地中の宇宙
DDDスパイダーを倒すことに成功したが、所詮はここの雑魚モンスター。
これから、何度も戦わないといけない。
それだと流石に誰かが落ちかねないので、俺達はDDDスパイダーの対策をたてた。
まず、竹田が盾役になるのは変わらない。
接敵したら、まず光剣召喚をつかってもらい、ホーリーフィールドを使わずに、光剣で攻撃を受けてもらう。
セブンさんも、ファイナルアタックが使えるようなので、無色に変更してもらった。
そして、3人全員でファイナルアタックを喰らわせる。
俺とセブンさんは、俺が無駄に買い込んでいたロングソードを使って。
竹田は、光剣を使って発動させる。
なお光剣でも、ファイナルアタックを使った場合は無色になる。
そして光剣は何度も生成できるので、これとは非常に相性が良い。
その他のモンスター。幽霊トロッコの場合は見つけ次第、ファンタズムか黒線で爆発させる。
それ以外は基本、無視していく。
このようにして、この階層の安定攻略を図った。
これが、想定以上にうまくいった。
そのやり方で、DDDスパイダーを倒せてしまったのだ。
最初は連携を入念に確認しながら、戦っていた。
それが最終的に、流れ作業で倒せるようになった。
倒しすぎて、あいつの使っていた魔法を入手してしまう始末。
そのため、そのまま15層を突破し、同じような地形の16から20まで突破してしまった。
そして、20層を突破した最初のパーティーになった。
階段を下り終ったとき、3人にとって予想外の光景が目に写る。
「「「え、宇宙!?」」」
突然の見慣れた宇宙の光景に、全員が思わず口に出すレベルで驚き、即座に戦闘体制をとる。
「どうなってるのー!?チェンジ。レッド」
世界樹の対策でセブンさんは赤に変化。
俺は、マジックジャマー対策でいつでもマホジャマーを使えるようにした。
「・・・・・・敵がこない?なんで??」
「どういうことだ?静かすぎる。」
いつまでたっても、敵が襲ってくる気配がなかった。
モンスターはポツポツといるだけで、こっちに気づいた素振りもしていない。
宇宙のモンスターは、視界に映るプレイヤーに例外なく襲いかかってくるはずなのに。
ここまで、静寂な宇宙は初めての経験だ。
それは、俺以外の2人もそうだった。
「ねえー、運営からメッセージ届いてないー?」
セブンにそう言われ、メニューを開く2人。
すると、未知のエリア宇宙。初の到達おめでとう!というメッセージと共に魔宝石というアイテムが入っていた。
「宇宙に来たのは俺達が初だと?そもそも宇宙には、最初に攻略組たちが見つけているはずだぞ」
「こっちから、ここに来たのが初って意味かもな」
「みてー、それで貰えた魔宝石ってやつ。投げつけて攻撃するアイテムなんだけど、セブン色だよー!初めて見たー」
もしかして、このアイテムで隠された色を伝えることにしていたのだろうか。
結局ダンジョンの中にどうして宇宙が存在しているのか、俺達はだれも分からなかった。
しかし、ここはダンジョンの21層のはず。
つまりは、どこかに下に繋がる階段があるだろう。
そう3人は考え、この少し異質な宇宙の探索を始めることにした。
この地中の宇宙も、モンスターが積極的に襲ってこないだけで、宇宙は宇宙。
シューティングスターやマジックジャマーなんかの宇宙の常連モンスター。
中には俺が、見たこともないモンスターもいた。
「あー、あれはレインボークリスタルっていうセブン色のモンスターだね」
異世界にあるような魔石のような見た目の結晶。
ふわふわと浮かび、近付かれない位置を保ちつつ、見えないレーザーで攻撃してくる。
レーザー攻撃の色は、当然セブン色。
宇宙のモンスターらしい、厄介でしかないモンスターだな。
基本的に近付けないので、マジックバレットで撃ち落としてやった。
DDDスパイダーも、わざわざ出張してきていた。
能力に違いはなかったので、以前と同様のやり方を使って特に問題なく倒した。
しかし、やっぱりこんなに静かな宇宙なんて考えられないな。
竹田もセブンさんも時々、ここは本当に宇宙なのか?と口をもらすほど。
ここの宇宙は、まるで別物のようだった。
しかし。
いきなり超高速で襲いかかってくる、シューティングスターを緑色の攻撃で迎撃する。
マジックジャマー(魔法)を使わせないように、マジックジャマー(モンスター)にマホジャマーを使って妨害する。
全てが害悪性能の世界樹を真っ先に潰さないといけないため、徹底して赤色の攻撃で文字通り燃やす。
5色に有利が取れるセブン色の敵には、等倍でダメージが出せる無色で倒していく。
こういった、宇宙の攻略方法はここでも変わっていなかった。
敵が少なくて、積極的に襲ってこないだけの差だった。
「あ!あれ階段じゃない?」
真っ直ぐ宇宙を進んでいって数十分後。
敵が全く襲ってこないお陰か、宇宙なのにも関わらずスムーズに攻略ができた。
そして、草原にポツンと目立たない位置に、下に続く階段を見つけた3人。
「よし。セブンさん、ゆっきー。下の階層に降りるぞ。この下も宇宙の可能性は十分あるし、ここ以上に敵の襲撃が激しくなるかもしれない」
「そうだな。今以上に集中して攻略しないと、一瞬で全滅してしまうことも全然ある」
「そうねー。特に私がやられないように頑張らないと」
3人は今まで以上の注意を払い、階段を下りていった。
22層は、今までと同じあの地獄のような宇宙かもしれない。
そうして、22層の入り口に設置されていた扉を開けた。
すると、そこに見えるのは宇宙ではなかった。
薄暗い深緑の床と壁、どこかの建物の中の大きな広間みたいな場所だった。




