空中戦
最強ギルド蒼星の白夜は、その圧倒的な実力で本戦に残った。
それ以外の予選も、全て決着がついた。
そして、いよいよ本戦が開始されようとしていた。
「さてと、いよいよ始まるね準備はいい?」
「ああ、大丈夫だ」
「いいよー」
「おっけーだよ☆」
「開始まで・・・・・・5、4、3、2、1、ホーリーフィールド!」
予選と同じように、開始直後にホーリーフィールドを張る。
ホーリーフィールド
色 白
系統 発動系
持続 永続
半球状に全ての攻撃を防ぐ、結界を張る。一定以上の攻撃を受けると消滅する。一度に3回まで発動可能。
竹田に続いて、セブンさんもホーリーフィールドを張って防御を固める。
我々のギルド、バンブーFLASHは人数が7人と少ない。
それに予選の時とは違って、本戦はどこのギルドも強い。
こちらが攻め込む暇は、無い。
そのため、最初の内は防衛に専念する。
本戦に進んだ129ギルドが、争って人数が減っていくのをひたすら待つ。
時間が無制限だからこそできる作戦だ。
この防衛作戦は、人数が多いギルド以外は大体が決行していた。
そのため試合が始まって30分が経過しても、この付近に大きな動きはなかった。
「電さん。いまの状況はどうなっている?」
ギルドゲートを経由して、上空にいる電さんとなゆさんと連絡を取り合う。
「ここがわりとマップの端の方なのは、運がよかったな、竹田。双眼鏡で中心付近を覗いているが、中央に位置していたギルドは、大体滅ぼされている」
「ぜーーーんぶ、レインちゃんとこの蒼星の白夜が、滅ぼしていったんだよ!!」
あのギルドは、12人の少数ギルドだったはずだぞ!?
なぜそこまでの攻めが、できるんだ!?
「あいつ1人に任せてるんじゃないー?何人来ても、変わらないでしょー」
セブンさんの言葉にみんな納得する。
マップ真ん中の森ではなく、少し外れた草原が開始位置でよかった。
そう思ったときだった。
「っ!!上空に敵多数!!!3000フィートも上空に俺たち以外にプレイヤーがいるとは・・・・・・!ゆー、すぐこっちに来てくれるか?」
ギルドゲートの向こう側から、戦闘音が鳴り始める。
俺は返事もせずに、ギルドゲートを伝って上空へ移動する。
移動先の目の前に、敵プレイヤーがいたのですかさず一線で斬りつける。
「うがぁ!!?」
「急に、プレイヤーが増えたぞ!?そうか、あの妙なポータルみたいなところから、ワープしてきたのか。それに、お前はキャンセラーか!?」
俺のことを知っているのか。
「電さん、なゆさん。どういう状況だ?」
「上空から、ギルドを奇襲しようっていうメンバー達だろう。下しか見ていなかったから気づかなかった」
「いきなりきて、ビックリしたー!けど、戦えるから嬉しい!!」
「とりま、距離をあけよう。範囲攻撃をくらったら終わる」
俺はそう言い、2人から離れる。
さてと。
相手の状態をみてみようか。
敵は5人。
俺やなゆさんみたいに、キャンセルし続けて飛んでいる訳ではなさそうだ。
何らかの装備か技で、ここまで上がってきたのか。
全員、緑色で統一されていて、ホーリーフィールドを破りやすい。
本当に、奇襲するための面子だ。
「キャンセラーが、いても関係ねぇ。いくぞ!!」
キャンセル技術を駆使して、相手3人が一気に距離を詰めてくる。
キャンセル戦闘では距離を詰められて、乱戦に持ち込まれると、一瞬の判断ミスが命取りとなってしまう。
3人も同時では、流石に全ての攻撃を避けるのは厳しい。
そのため、近づかれる前になんとかするのがセオリーだ。
スラッシュで後ろに少し動き、ダークシャワーを3人を射程の中にいれて、撃つ。
ダークシャワーは本来、発射までに時間が掛かる。
しかし、これをイメージオーダーで無理矢理改変。
即、発射するようにし、俺の全MPを殆ど消費して最高威力になるようにする。
クリエイトオーダー程ではないが、イメージオーダーでも似たような芸当はできる。
「なっ!?!?」
「しまっ!!!ぐわぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
突然、即死級の範囲攻撃がノータイムで襲いかかったのだ。
先行していた2人は、回避する間もなく爆散。
後ろにいた1人は何とか回避するも、一部被弾したようで、HPが僅かになっていた。
今度は逆に、こっちがスライス移動でそのプレイヤーに接近する。
相手も、必死に緑の魔法で抵抗する。
スラッシュや、超避などでスルスルと回避していく。
俺は別に、キャンセル戦闘が苦手というわけではない。
その気になれば、3人を相手にすることは苦ではない。
全ての攻撃を避けきれただろう。
でないと、俺はキャンセラーとは呼ばれていない。
楽な方を選んだだけだ。
「ふう、こっちはおわった」
のこっていた相手に止めをさし、電さんとなゆさんの方を見る。
少し苦戦していそうだけど、なんとかなりそうだな。
しかし、加勢した方が良いだろう。
そう考えて、2人の元に向かおうと思ったとき、パーティーメンバーのHPバー表示をみて、窮地に陥っていることに気がつく。
ヘクトアールさんと、レッドプリンさんのHPがなくなっていて、死亡状態。
竹田はかなりのダメージを負っていて、セブンさんは瀕死の状態になっていた。
相当危険な状況なのだろう。
慌ててメッセージを確認する。
・・・・・・やはり、竹田から1通とどいている。
内容は、短くこう書かれていた。
「すぐもどってきて!!」
A2のPvPは実力が拮抗してないと、あっさり決着がつくことが多いです。主人公やレインが良い例




