攻防戦予選2
主人公視点にもどります
本日2話目です
「雨か、ということは電さんが行動を始めたか」
全員と離れてから、少しあとに電さんによる雨が降り始めた。
確か、俺の近くに雷が落ちたらその場所にギルドホームがあるのだったか。
にしても、よく900mも上空から俺達の位置がわかるものだな。
上空にいる電さんの姿はこっちからだと見えない。
ゴロゴロ、ガッシャーーーン!!!!
雨が降ってから数十秒後、近くにライトニングによる雷が落ちた。
電さんが拠点の位置を見つけてくれたみたいだ。
よし、さっそく移動しよう。
スライス移動で、雷の落ちた方向へ消えていった。
「お、電さんわかってるじゃん」
雷が落ちた場所に来てみたら、ギルドホームには雷は当たっていなかった。
俺が、不意討ちでクリスタルを壊そうとしているのに、あいつは気づいたのだろう。
あえて、落下地点を少し変えてくれていた。
クリスタルを破壊する手段は、俺のなかでは2つあると思っている。
ギルドメンバーを壊滅させて壊すか、気づかれる前に壊してしまう。
俺は後者を選んだ。
相手のギルドホームは、俺達のと同じように木造の2階建て。
見張りはおらず、中に10人ほどプレイヤーがいるように感じる。
肝心のクリスタルは、ここからだと木が邪魔になって見えない。
入口は空いていたので、無理やり入ろうと思えば入れそうだ。
ホーリーフィールドも展開されていないし、初心者が作ったギルドかもしれないな。
拠点の防衛で、もっとも避けなければいけないのは不意討ちだ。
それを防ぐ、ホーリーフィールドは防衛では必須のスキルになっている。
イベント開始直後に、竹田がホーリーフィールドを使ったのも、そのためだ。
ホーリーフィールドも無いし、すぐにでも攻撃を始めようか。
まずは、デーモンジャンプを発動させる。
デーモンジャンプ
色 黒
系統 発動系
持続 小(10秒)
本体から一定時間幽体離脱し、その体を動かすことができる。相手からは見えず、此方も攻撃することはできないが、対象指定することはできる。
視界が薄暗く変化し、スキルの発動を実感する。
さあ時間までに、中の状況を見ないと。
この状態でもスキルは使えるので、スライス移動で真っ正面から侵入する。
中にいる人の位置と、クリスタルの位置を把握する。
そしてそこから、全員の死角になっていそうな場所を見つけていく。
クリスタルから数メートル離れたあの机の下とかは、ありだな。
そこに対象指定をしておく。
他の候補も探したが、あそこが一番良い位置だ。
10秒の制限時間になったので、もとの体に戻る。
そしたら、対象指定しておいた場所に成影を発動する。
そしてその成影の影を対象指定し、影交換という魔法で、位置を交換する。
元々いたアバターは真っ黒に変色して霧散し、成影の影からアバターが構成されていく。
デーモンジャンプで見た位置にちゃんと移動できたので、もう必要ない成影を解除。
それで、ここから何をするのかというと・・・・・・安定の、黒星様連射。
「なんだ!?!?何が起こっているんだ!!!」
クリスタルから逸れた黒星様によって、ギルドホームが滅茶苦茶になっていく。
それでようやく、プレイヤーが何かに襲撃されていることに気づく。
「なっ!?やっやめろ!!!」
俺の位置に気づいた者もいるが、こうして叫ぶことしかできない。
黒星様の威力が高すぎて、流れ弾に当たったプレイヤーのHPが一瞬で無くなったのを、見てしまったからだ。
結局、クリスタルがただ無慈悲に破壊されていく姿を見守るしかなかったのだ。
さてと・・・・・・あーーー気づいたら3つもクリスタルを壊しちゃったな。
電さんからの雷を待っていられず、飛翔剣をつかって上からギルドを見つけ、そのまま制圧してしまった。
一旦電さんと合流するとしよう。
セブンさん側の状況と他のギルドのことを知りたい。
それに、さっきから雷が煩わしい。
もう少し数を減らせ!と言ってやる。
手っ取り早く上に移動するために、ショートジャンプを使うか。
黒線の射程が大体900mになるように、調整。
900m先で、ショートジャンプが発動するようにする。
電さんが雨を降らせているおかげで、雨粒が当たることで問題なくテレポートできるだろう。
上空に移動したら、落ちないように飛翔剣で高度を維持しつつあいつの居るところへ移動すればいい。
戻るときは、予め発動しておいた成影の影と、影交換をつかって位置を入れ換えてしまえばよい。
上空に移動したら、全身黄色の装備つけてる変質者はすぐに見つかった。
「ゴロゴロゴロ~♪ゴロゴロ~♪」
「電さーん。なにやってんだよ」
「ガッシャーーーーーーン!!!あははは!!・・・・・・って、ゆーじゃん。いつのまに来てたんだよ。来るなら、来るってちゃんと言えよ」
おまえ、その状態だと絶対連絡みないだろ。
「くるこないはいいとして、わざわざ何しにきたんだ?」
「セブンさんたちの状況を知りたくてな。それに、今残っているギルドの数なんかも」
「なるほど。ちょっとまってね」
そういって、下の方を向く電さん。
「・・・・・・まず、セブンさんは順調に俺が指示した場所の拠点を攻め落としてて、いま2つ目を攻略してる最中。ゆーはもう3つやったんだよね?」
「ああ」
「それと雷ちゃんと、いっぱい遊んでいたら、俺が1つギルドを壊滅させちゃったみたい」
「だから、あんなにうるさかったのかよ。もっと静かにやれ」
「えーーー!?いいじゃーん。迷惑かけてないでしょー?ほらっ、ゴロゴロゴロ~♪」
「会話中にブッパするな!余計な場所に落とすな!!」
その後も何度も止めろと言ったが、雷のうるささを止めさせることはできなかった。
「あ、俺たちの拠点が包囲されかけてるよ。ほら、50人くらいに」
さらっと、とんでもないこというな。
雷の素晴らしさ言う前に、先にこっちを言えよ。
「まじ?竹田1人じゃ、流石に厳しそうか?」
「うーん。相手の編成見た感じだと、そこまで強いとは思えないけど。戻った方が良いと思う」
「わかった。竹田に、浮かせておいたダークショットを触れるように連絡を入れるか。それと、なゆさんにも戻るように伝える。掃除が終わったら、連絡係を交代しようか」
「了解。じゃあ俺はここで見てるから、頑張れよ。・・・・・・ゴロゴロゴロ~♪ガッシャーーーン!!!!ゴロゴロゴロ~♪」
イカれてるなこいつ。
こんな、どうしようもないやつは放置しておいて、防衛するために拠点へと戻るか。
「もどったよー!たけちゃんとゆうちゃん。私だけで50人くらいを追い返すんだって?楽しみだねー!」
ギルドホームに戻って少しあと、竹田からの連絡でなゆさんと合流した。
それと、ほぼ同時期にこの拠点の周囲を約50のプレイヤーが姿をみせた。




