イベントに向けて
エリア8のダンジョン攻略から5日後の夜。
初のイベント、ギルド対抗戦は明日に迫っていた。
明日ということもあって、今ギルドメンバー全員がギルドホームに集まって、テーブルを囲んでいた。
メンバーは7人
リーダー TAK☆EDA (白)
サブリーダー seven17 (無)
U_562460 (黒)
メンバー 33ヘクトR (緑)
レッドぷりんSg (赤)
電気的概念を生み出す雷の恋人 (青)
なゆさん (青)
「ゆーの今の装備が、あの例の場所で手に入ったやつか?」
なぜか異常に長い名前を好んで使う、俺の左隣にいるプレイヤーがそう問いかける。
ギルド内のメンバー全員から、そのあまりの名前の長さ故に電の一文字に略されて呼ばれている。
全身を黄色で固めた装備をつけている男。
髪も黄色で自称、カミナリヘアーという謎の髪型。
なんだよそれ。
そしてなぜ、そんな残念な名前に、残念な見た目になってしまったのか。
どうしてわざわざ雷のことを、電気的な概念を生み出すって付け加えているの?
よくわからんやつだ。
「そうだね。ほかにも、いっぱい手にはいったけど、一番の収穫はやっぱ、ゆっきーの装備だね」
右隣にいる竹田がそう話す。
カラーレスセブンを倒した後、消えた扉にあった宝箱から手に入ったものだ。
ローブがメインの装備一式。
全ての装備が、表面に白、裏面に黒のリバーシブルになっている。
共通して持っている効果として、移動速度上昇、HP MP SP自動回復強化。
黒にすれば、自身と同じ色(黒色)の攻撃が上昇。無色の受けるダメージが減少。
逆に白にすれば、自身の色の弱点色(白色と赤色)の攻撃とセブン色の受けるダメージが減少する。
オーダーすることで、表裏を装備一つ一つ好きなように変更することができる。
武器の方は一見すると普通の剣にしか見えないが、こちらもどっちを下にして持つかで性能が変わる。
見た目も黒っぽくなるか白っぽくなるかで、変化する(性能は同じ)。
竹田とセブンさんは、既に自分の装備を持っているからと、俺に譲ってくれた。
いい装備を整えるのは、宇宙攻略のための目標の1つだったので、それが叶った形となった。
「それ以外だと、新しい魔法を手にいれたよー。それもセブン色!」
「いいな~。私も途中から混ればよかった~」
紫髪のショートで、セブンよりも更に一回り小さな見た目。
俺の対面にいるプレイヤー、なゆさんは残念そうにそう言う。
あのとき実は、なゆさんは途中からログインしているのは分かっていた。
なゆさんはギルドゲート(青色)という、オンラインのギルドメンバーの場所に移動できるレア魔法を持っている。
俺らが地中の宇宙を進んでいた時に、竹田が連絡を入れていたのだが。
「うちゅーめんどいからいあ!」
とメッセージが送られ、断っていた。
ちなみに、その魔法はパーティー全員にら配られたので俺、竹田、セブンさんは使えるようになった。
セブンさんがセブン色になってくれるかは謎が残るけど。
「実際に使ってみたんだけど。その魔法、プリズムは虹の光を4角錐状に照射するって効果だったね。ゆっきーがもろにくらった、アレと同じでね。ププッ」
「うっさい。予備動作もなしに。光ったと思ったらHPが2割も残ってねぇ。超避使った時点でもうアウトだったんだよ」
あんなのは事故でしかない。
逆に、ホーリーフィールドなんかで皆が固まっているときに、使われなくてよかったよ。
プリズム
色 セブン
系統 範囲系
速度 最高
威力 中
4角錐状に虹の光を照射して攻撃する ※レア魔法
事情を知らない者から、あのUでも避けられなかったのか、という声が聞こえてくる。
電さんの左のヘクトアールさん(俺より若い見た目で、現実に居そうな自然な見た目)。
さらに左にいるレッドプリンさん(赤い頭に金の王冠をのせた意味不明な見た目)
この2人からだ。
「いや、無理なものは無理だから。俺はあのフレーマーと違って避けるの得意じゃないから」
「えー?本当に無理なんですか?」
「じゃあファンタズム避けられるのか?おぃレッドプリンさん」
「・・・・・・」
「そういうことよ」
この後もダンジョンでの話と攻略報酬の話が続く。
そしていよいよ、イベントの話題に話が移った。
「取りあえず、拠点の守りは基本俺だけで十分と思う。何かあったら、ギルドゲートでなゆさんが加勢できるし」
「俺も、中心に速度0のダークショットを置いておこう。それに触れれば、ショートジャンプがトリガーして、呼び戻せるようにする」
ここまでくると、ショートとは?ってなるレベルで便利だ。
「おっけー。じゃあ攻めなんだけど、セブンさん、ヘクトアールさん、レッドプリンさん、なゆさんで固めて攻撃。電さんは上空で連絡係。ゆっきーは4人の援護もしつつ、1人で攻撃をたのむね」
「おっけー」
「了解」
他のメンバーもうんうんと頷く。
「あ、俺ももちろん攻撃に出たいから、手が空いたら変わってほしいかな」
「じゃあ、私がやってあげるね!」
「俺も、手伝うとしよう。ゆー、代わりに伝達役を頼んでもいいか?」
「問題ない。上空なら狙撃もできるから、一石二鳥だ」
竹田が攻める場合は、なゆさんと電さんが拠点の守りをすることになった。
その後も話は続き、明日のイベントの朝にはまた集まろう。
ということになって解散となった。
ゲームをログアウトしたあと、すぐにベッドに入る。
明日は祝日だ。
今年からできたらしいが、何の祝日なんだろうか。
まあそんなことは関係ないか。
俺はいつもよりも早く眠ることにした。
イベント当日。
初めてのオウレリア・アーキテクトのイベントだからか、多くのエリアの町に大量のプレイヤーが集まった。
参加するギルドの数は1万をこえた。
初心者が集まってたてたようなギルドから、100名以上の大規模ギルド。
最速攻略組が所属しているギルドも、この日ばかりは攻略をせず、このイベントに参加していた。
そんな中、優勝を目指す俺達7人の戦いがスタートした。




