攻防戦予選3
「来たねー。ゆっきー、なゆさん。掃除する準備はできた?」
「できたよー!さっさと片付けちゃおうよ」
「俺も大丈夫だ」
なゆさんはやる気満々だな。
「それじゃあ、はじめるか」
「出てきたぞ!!3人しかいない!楽勝だな!!」
「しかし、ホーリーフィールドを使える奴がいる。そいつには注意をしろ!」
拠点の外に出てみると、そんな声が聞こえた。
「どうする?反対側を黒星様で片付けてこようか?」
「任せる。なゆさんは、あの指揮官っぽいの最初にやっつけちゃって良いよ」
「やったー!!じゃあ倒しちゃお~」
そう言ったときには、もう彼女の姿はない。
「もう倒しちゃったー!」
「なに!?おまっ、いつの間に!?ぐぁああ!!」
「しゃべる暇あるなら、たたかってよねー!」
それどころか、もう何人もキルしていた。
こんなことは、圧倒的なキャンセルの早さがないと実現できない。
俺と同じ、1度技を使ったらずっとキャンセルをし続けることが可能な、数少ないプレイヤー。
俺を除くギルドメンバーの中では、なゆさんしかできない。
まだまだ粗い部分があるが、キャンセルのセンスは俺以上にあると思ってる。
実際に俺が、なゆさんにスライス移動のことを教えたら、すぐにできるようになっていた。
「なゆさん1人に、任せるわけにいかないな。こっちの仕事も終わらせよう」
こう、相手の数が多いときは、黒星様を使っているだけで殲滅できてしまうのは、強すぎる。
「なにがどうなっているんだ!?!?やめっ、ぎぃあぁぁぁああーー!!」
触れただけで、相手が散っていく。
オウレリア・アーキテクトって、ステータスは成長しないから、対策してないと最上位プレイヤーでも即死すると思うと・・・・・・
くろほしやべえ、としか出てこないな・・・・・・。
しかし、黒星様は軌道が逸れる逸れる。
人数が減ってきたら、本当に当たらなくなる。
そうなる前に、ショートジャンプでワープする。
残った敵を、剣で切り伏せる。
「こんなのにも、反応できないのか・・・・・・」
俺のなかで、エリア50に到達してないギルドは、その程度だと実感した戦闘だった。
そもそも、エリア50にたどり着けてないギルドというのは、キャンセル技術に気づいていない場合が多いのだ。
技をいかに効率的に使うかが、重要なゲームなのに、装備が重要だと勘違いしている人たちだ。
そんなことは知る由もなかった。
5分と持たず、攻めてきたプレイヤーは皆散っていった。
「なゆさん1人だけでもよかったね。俺だけでも、光剣召喚で時間稼ぎすれば、普通に追い返せたね」
「だねー。最初はすっごく楽しかったけど、つまんなくなっちゃった」
「ホーリーフィールドも、殆ど傷つかなかったしな」
全てのプレイヤーを倒した3人。
「3人とも、終わったみたいだね」
「あ、電さん」
そんな様子を観察していたのか、電さんがわざわざ下に降下してきていた。
「ねーえ!ここまでくるなら、レインを解除してよね!!濡れるの好きじゃないんだけど!!」
「い、いや、別にいい___」
「それにっ!私たちの援護すれば良いじゃない!なんで、終わった後にくるの??」
「はい・・・・・・すみません」
レインが解除され、雨が急にやみ青空が広がりだす。
「まあまあ、電さんには俺が、これが終わったら連絡係を変えようって伝えていたから。なゆさん、竹田をセブンさんたちの所に、送り届けてやってくれ」
「・・・・・・いいけど、防衛の方はどうするの?あれがやる訳?」
「そうだけど、俺も防衛まわったほうがいい?それだと、なゆさんが連絡係になるよ?スライス移動で上空漂いつつ、ギルド見つけたらセブンさんたちに伝える。やる?」
「めんどくさいからいあ!・・・・・・もー、わかったよ、電ちゃんにまかせるね」
「助かる。あと、セブンさんたちに、連絡係が俺になったって伝えて」
「はーい!じゃあねーバイバーイ」
そういって、竹田と共に姿を消した。
「じゃあ、電さん。頼んだよ」
「まかせろ、ゆーもちゃんと仕事もしろよ」
「わかっている」
役目を果たすため、ワープ用ダークショットを使ってから、俺も拠点からはなれた。
俺の場合は電さんみたいに、高高度から偵察ではなく、50m位でギルドホームを探し回っていく。
生き残っているギルドが見つかったら、雷を・・・・・・じゃなくて、普通にメッセージで伝える。
あんな、いかれた連絡手段なんかとらなくてもいいのに。
セブンさんたちが、攻めこんでいる間に相手のギルドホームを見つけたら、俺が攻め落としてしまう。
いちいち奇襲を仕掛けるのも面倒になったので、真正面から。
いつものあれで。
そのほか、プレイヤーを見つけたら上から狙撃したのち、剣もって突っ込んでキルをする。
そう、通り魔プレイをしていく。
電さんよりも優秀な連絡係だろう。
それから、1時間半後。
あれからは、ギルドは1度も襲撃をうけることもなかった。
そして、他の全ての拠点を潰すことに成功した。
エリア50に到達していたギルドは俺たちの所だけだったらしく、あっさりと勝ち上がることができた。
そういうギルドは、俺たちのも含めても3桁こえていない。
なので、参加した1万以上の中から100なので、そうそう上位ギルドに当たることはないのだ。
俺たちとって、予選は前座に過ぎなかったのだ。
余談だが、この予選が終わった後に、俺は皆から頭おかしい人認定をされてしまった。
どうしてだ?セブンさん達より、拠点の破壊をしてしまったからか?
わからない。
あげく、電さんの方がちゃんと連絡係してたと、言われてしまった。
なぜだ?あれの方が酷いと思うのに。
俺は、空いた暇に他ギルドを壊滅させてただけなのに・・・・・・
わからない。




