない。
「いいぞ」
「ありがとう」
そういうと、すぐ真剣な表情になってレインの方へ向かう。
スライス移動で正面からではなく、ギルドゲートを利用して背後にまわって奇襲を仕掛ける。
そうしてレインの背後に現れた刹那。
なゆさんの姿はどこにもなかった。
何が起こったんだと、ざわつくメンバー。
現れたと同時に、クリエイトオーダーで攻撃したのが見えたのは俺だけのようだ。
なゆさん自身も、自分がなぜ死んだのか分かってないだろうな・・・・・・
勝ち目はないが、せめてもの抵抗はしてみせよう。
俺は、レインの元へ歩いて向かう。
「君は・・・・・・キャンセラーだよね。久しぶりだね」
「そうだな」
そういいつつ、プリズムをノータイムで発動する。
予選の映像をみて、セブン色だけは自動回避が発動してないのを確認している。
「あぶないなぁ、セブンは痛いから嫌なんだよね」
やっぱり、当たらないか。
「自動回避をお前がもっているとはな。別にそれがなくても、まったく同じことができるだろうに」
「いやいや、オーダーに集中できるから、結構便利だよ」
今度は、レインがクリエイトオーダーで俺に攻撃してきた。
視界がグニャリと歪み、不可視の攻撃が俺を襲う。
全て超避で避けるしかない。
シューティングゲームで、弾幕をスルスルと抜けるように、正確な操作をする。
「さすがだ。これを避けたプレイヤーは君ぐらいしかいない。聞いた通り、だいぶ実力がましてる」
歪んだ視界が元に戻っていく。
よ、よけてやったぞ!!
でも、1秒しか経っていないのはおかしすぎる!
いまのやり取りだけで、疲労が貯まったぞ・・・・・・
勝ち目の無い戦いが始まった。




